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昨日がなければ明日もない 宮部みゆき

シリーズ第5弾。探偵に転職した主人公のもとに舞い込む様々な依頼。自殺未遂後に連絡が取れなくなった娘に会いたい、結婚披露宴に代理で出席して欲しい、元夫の母親から子どもを守って欲しいといった少し奇妙な依頼ばかりだが、探偵業というのはこういうものなのかなぁと思いながら読み進める。大仕掛けのトリックはないが、全てに裏がありそうな展開で、読んでいて楽しいし、読者を絶対に裏切らないだろうという作者への信頼感があるせいか、安心して読めるのが有り難い。自分にはそこまで思い入れはないが、事件をひとつひとつ解決していくごとに主人公が探偵として成長していくのも読みどころのようだ。(「昨日がなければ明日もない」  宮部みゆき、文藝春秋)

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