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ボヘミアンラプソディーの謎を解く 菅原裕子

映画「ボヘミアンラプソディー」のヒットに前後して、ネットなどで広まった「ボヘミアンラプソディーはフレディのカミングアウトソング」という噂の真偽、出所、社会的背景などを考察した一冊。自分自身はクイーンの大ファンではないが、映画がすごく面白かったので、気になって読んでみることにした。自分はそういう噂があること自体知らなかったが、映画を観た時の直感としてこれはカミングアウトだろうなぁ、カミュの異邦人の影響を受けているなぁ、と2つのことを感じたのを記憶している。噂の真偽は別にして、噂にはゴシップを好む人間の暗い部分と、今はそんなに苦しまずに済む世の中になったよという明るい部分の両面があるという著者の指摘は鋭い。そうした壁が低くなったからこそ、素人の自分でもそうした匂いを感じることができたのかもしれない。もう一つこの本の面白かったところは本書が刊行されるまでの経緯。ダメ元で出版社に原稿を送り一旦ダメ出しされたが諦めず、紆余曲折を経て刊行できたという。(「ボヘミアンラプソディーの謎を解く」 菅原裕子、光文社新書)
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