goo

古生物たちのふしぎな世界 土屋健

カンブリア紀からベルム紀までの古生代の生物の歴史をカラー図版とともに解説してくれる一冊。それぞれの年代の地球環境、生物相の特徴、主役級の生物の姿、我々の祖先とも言うべき脊椎動物の進化の過程などが分かりやすくまとまっていて非常にためになった。色々な生物のカラーイラストは見ているだけでワクワク、特に有名なカンブリア紀のアノマロカリスとハルキゲニアの異様さが際立っていることもよく分かった。生物の歴史で、ある時期に多くの生物が絶滅したことが5回あり、本書で扱われている期間中にそのうちの2つ、「オルドビス紀末期の大絶滅」「デボン紀中期の大絶滅」の2つがあったとのこと。あと3つが中生代以降ということになるが、そのうちの1つが「恐竜の絶滅」だとして、残りの2つがどんな事件だったのかが大変気になる。その辺のことが分かるような続編を是非期待したい。(「古生物たちのふしぎな世界」 土屋健、ブルーバックス)
(年代別の特徴)
①カンブリア紀(5.4〜4.8):眼の獲得→生存競争本格化、カンブリア大爆発
②オルドビス紀(4.8〜4.4):気候温暖、節足動物の時代、末期に大量絶滅
③シルル紀(4.4〜4.2):再び温暖化、ウミサソリ、魚類進化
④デボン紀(4.2〜3.6):引き続き温暖、陸地に緑、魚類の時代、中期に大量絶滅
⑤石炭紀(3.6〜3.0):大森林、昆虫繁栄、爬虫類進化
⑥ベルム紀(3.0〜2.5):両生類の時代、哺乳類祖先の単弓類進化
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )