よし坊のあっちこっち

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歪むアメリカ

2009年03月25日 | アメリカ通信
ここに、42と344と言う数字がある。今回のAIGの幹部社員へ支払われた巨額ボーナスの返還、差し押さえの動きに関連したニュースに載っていた”ある数字”である。これを見ると、一層おかしくなったアメリカの姿が浮かんで来る。

兎に角、我々サラリーマンが、世界第二の経済大国(もう直ぐランクダウンするが)日本からアメリカに来ると、びっくりするのは、大企業の、しかもエライさん(上級幹部とでも言おうか)のサラリーやら、やめる時の退職金ボーナスが桁外れに高いことだろう。そうじゃない普通の人も高いと思って来ると、意外とそうでもないのに驚く。この話だけでも、アメリカでは普通の人と上級幹部とのギャップは日本の比ではないことをうかがわせる。

冒頭の42と344は、このギャップを如実に物語る数字なのだ。
1980年では、普通の人と幹部の退職時ボーナスの差は、42倍であった。この数字だけでも凄い。何せ、何億円という数字が飛び交う世界になっているのだから。しかし、これで驚いてはいけない。何と、2007年、幹部は普通の人の344倍貰っていると言うではないか。42倍が、更に344倍とは。バブルだかなんだか知らないが、桁外れに差が拡大してしまったのだ。

今回の騒動の事の発端は、企業救済に税金を貰っておきながら、その金をテメエ達の報奨金に使うとは筋が通らねぇ、とばかり、遠オバマの金さんが、噛み付いたわけだが、このご時世でなくとも、どう考えても虫の良すぎる話だ。

日本のサラリーマン社会では、社長になる人を長年掛けて下の人たちが押し上げていく、というイメージだから、上下の差をそれ程大きくは感じない。決め事も皆で仲良く決めていこうという感じだ。
アメリカは、その点、この地位はオレの実力の賜物だ、そんな意識が強い。そして、いったん権限を握ったらトップダウンでガンガンやりたい放題やるイメージだ。そこには、オレはお前達とは違うのだ、意識が濃厚に漂う。

自由の国、アメリカンドリーム等と言うが、どうしてどうして、その裏側は、相当歪んだ国でもある。