ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

防風林のある家

2018年10月06日 | 日記

 先日の台風24号は大変な風であった。東京を通過した深夜、強風とともにキリキリ~、と金属をこすり合わせるような異音が不気味でなかなか眠ることができなかった。・・・何かが起きている。

 ランニングなどでよく訪れる、小金井公園、や、野川公園は、自分の庭のように思っているので、翌日ジョギングを兼ね様子を見に行った。枝が打ち払われ、幹が折られている。根こそぎ倒されている大木もあちこち。そしてフェンスが壊されている。倒木の極め付きは、直径1mほど、長さ(高さ)20mほどのヒマラヤスギの巨木が2本並んで根こそぎ倒されている。すぐ反対側には、電線が張られ、住宅が並ぶ。倒れた方向が逆であったら大変なことになっていた、とゾッとする。台風の風は恐ろしい、倒木は怖い、と思いながら帰宅する。木というのは風から家を守るものではなかったか?・・・防風林。昔、僕の生まれ育った東京郊外の大きな農家で見た記憶がある。 

 自分の住居のすぐ近くに、敷地100坪を少し超えるほどの土地の、半分を住宅に、もう半分を畑にしているお宅がある。家は木造平屋で歴史を感じさせる味のあるもの。年配のご主人が畑で春夏秋冬様々な野菜を作っている。柿木や、柚子もある。周囲は樹木の垣根が囲んでいるが、家の南側に沿うて、屋根を超えるほど高さの「防風林」を備えている。今度の台風でも「防風林」の役目を立派に果たしたのだろう。普段、僕はこの家の前を通るのが楽しみだ。何か素朴で懐かしさを感じる風景に癒される。

 世の中はドンドン変わっていく。そんな変わっていく中で、昔のままを続けている人がいる。この家のご主人は自分の生活を送っているだけだろう。そして僕のように、それを見てホッとしている者がいることが、これまた楽しいではないか。

 自分なりの生活をし、周りの人がそれは良いことだと思えること。僕自身もそんな風な生活をしたいな、と想うこともある。

 絵は近くの防風林のある家。個人的なものなので配慮して描きました。

 

      2018年10月6日  岩下賢治

 

 

 

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