玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

老人の利己主義

2015-09-02 00:25:18 | 雑感

先日銀行に行き、そこで二人の老人を見ました。一人のお婆さんは、定期預金の満期手続きに来たようだが、頑として二階の顧客カウンターでの対応を主張していた。さらに、エスカレーターは躓くからエレベーターで誘導してくれること、女性ではなく男性行員の接客も要求していた。右往左往する女性行員をしり目に、「まあ大げさだこと!」と小声で愚痴るに至っては、あえて面倒事を撒き散らす意地悪婆さんそっくりだった。もう一人のお爺さんは、通帳を亡くした手続きを、何度も何度も同じことを行員から聞いていて、私が用事を済ませる間もいっこうに終わりませんでした。呆けて理解能力がないのか、単に人と話す時間が欲しいのか、理由は判然としていませんが、どちらも悲しい老後の時間と見受けられます。

誰もが老人となり、現役から引退すれば、人との接触は格段に減少し、やがて孤立を深めていきます。そういう時に、老いてなお孤高に生き続けることは至難の業である。多くの場合、同じ寂しさを共有する仲間を求めて、公的施設のサービス等を利用している。中には、民間企業の顧客サービスを自分流に寂しさの穴埋めに利用しようする老人も増えているようだ。なんだか老いの利己主義が、頑張って働いている一般の人たちの時間を侵食しているように見えてしまいます。

 

★高座郡羽鳥村名主の屋敷(湘南百景)

三觜家は、幕末の頃、総村高255石の内113石の持ち高という豪農でした。

 

コメント (2)
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