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ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒

初めて読む作家。本屋大賞にノミネートされたので読んでみた。本書で扱われているのは、音楽教室で教師や生徒が演奏する楽曲に対して著作権使用料を支払う義務が生じるかどうかという問題で、登場人物、舞台もそれに関係した人たち、音楽教室などだ。本の帯には、スパイ小説と書かれているが、サスペンスやミステリー色はほとんどなく、人にとって音楽とは何かを考えさせられるストーリー。実際の裁判所の判断は、教師が演奏した場合は使用料が必要、生徒の演奏には不要とのこと。著作権を守りたい側と音楽教室の両方の顔を立てたような判決だが、音楽教室で教師がお手本として演奏する場合にも著作権料が必要というのは知らなかったし、ちょっと意外だった。(「ラブカは静かに弓を持つ」 安壇美緒、集英社)
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