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ヘンな論文 サンキュータツオ

本書は、強いて言えば日本版「イグノーベル賞」」候補の研究論文の紹介本というところだろう。イグノーベル賞について詳しいわけではないが、本書はあくまでイグノーベル賞のような「世界的な広がりを持った」「学術的な価値」ではなく、「ほとんど他に研究者がいない」「ニッチな分野」であることを基準にしている。しかしそれが却って「研究者の情熱」が人類の英知の本質を突いているように感じられる気がする。かつて「イグノーベル賞」について知りたくて解説本を探したが良い本がなくて、ウィキペディアで色々調べた経験がある。言い方を変えると、「イグノーベル賞」について概略を知りたければウィキべディアである程度事足りるのかもしれない。本書はそうした検索では得られない「ニッチ」であることの「面白さ」も色々味わえる1冊だ。 本書で紹介されている「あくびが移るメカニズム(あくびの原因は酸素不足ではないらしい)」「しりとりはどこまで続くのか」「古今東西の湯たんぽの形状の考察」など、奇想天外さがとにかく楽しい。(「ヘンな論文」 サンキュータツオ、角川文庫)

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