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夏の祈りは 須賀しのぶ

本の雑誌社が選ぶ「2017年文庫年間ベストワン」」の一冊。ベストワンに輝いた数日後にターミナル駅の大きな本屋さんに行ったら「受賞」を知らせる帯のついた本書が山のように積んであった。自分の読書の傾向が「評判」とか「売れ行き」とか「ベストテン」とか「有名人のお勧め」といった言葉に流されすぎているなあと反省したばかりだが、やはり「ベストワンは早く読まなければ」という気持ちになってしまう。内容は、これまで県大会準優勝が最高成績で甲子園出場が悲願というある公立高校野球部の話。昭和最後の年の話から始まってその10年後20年後と続いていく連作短編集だが、最初の話のキャプテンやスラッガーが後の話でOBとして登場したりして話は続いていく。とにかくその構成が見事で、高校野球っていいなぁと思わずグッときてしまう。2017年度ベストワンというのも納得の一冊だ。(「夏の祈りは」 須賀しのぶ、新潮文庫)

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