玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

森功『国商』を読んで (その10)

2024-08-29 11:34:46 | 

葛西敬之(よしゆき)はリニアによって、新たな世界的な利権を作ろうとしたのではないか。そして、自分のいたJR東海を、元日本国有鉄道だったという大城の天守閣にして、本来は自分が行くべきだったJR 東日本を天守閣から見下そうとしたのではないだろうか。

だが所詮、首都圏を抱えるJR東日本には到底かなわない。よって、彼は経営ではなく、政治の世界に入っていった。

どんなに儲かる鉄道会社でもJR東海、JR東日本は西武鉄道や東急にはなれない。彼はあくまで国鉄のキャリア職員で分割民営化に功があっての、結局、大きな国有会社の「雇われの経営者」でしかないのだ。

なぜ彼は東大同期が中心となった「四季の会」からNHK経営委員を入れて、やがて会長人事まで口を出すようになったのだろうか。

結果として、彼のやったことは、安倍晋三や菅義偉が直接NHKの人事に介入することを隠し、民間の側からの力で、NHKを実質的な国営放送にする道を進行させたとしか思えない。

なぜ彼は全く畑違いの「NHKの人事に手を突っ込んだのか」

割合、答えはみじかにあった。国鉄は日本国有鉄道ではないか。彼にとって、経営が受信料で安定しているNHK(日本放送協会)を日本国有放送協会へ変えることを全く躊躇しなかった。彼は1940年生まれ、六〇年安保にどのようにかかわったのだろうか。

とすれば、森が指摘する「彼が日本会議の要職にある」という指摘に彼の姿が朧気ながら見えてくる。

 


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