玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

近現代史の裏側(26)―東條の野心―

2024-01-19 10:06:11 | 近現代史

実は、騙されていたのは、私も、…かも知れない。

東條は格落ちの幕僚で、いつも永田鉄山の手足に使われていたので、どうしても小物感が拭えなかったが、実は隠れた野心家だったのかもしれない。

いきり立つ陸軍を抑えられないから、文官ではなく、武官でなければならない、という理屈は解るし、当時のグルー大使も認めている。

 ジョセフ・グルー『滞日十年』ちくま学芸文庫より

グルーは梅津美治郎の情報を得ていた。私もそう思う。何故なら、成績主義の参謀幕僚の世界では、梅津は永田鉄山より士官学校の一期上で、かつ、陸大卒業成績も梅津が一番、永田は二番だった。ちなみに東條は成績優秀者(6名)の圏外で10位以内ぐらいだろう。

誰が想像しても、東條中将ではなく、先輩格の梅津大将なのである。グルー大使への情報も梅津であった。

というコトは、東條に首相を是が非でも勝ち取るという野心があったと思わざるを得ない。

たぶん東條と鈴木の共謀行為であろう。この二人じゃ、戦争は勝つはずがない。【次週へ】

 

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