ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

対面交通だから起こる交通事故

2019年05月17日 | 日記

エゴノキの花、雑な絵で恐縮 

 最近、立て続けて交通事故に巻き込まれ死亡する事故が起こった。大津の事故では保育園の園児が死亡し大きな反響が沸き起こっている。池袋の事故では高齢者の運転が問題になっている。いずれも高齢者や女性ドライバーの不注意から大事故が起こっているのだが、メディア上では免許返上の規制や車自体の制御技術などが取りざたされている。
 車社会の悲劇をなんとか食い止めるための方策は、私たち自身も直接関わる問題だけに喫緊の課題だ。
 交通問題については、私は以前から関心があって、免許や車の技術革新とは別に、道路自体のあり方についていくつか問題提起している。前々回だったかは、舗装技術について問題にした。
 が、それ以上に、道路の根本的な在り方として、一方通行化を提案したことがある。
 交通事故がどうして起こるかといえば、対面交通だからだ。高齢者や飲酒者といえども、一方通行ならば、他人を巻き込む大事故は起こらない。せいぜい自身が大けがをするだけである。なぜか。改めていうまでもなく、車が右折や左折をしようとした場合、対向車がいなければ自在だ。右に行こうが左に行こうが、車を片側に寄せていけば、信号など見る必要がない。中央を直進、左側を左折、右側を右折で済む。こうした単純運行に判断ミスはない。
 では、なぜ一方通行が実現できないのか。
 一方通行というと、細い路地の通行のことしか考えられないのが、現実だ。しかし、Aという方向に対する、Bという反対方向の道が確保できれば、大通りでも実現できるはずだ。今日のように道路が整備された時代、A路線とB路線の2つの対抗路線は、都市部なら簡単に見つけることができるように思う。
 一方通行化のメリットはたくさんある。第一に渋滞を防げる。渋滞の原因の多くは、交差点の右折が絡んでいる。一方通行なら左右とちらに行くにしても自在である。そして目的地まで迂回したとしても、渋滞分のガス代や待機時間に相当する対価は得られるはずだ。
 一方通行の利点はもっとある。道路で街の機能が左右に分断されないことである。対向車線の場合、右側の街並みと左側の街並みは情景が異なることが多い。納品する車が、片側に偏るからだ。そして利用者も道路を横断することが面倒になる。
 また、交通事故を振り返る時、道路というのはどういうものか、もっとはっきりとした位置付けが必要ではないのか。
 道路というのは元々は人の道だ。ここに馬車や自動車が入り込むのが近代社会。そうすると、法的には人優先は確保されるが、パワーの面から、どうしても人は退けられる。人車一体は実質的に車上位なのだ。
 今日の車社会を考えれば、私は、道は車優位で良いと思う。道は車優先の場所なのだ。だから車の移動の効率性・利便性をもっと考えるべきなのだ。一方通行というのは、そうした考えに沿っている。言って見れば車優先の思想である。
 そうした道路を前提として、人の歩く快適な道を模索すべきではないのか。一方通行の道を車がスムースに運行する、その脇を並木に覆われた緑豊かな歩行のための道が整備されている、そうした理想像が描かれるのである。【彬】

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