goo

風の囁き 風野真知雄

くノ一シリーズ第4作目。前作まではさほど大きな事件もなく割とのんびりした感じの内容だったのだが、ここに来て脇役だった登場人物2人が予想外の動きを見せたと思った途端、すれ違い物語が大きく展開して、主人公達の先行きに更なる暗雲が立ち込めてきてしまった。幕末に近い設定の物語なので、明治維新で全ての価値観がひっくり返るのが先か、それとも主人公達は別の形で窮地を脱するのか、正に目が離せない状況だ。まだまだ先の話だとは思うが、明治維新の後、幕府の隠密達はどうなってしまったんだろう、どんな風に転職したんだろう、そんなこと考えたことなかったなぁと思う。その辺りも含めて次巻以降を読むのが一層楽しみになってきた。(「風の囁き」 風野真知雄、角川文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )