朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
歌意:
明け方、辺りがほのぼのと明るくなる頃、
宇治川の川面に立ちこめていた霧がとぎれとぎれになって、
その絶え間のあちらこちらから点々と現れてきた川瀬の網代木よ。
作者: 権中納言定頼(ごんちゅうなごんさだより)
995~1045 藤原定頼。 公任(55番)の子。 書にも優れる。
小式部内侍の歌(60番)に関係した人物。
『千載集』の詞書に、
「宇治にまかりてはべりける時詠める」とあり、宇治に赴いた折に詠んだ歌である。
平安時代、この地は貴族の別荘なども建てられ、
都の人にとってはなじみ深い場所であった。
冬の早朝、宇治川の一面に立ちこめていた霧が、次第に薄らいで、
都の人にとっては珍しい網代木が点々と現れてくる。
一幅の絵を思わせる典型的な叙景歌である。
※宇治川は京都府南部を流れる川。琵琶湖南部に発し、しばらくを瀬田川といい、
京都府に入る手前から、木津川・桂川との合流点までを宇治川と呼ぶ。
※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」
今回のコラボ画像は、今年の初日の出。 多摩川の朝霧。
山と川の宇治の景観、点々と見える網代木とは、イメージが全然違いますが・・・
立ちこめていたときは何も見えませんでした。
日が昇るにつれて霧が無くなり、ゴツゴツした岩が見えてくる川面でした。
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