曼珠沙華
ウ露戦争が止みそうにない。今後1,2年と続いていくのだろう。気候変動どころではない。鬱陶しい状況が今後永く続くとなると、生きていく知恵とはなんなのだろうか、と疑ってしまう。
なんとかならないものか。
おそらく第二次世界大戦もこんな状況だったのだろうと想像する。一旦戦争に突き進んだからには、ドイツにしろ日本にしろ、国家の廃絶に至る全面的な敗退に至るまで手を引くことができなかった。おそらくロシアやウクライナでも、いずれかの政体が変わらないかぎり、この戦争は終わらないのだろうと思う。
ということは、この戦争は世の中の仕組みそのものを作り変えるべく大きな出来事なのだと言っていい。たとえば第二次世界大戦の後、世界は国際連合という政治の仕組みを作り、民族の独立という願いを実現したのと同じように。ならばこのウ露戦争の今後にどんな政治的な理想が隠されているのか。そのことが見えてこない。鬱陶しいのはそのせいでもある。
私見だが、この戦後はロシアや中国の土地所有のあり方が問題となるに違いない。ロシアの戦闘継続能力は天然ガスや石油に関わる天然資源に土地所有の在り方に関わっているように思うからだ。彼の国では土地は私有化されていない。基本的に国有である。中国も同じ。土地が国有化されているので政治的権力が強大化される。これは社会主義的理想への残像である。第二次世界大戦後はこの部分が逆に賛美され、政治的目標にもなった。その後、ソ連の崩壊で社会主義への幻想は消えたが、土地の国有化は解決せず、今に残っている。
ロシアのウクライナ東部の編入をみると、土地所有への頑迷な思いがあるようにおもえるのである。中国とインドの紛争、あるいは中国のウイグル地区に対する強引な政策にもそれがある。露・中は別にして、アラブやアフリカ諸国での土地所有の在り方が今後の世界の大きな焦点だと思う。【彬}