二日前のことである。
近所で爆発事件が起こった。
夜の10時頃、息子と電話していた最中、木が家に倒れたような大きな衝撃を受ける。ネコたちもびっくりして、ベットの下に隠れてしまう。
その夜は、この地域に珍しく洪水警報の大雨の日であり、落雷もあったため、もしかして木が家に倒れたのかと考える。
5年前、別の家に住んでいた時、落雷により家の横に植えてあった大木の枝が折れ、屋根を貫通し、息子の寝室の天井に穴が開くという事件があった。その時の衝撃は、飛行機が家に墜落したのではないかと思うくらい大きいものだった。幸い、寝室でも押し入れの天井だったので、息子の命には別状がなかった。
そういう過去の経験があったので、家じゅうの天井を見て回るが、穴が開いた様子はない。雨が強く降っていたが、外に出て屋根に何か倒れていないかを確認。とりあえず、何も異常はないようだ。
ところが5-10分後、サイレンの音が近所にどんどん鳴り響き、その尋常ではない数に、何か事件が起こったに違いないと考えるようになった。不幸にも夫はまだ台湾から帰っていないので、その夜は一人だった。
インターネットでローカルなニュースをチェックするが、何も情報はない。Facebookでニュースをチェックしてみたが、近所の人でメッセージを書いている人は見られない。そこで去年からメンバーになっている、The Nextdoorという近所グループのソーシャルメディアにアクセスしてみると、同じように轟音を聞き、ショックを受けた人たちが、かなりの範囲内でいることを知る。
家の近くにも消防車が止まっている様子だったので、思い切って外に出て、夜分だったが隣人のドアをノックすると、爆発事件が私たちの後ろの通りの家で起こったらしいということ、原因はうわさではロケットを作っている人の実験によるものではないか、ということらしい。そのうちにまた次の爆発音と震動を経験。2度目の爆発である。
煙が上がっている様子と、サイレンがあちこちで点滅している様子を目撃する。もしかして避難しなければと一瞬思ったが、隣の人がもしそうだったら、すぐメッセンジャーで連絡するからと言ってくれる。こういう時の助け合いは心強い。
サイレンの方向が、私の近所の友達の家の近くだったので、急に心配になり、大丈夫かと携帯でメッセージを送る。心配になり、指が震えてしまう。すぐ返事はかえってこなかったが、そのうち「私たちもびっくりしてすぐ911に電話したの」とメッセージが返ってくる。彼女たち夫婦が無事で一安心。
1時間たってやっとローカルニュースで事件が報道される。ソーシャルネットワーキングの方がニュースが早いのは、緊急時には困る。
翌日のニュースでは、2名が死亡、2名が重軽傷、消防士2名も怪我をしたということだった。原因については、まだ警察は伏せているらしいが、爆発を起こした家人は、現在使用されている燃料の代わりになるようなモノを作ろうとニトロ化合物で実験を行い、業者に販売するという職種らしい。聞く話によると、家でそのような危険物を作るなんて違法行為だということを、近所の人が忠告していたらしいが、聞く耳をもたなかったらしい。非常に風変りな人らしい。隣の家の人が、巻き沿いで亡くなったというのもあまりにも可哀そうだ。この実験を行っていた人の奥様は、近所の大学生に助け出されたらしい。爆発が起こった時は、何人かの大学生や近所の人が、自分の命を顧みずに助けに入ったというのは、感動のストーリー。
それにしても事件は思いがけないかたちでやってくるものだ。近所の絆とネットワークのありがたみを痛感した事件だった。
真相がわかるまで怖かったでしょう。
思いがけない事件、良い隣人に恵まれて良かったですね。