政治の世界では事前の準備や周到な演出のない純粋な行為はほとんどない、と長く生きていれば自然に判るものだ。
広島の平和記念式典で読み飛ばした元首相が珍しくうまく読めたのを、ほめそやしたマスコミや一部の議員たちの癇に障っただけで、テレビの人気コメンテータが降板することになった。
玉川氏は「電通を使った」ではなく、「安倍政権が使っていた電通的演出」と詳しく述べればよかったのかも、でもこれは事実だからもっと非難を受けそう。
まあ、大人として黙っていた方がよかったのだろう。でも、空気を読まずに言ってしまうのが彼の個性で人気だった。
江口紹子が「ちゃんとした取材もしないで、彼は言ってきた」と玉川氏を評価した。フリーの記者からすれば、大手メディア社員に対する厳しい目もあるのも事実だ。
最後に「元首相と電通に対して」謝罪したのは、彼が問題の所在を明確化する強い意志を示していて、引き際の演出としては良かったのではないか。