「お答えを差し控える」これはどういう意味なのか?もとより意味などない。「これはやばいから言わない」と開き直って、あたりを睨んで権力の椅子にふんずりかえっているだけだ。
黙って、それを見ている新聞記者や報道記者がいること自体、この国は自由な言論のない国となってしまった。
かつて、現首相の大叔父の佐藤栄作首相は、記者会見で、新聞記者は嘘ばかり書く、テレビは良いと言った。その時、記者たちは「それなら出て行きます」と憤然と席を立った。
記者がいなくなった閑散とした会見室で、気が抜けたように喋る、眉の太い歌舞伎役者に似た宰相の暗い顔がテレビに大きく映っていた。
その時に先陣を切って席を立った記者が、先日亡くなった毎日新聞の岸井成格氏だそうだ。あの時代のマスコミの記者たちには一様に矜持があった。
そういえば、最近「毎日新聞」だけが「桜を見る会」を諦めずに追っている。ところが、この国の戦後政治では、大きなエポックを作るのは、必ず「朝日新聞」か「文芸春秋」である。リクルート事件、ロッキード事件、然り。
既成メディアの存在が問われている中で、急いで飛び出した「毎日新聞」は、また、かつての西山事件(『外務省機密漏洩事件』)のような奇禍を受けなければよいのだが、・・・。
いつ陽は指すのか?