五味川純平の大河代表作を映画化した「人間の条件」を観たのはいつ頃だったか、はっきり覚えていない。高校の頃か大学の頃か定かではないが、観たのはテアトル新宿だったと思う。6部大作で、完結編の完成が1960年とあるから、それから大分経っての復活一挙上映であったろうと思う。
なにせ、約10時間の一挙上映だ。朝は8時くらいからスタートして、途中休憩を挟んでいるから、終わったのは9時10時だろう。
1960年当時と言えば、さかんに東宝の用心棒や、椿三十郎と言った三船敏郎主演の映画にニヒルな敵役で仲代が必ず出ていたから、時代劇のイメージが強かったのだが、その意味では「人間の条件」は現代劇としての仲代を観た初めての映画だ。
昔は5社協定なるものがあって、所属会社以外の映画に出るのは殆ど出来なかった中で、仲代は最後までフリーを通したと言うから、珍しい大物俳優と言える。
手元に当時の映画パンフレット(写真)がある(当時は気に入った映画のパンフは必ず買っておいたものだが、長い年月であっちこっちとなり、今や数えるくらいしか残っていない)。懐かしい出演者が並ぶ。女優陣では、よく知られた高峰秀子や、奥さん役の新珠三千代等に混じって、少女の中村玉緒や、岸田今日子、それに瞳麗子の顔も見える。男優では、あの、モーニングショウで、「泣きの小金治」の異名をとった、桂小金治が、この頃から映画に出まくっていたのが分かる。
それにしても、無理やり満州国を造り、多くの日本人が渡満し、やがて戦況不利から、最後はソ連の侵入で、北満を含めた一帯での大規模棄民。映画は梶上等兵満州に死すの荒涼としたエンディングだ。
なにせ、約10時間の一挙上映だ。朝は8時くらいからスタートして、途中休憩を挟んでいるから、終わったのは9時10時だろう。
1960年当時と言えば、さかんに東宝の用心棒や、椿三十郎と言った三船敏郎主演の映画にニヒルな敵役で仲代が必ず出ていたから、時代劇のイメージが強かったのだが、その意味では「人間の条件」は現代劇としての仲代を観た初めての映画だ。
昔は5社協定なるものがあって、所属会社以外の映画に出るのは殆ど出来なかった中で、仲代は最後までフリーを通したと言うから、珍しい大物俳優と言える。
手元に当時の映画パンフレット(写真)がある(当時は気に入った映画のパンフは必ず買っておいたものだが、長い年月であっちこっちとなり、今や数えるくらいしか残っていない)。懐かしい出演者が並ぶ。女優陣では、よく知られた高峰秀子や、奥さん役の新珠三千代等に混じって、少女の中村玉緒や、岸田今日子、それに瞳麗子の顔も見える。男優では、あの、モーニングショウで、「泣きの小金治」の異名をとった、桂小金治が、この頃から映画に出まくっていたのが分かる。
それにしても、無理やり満州国を造り、多くの日本人が渡満し、やがて戦況不利から、最後はソ連の侵入で、北満を含めた一帯での大規模棄民。映画は梶上等兵満州に死すの荒涼としたエンディングだ。