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町中華とはなんだ 町中華探検隊

高級中国料理店に行くのは年に一回あるかどうかだが、普通の中華料理屋さんには月2、3回は行く。本書でいうところの「町中華」とは、必ずしも定義は明確ではないが、後者のような普段利用するような普通の中華料理屋さんのなかで、ボリュームと低価格を売りにした昭和の香りのする店を指しているとのこと。本書は、3人の書き手によるそうした町中華の店に関するルポ。町中華は、店主の個性が際立っていて多種多様だが、昭和の時代から生き残っているだけあって、それぞれが様々な理由で一定の人数の人々に強く支持されている。しかし昨今の外食チェーン店の隆盛と後継者難(ご主人の高齢化)により、「町中華」の店の閉店が相次ぎ絶滅しつつあるという。こうした町中の飲食店の閉店は、中華料理屋さんに限らず、多くの飲食ジャンルで見られることで、自分の身近でも枚挙にいとまがない。著者達は、いずれも自分とほぼ同年代。最近、若い頃によく通ってお世話になった店が今どうなっているのかなどと思うことが多いが、そうした心情に強く訴えかけてくる一冊だった。(「町中華とはなんだ」 町中華探検隊、角川文庫)

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