よし坊のあっちこっち

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映画三昧ーSteve BikoとCry Freedom

2007年01月29日 | 映画
1987年にリリースされた映画で、ケビン・クラインとデンゼル・ワシントンが共演した「Cry Freedom」(邦題:遠い夜明け)がある。アパルトヘイト下の南アで、多くの人々(黒人)が政治犯として捕らえられ、秘密裏に葬られていくが、そこに白人ジャーナリストが危険を冒して、世界にその事実をあばこうとした実話に基づいている。

南アのジャーナリスト、ドナルド・ウッズ(01年没)は、当時の黒人活動家の一人、スティーブ・ビコと知り合い、親交を結ぶが、1977年、ビコが当局に捕らえられ、拷問により殺されたことを知り、その証拠写真を世界に公表し、アパルトヘイトのむごさを知らしめようと、英国の援助を得て、家族全員で国を脱出、英国に亡命する。翌年、彼は国連安保理委員会で証言するのである。その後、南アは91年に正式にアパルトヘイトを廃止、94年の選挙でネルソン・マンデラが大統領に就任するが、この変革をもたらした序奏の象徴のような気がする。

映画のビコを、今や知名度抜群のデンゼル・ワシントンが演じたが、当時、日本で知名度の高い黒人俳優は、シドニー・ポアティエくらいだったから、それ程記憶には残らなかった。アメリカに来た時に買ったビデオを最近もう一度観たが、注目に値する作品だろう。

ウッズは、世界中を講演して回るが、日本でも、日本固有の差別問題を含めて講演している。映画では物足りない人は、映画の基になった、ウッズの 「Biko」を是非読んでいただきたい。

思えば、ベルリンの壁崩壊が1989年だから、90年を前後して、世界のあっちこっちで自由に向かった大きな”うねり”が起こっていたわけだ。


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2 コメント

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保守 (よし坊)
2007-02-01 00:33:15
昔は、保守=体制、革新=反体制という図式があり、特に政治がらみとなるこのコンセプトが強かった。安保闘争だとかありましたね。これを一般ピープルのレベルで言えば、もっと単純で、古きもの=保守、新しいもの=革新でいいのでは。人間、その世代を引きずって歳をとるわけで、大筋においてそこから出られない。後の世代がそれを見ると、前の世代が一生懸命に古いものを守っているように見えて、保守的と写るのでしょう。だから、向かうのではなく、必然的にそうなるのだと思っています。
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差別 (ogitetsu)
2007-01-30 22:07:29
通常、差別する側の方が権力を行使するので、差別される側がその差別を無くそうとするのは、とても難しいですね。特に、一番初めに蓋を開ける役は大変だ。
90年前後に世界が少し自由の方向に向かいました。ちょうど70年前後と同じように。そして、今は保守的な方向に動いているわけです。
しかし、70年代の若者が今や50歳代。そして、今は保守となると、人間やはり歳を重ねると保守に向かうのでしょうか?


オギ
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