NHK、Eテレで先月1月から、アラビア語講座の新しいシリーズが始まり楽しみながら学んでいる。
内容は、女優のサヘル・ローズさんが、アラビア語を学ぶため某旅行会社を訪れ、エジプト旅行をしながら様々な体験を通し、言葉を学んでいくというもの。この、コロナ禍ということからか、実際に現地に行くのではなく、魔法の眼鏡を通しての、仮想現実体験というところが面白い。
僕は、このNHKアラビア語講座が定期番組として始まった2004年から続けている。その間、講座の内容、レベルはかなり変遷してきている。そもそも、かなり難しい言葉なので、制作側は試行錯誤を繰り返してきたのだろう。文法など基礎に重点を置いたもの、また、通常のアラビア語会話に慣れることを主眼としたもの、様々。
僕自身は、アラビア文字、文法、表現法、アラブの生活習慣、文化歴史など、この番組を通してかなり学ぶことが出来た。現在の番組内容は、アラブ諸国への旅行ですぐに使える、フレーズ紹介となっている。あの、独特のアラビア文字は使わず、ローマ字で表現している。多くの人に気楽にみてもらおうというものなのだろう。
ところで、面白いと思うのは、サヘルさんはイラン出身でペルシャ語が母国語。同じアラビア文字を使うが、アラビア語とは全く違う言葉。・・・・日本人が中国語をまなぶようなものかな?
言葉というのは、歴史と文化などが複雑にからみあったもの。様々な事象で他国との食い違いのようなものにぶつかった時は、相手の国の言葉を学び、その違いを理解すること、つまり歴史と文化を理解することが大切ではないと思う。外交でもそう思う。それが相手への敬意にもつながるのではないだろうか。
絵は、サヘルさん左、と講師のカリーマさん右。
2021年2月9日 岩下賢治