方丈社編のこの本は、全体的な印象としては、或る朝起きて、戦争が始まったことを知って、まず驚き、感動し、なぜだか万歳という感想が多いような気がしている。
この本の引用文献を見ると「日記」と「印刷物」の半々である。開戦直後に出版された印刷物に戦争への危惧や反戦の事を書く勇気のある知識人は殆どいない。斯く言う、この本の方向性の一抹の危うさを感じる、…。
四十歳の召集枠の外にある年代はどうかというと、次の二人が印象深い。
清沢洌 51歳
清沢のような人間が社会に多ければ、政府の中枢に戦争への責任感を持つ者が多ければ、別の選択肢があったかも知れない。
幸田露伴 74歳
老人は涙を流すしかないのだろう。現代でも、七十歳を過ぎれば、目立たずひっそりと集団自決しないように余生を過ごすしかないのだろう、…が。
しかし、政治においては、太平洋の向こうではトランプとバイデンが、この圀では自民党の麻生や二階が表舞台から降りようとしない。老人の交通事故のようなコトが政治の世界で起きないことを願う。
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