よし坊のあっちこっち

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虎の林は落ちた偶像

2010年01月09日 | アメリカ通信
「単なる自動車事故」に端を発したタイガーウッズのスキャンダルは大きく膨らみ、彼の本当の姿が明るみになるにつれ、商品「タイガーウッズ」を虚構の世界で演じてきた人間の哀れさが漂う。虚構の世界でうまくコントロールしてきた人間が、めったに無い人間らしい出来事(事故)で一挙に普通の世界に戻っただけでなく、そのまま、どん底に落ちてしまったようなものである。「単なる自動者事故」は、当初、事故った車から奥さんがゴルフクラブで窓を割り、助け出したという美談に造られたが、その実は、浮気での喧嘩で、車で逃げるタイガーを奥さんが追いかけ、事故ったという事らしい。

ここにきて、今まで様々な理由で封印されてきたエピソードが明るみになっている。全く哀れなものだ。

まず、思うのは、20歳そこそこの、これから人生のイロハを学ばなければならない人間がひとつの世界の頂点に立ってしまう凄さとその後の怖さだろう。凡人の我々では計り知れない世界が待っているわけで、そういう未知の世界に世間も知らない20歳そこそこの人間がどう対峙いくのか。Mentorというか、よき指南役が必要だが、彼に居たかどうか。居なかったからこういう事になったとも言える。

下ネタ話というのは、常にセンセーショナルに取り上げられるが、彼の性的趣味や、プレイの内容も相当なものだ。取りざたされている人数も10人以上と半端ではない。忙しい日程の合間に、教会の駐車場の車の脇で極めて短時間の行為に及ぶ離れ業も暴露されている。愛人達とのテキストメールも暴露され、その幼稚で猥雑な言葉使いから、品の無さを露呈してしまった。

彼の本当の姿は彼しか分からない。頂点に達したあたりから、彼は本当の姿が世間に知れるのを恐れて、演技を始めたらしい。
常にスポーツのPerfectなアイドルとして、白い歯を見せてニコッとするが、インタビュー等では人を寄せ付けない、無感動無色な雰囲気を作り、ボロが出ないように周到にコントロールする。ビッグタイトルの後の記者会見では、他のプレーヤーは気楽にストレートに、例えばミケルソンなどは、喜怒哀楽を表し話すが、今も昔もタイガーは決して乱れず、範を押したような優等生を演じきたと言われている。唯一彼だけが、記者会見に警備を含めた側近を同行し、全ては側近の合図で会見が始まるという段取りを一環して続けてきたらしい。
すべてを虚構で作り上げる為のもうひとつの材料が結婚だったと言う話だ。別に好きで結婚したわけではなく、あの時期に台本として、妻が居る台本でないといけなかったらしい。付き合った女性達にそう漏らしている。

世間もスポンサーも、彼の一世一代の演技に酔ってしまった。無理も無い。あれだけ実力だから、敢えて見抜こうとはしないだろう。ましてや、最善の注意を払ってコントロールしているのだから、なかなかボロは出ない。しかし、いつも冷静に見ている連中が何処かにいるから、ここぞという時に一挙に現れる。虚像と実像のギャップが大きいほどダメージも大きい。