絵=毎夜のたしなみ。本物のロゴは白です。
訳もわからない台風18号と17号の、のろのろとした北上によって、栃木・茨城に人命に関わる重大な災害が起きた。このところ、広島の土砂崩れ、御嶽山の噴火と巨大災害がひっきりなしに続いていて、幸い大きな被害はなかったものの、東京も12日早朝に、大きな地震が襲った。日本だけではない。地球自体が活発に活動を続けている限り、人は自然災害から免れることはできないのである。
巨大な自然災害に対して、では、どう対処したらいいのか。頑強な堤防やダム、強固な耐震設計で防げるのか。あの3・11の大地震から私たちが学んだのは、強固な設備や消防とかといった体制では、どうにもならないということ。さらに、復旧に際しては、軍隊の強力な重機で道を開き、野営設備で夜露を凌ぐしか方法がなかったというものであった。1日や2日の食事ではない。長期にわたる避難民の宿舎や食事を用意するのには、軍隊の装備以外有効なものはないのである。
ところが、今、軍隊である自衛隊は厳重なシビリアンコントロールの下に管理されているから、自治体や国家の指示があってからでないと出動できない。当然、その分遅れる。今回の台風下の水害は、自衛隊がもっと早く出動していたなら、ずいぶん違った対応ができたのではないかとも言える。
で、私は思うのである。
自衛隊の一部を災害救助隊として切り離し、独立した行政機関として設立すべきだと。軍事ではなく、災害にのみに特化した重装備部隊として、常に災害に対する準備を整えておく機関とするのである。そして危険が差し迫っている状況では、自治体の首長と一体となって、災害に対処するのだ。問題は独立した特殊組織は大大にして自己運動をしはじめ、例えばアメリカのCIAなどのように制御が難しくなってしまうということである。その歯止めとして、銃器や火器の類はいっさい保持しないことを条件にすればよい。
現在、災害に対しては住民自身の避難訓練、自分で自分を守るなどが推奨されているが、いざとなったら、それどころではない。災害を未然に防ぐためにも、確固たる組織の救助隊を創設すべきだと思うのである。【彬】