ワビスケ
都心の飲食店ではアジア系の外国人がいっぱいである。といってもお客ではなく、働く人たちである。食べ物飲み物を注文すると、不確かな返答が返ってきて、なにが出てくるか不安になることがある。これは都心だけのことではなく、おそらく地方都市でも同じだと思う。
飲食店ではいま人手不足が深刻で、外国人労働者の手助けなしには、営業が困難になっているのだろう。外国人といっても、ヨーロッパや南北アメリカ系の人はすくなく、圧倒的に東南アジア系の若い女性だ。もちろん男性もいるのだろうが、彼らはたぶん厨房の中での仕事についているのだと推測できる。
来日労働者というのは、名目的には勉学とかあるのだろうが、現実的には金を稼ぎたいのである。私たちから見ると、日本は家賃や物価が高く、金を稼ぐのに適しているとは思わないのだが、それは私たちの生活感覚であって、彼らから見ると人種も近く、夢を託せる国なのだろう。
私がよく利用する中華風ラーメン店には、中国からの気学を学ぶ留学生と、やや高齢の中国人が働いていて、テキパキとよく働く。言葉も流暢で気持ちがよい。とはいえ、異国のことだとて不安なことはないのだろうかと気になる。
かつて多くの日本人が海外に渡り辛酸を舐めながら暮らしてきたことを思うと、いま日本に来ている人たちを他人事のようにも思えないのだ。
私は海外の経験はまったくないのだが、外国行って気になるのは病気のことである。外国で病院にかかるには、どういう手続きが必要で、費用がいくらくらいかかるのだろうか。いま容易く海外旅行する人がいるが、気にならないのだろうか。
そんなことを思うので、日本で働く外国人には、ぜひ健康上の保障をしてあげたい。そんなことを思い調べてみたら、日本で働く外国人にも日本人と同じ国民健康保険が適用されているそうだ。それを悪用している人もいるらしいが、この制度は世界に誇る日本の制度だと思う。安心した。
アメリカやイギリス、ドイツなどの西洋国家では海外の移住者が地元民の仕事を奪うといって反発されているが、量には問題があるものの、人が夢をもって国境を自由に越えることを阻害するのは、理想からは後退した対処である。【彬】