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連星からみた宇宙 鳴沢真也

「連星」をキーワードにして宇宙に関するの様々な知見を教えてくれる啓蒙書。これまで宇宙については、その誕生から終焉までのプロセス、恒星の一生、宇宙に様々な元素が生成される過程などを本やオンライン講義で学んできたが、連星については、半数以上の恒星が何らかの形で連星を形成していて太陽のような単独星はむしろ少数派という話は聞いていたし、重い元素の生成に欠かせない中性子星の合体などは連星を大前提にしているのだからその重要性は何となく理解していた。本書はそうした漠然としたところをしっかり解説してくれると同時に、さらに研究者の立場から宇宙の創生以外の研究について、星の質量の測定など多くの宇宙論の進歩に「連星」の存在が欠かせないということを教えてくれる。連星の種類や進化の仕方など「連星」そのものに関する解説も面白く充実した一冊だった。(「連星からみた宇宙」 鳴沢真也、ブルーバックス)
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