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天久鷹央の推理カルテ5 知念実希夫

天久鷹央シリーズの短編集として5作目、まだ読んでいない長編2作を含めると7作目となる本書。ここまでくると、固定層のファンも形勢されて安定期という見方もできるが、その一方でマンネリ化という弊害も着実にはびこり始める。既に第3作目で主人公2人の関係性の危機があったり、短編集の間に長編を織り込んだりと色々な工夫がされているが、そろそろ何らかの大きな話の進展など、飽きさせない工夫が必要だろう。本書では、医療と宗教というシリアスな問題がテーマになっていて、それがアクセントになっているが、盛り上がりとしてはやや物足りない気がする。未読の長編2冊は楽しみだがその後が心配だ。(「天久鷹央の推理カルテ5」 知念実希夫、新潮文庫)

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