ニューヨークに出張に出かけた時、紀伊国屋で「アメリカの大学の裏側:「世界最高水準」は危機にあるのか?」を購入する。
本を書いているのは、現在アメリカの大学で教鞭をとっているアキ・ロバーツさんとそのお父様、関西大学東京センター長の竹内洋さん。
アメリカの大学で仕事をしている者として、非常に共感することが多い内容だった。
その中でも個人的に興味があったのが、なぜアメリカの大学が現在では授業料が世界一高くなってしまったのかというその背景。
前にもブログで書いたが、アメリカの学生ローンは年々高騰し、平均30,000ドル以上とも言われている。
http://money.cnn.com/2016/10/18/pf/college/average-student-loan-debt/index.html
先週、私の学生たちに、ストレスについて課題を出したところ、経済的な負担、先行きの見えない自分の将来(大学を出ても、仕事が見つかるかどうか保障されていない)、学業と仕事のバランスという共通項が見出せた。授業料を練りだすために、パートタイムあるいはフルタイムの仕事を持っている学生が殆どであり、身体的・精神的なストレスの原因となっている。
なぜアメリカの授業料がここまで高くなっているのかという理由をいくつか述べてみると
・大学職員にかかる費用の増額―確かにアメリカの大学は職務が細分化しており、管理職やスタッフの数がやたらに多い。
・州からの高等教育資金の支援減少ー低所得者などへの福利厚生の方へ財源が回されている。
・マイノリティーやニーズベースの奨学金(低所得などの理由でもらえる奨学金)が増加していること。これについては非常に微妙な問題だと思う。そのようなシステムがあるために、ミドルクラスやアッパークラスの人たちは、自分たちがきわめて高い大学授業を支払わなければならないという羽目になるからだ。そのようなローンを背負うのが、今後のアメリカ社会を背負う若者たちということを考えると、非常に厳しい将来が待っている。
この続きは次のブログで。
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