この國の首相が森友・加計・桜で何をしたか、大方の国民は分かっている。また、彼の実績は長いだけで、さしたる実績がないことも解かっている。
彼がやったことは、「自らが手にした権力は使わないと損だ」という小狡い根性から、最高国家権力を、まず自分のために、自分に媚びる者のために、国民の税金や公金を、恰も自分の金のように惜しみなく使ってきた。
まさに議会制民主主義国家の独裁者であった。それでも彼がやったことは、少しはある。年金基金を株相場に注入して官製相場を作ったぐらい。株相場の維持には惜しみなく金を注ぐ。コロナ対策はこれに比べるとかなり渋ちんだ。
かつて10年前に菅直人は2011年8月26日退陣した。読売新聞は翌9月15日に菅直人の政権を「官邸機能停止の180日間」と評し、『亡国の宰相』を刊行した。随分手回しの良いことだ。
確かに東日本大震災での民主党政権の対応は不評だった。今振り返ると、大災害の時は、どんな政権も、何をやっても、この国では批判をされ、良くは言われないものらしい。
その民主党政権の後のアベ自民党政権は悪運が強く、まったく大災害がなかった。ただ、今回の新型コロナは全世界的な大災害である。当然、日本も巻き込まれた。
さんざん「悪夢の民主党政権」と罵ってきたアベ自民党政権は、やっとここで手腕を示せる大災害に巡りあった。この時こそ、歴史と伝統のある長期政権としての真価が問われることになる。
ここで、もし失敗すれば、読売新聞から退陣後にどのように書かれるのだろうか???
いやいや、この国自体が亡くなってしまうかもしれない。
全てが傾く。