アヤメ
私の住むところは古い街で、戸建ての住まいが多いこともあってか、老人が多い。足元が覚束ない人や、杖に寄りかかって、よろよろと買い物をしている人もいる。私の同輩たちも、その仲間で、脊椎管狭窄症とか坐骨神経症とか、五体を満足に動かせる人は稀になってきた。
メディア上では、骨密度を高めるとか、軟骨成分を補強する健康食品や栄養食品などの広告が欠くことがない。少子高齢化などというが、実際問題、老人の健康が大きな社会テーマになっていることは明らかである。
そうした中、ウォーキングに励む人が目立つようになって、今日は5000歩、8,000歩歩いたと自慢気に話す人がいる。そのウォーキングも、姿勢や歩き方に注意が払われていないと効果は半減。悪くすると、かえって膝や腰を痛めたりの結果を招かねない。
で、思うのだが、年をとってから膝や腰の痛みが生ずるのは、高齢化の必然で、足腰の筋骨が弱るのは致し方ないことなのだろうか、ということ。
私が信頼する体育の先生によれば、人間は二足歩行になることによって、腰から首周りに余計に負担がかかるようになった。だから、日頃からその周辺の手当が必要。具体的に言うと肩甲骨から、後背の動きに柔軟性と強さを補強すること。猫背になるのは、頭部を支える部分の筋肉の衰えるから、だという。
その結果、体重は体幹全体のバランスで支えているはずなのに、足だけに依存し、結果として腰や膝に負担が増して故障に繋がる。背中が丸まった姿勢で、ウォーキングだけに頼るなかれ。まず、背骨まわりの衰えに関心を払い、合理的な歩行姿勢を体得することが重要とのこと。
前にも記したことがあるが、私は週に1回、近くのスポーツジムに通っている。年寄りは私だけだが、上半身の動きを補強できるジムの方が、老化に対して効果的なのではないか、と密かに思っている。
暇な時間のある高齢者。今は地域の体育館にジムが併設されているはずだから、これを利用することお勧め。若い人がいない午前中など最適です。【彬】