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世界は四大文明でできている 橋爪大三郎

中谷巌教授が主催する「不識塾」の講義録がもとになっているという1冊。この「不識塾」の本は、先日初めて読んだが、面白かったので2冊目を読んでみることにした。昨今のリベラルアーツブームを牽引するような色々な分野の泰斗が語るその分野の大きな流れを踏まえた解説は、「そういう風にまとめることができるのか」という新しい発見があってとても面白い。本書の場合は「宗教」というものを「バラバラの人間をグループに束ねるもの」という視点で見ることができるというのが大変参考になった。何を考えているのか分からないばらばらの他人同士、宗教の「同じものを信じているので行動が予測しやすい」という機能が社会の円滑化に役立っているという考えは分かりやすく説得力もある。講演で100回以上話した内容を文章化したというだけに、話は色々あっちに行ったりこっちに行ったりのように見えて、しっかりまとまっていて見事だ。(「世界は四大文明でできている」 橋爪大三郎、NHK出版新書)

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