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初夏の訪問者 吉永南央

食器販売を併設したカフェを営むおばあさんが主人公のシリーズ8作目。自分自身や友人の老い、世代の違う周りの人達の変化が緩やかに進む様が独特の静かな文章で綴られていく。このシリーズはおばあさんが主人公だが、全く教訓めいた「おばあさんの知恵」のような言動がないのが特徴。今回は主人公の過去に関係したある事件がメインストーリーだが、これまで主人公の過去についてどんなことが書かれていたのかあまり覚えていないので、こんな波乱に富んだ半生だったのかと少し驚いてしまった。(「初夏の訪問者」 吉永南央、文春文庫)
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