今月初め、思いもよらない病にかかった。ここでは、病名は伏せておこう。来院し、検査の結果、即手術となった。開腹手術である。その後、痛み、辛さ、など、キビシイ入院生活が続く。救いになったのは医療スタッフの、優しく、的確な対応であった。
そして2週間後、退院した。体重は落ち、2週間分の髭が伸び、巌窟王、浦島太郎、のごとし。日常生活に戻り、なんと、当たり前の生活が素晴らしいかを実感する。
顔に残った髭。何の準備の無い入院。シェーバーがないのでそのままの状態で退院した。自宅に戻っても、不思議なことだが、この髭に、入院の記念とか、変な愛着のようなものがあるのだな。・・・・暫く、髭を残しておこう。トリミングして、頬から顎の部分だけ残そう。
思い返すと、大学のワンダーフォーゲル部時代。夏合宿で2週間分の髭が伸びた。帰宅しても、そり落とすのがもったいなく、しばらく頬から顎お部分までのこした。
映画、白鯨のグレゴリーペック演じるエイハブ船長の髭に似ている、と自分では思っていた。周囲から、似合っているなどと言われ、いい気になっていた。だがそのうち煩わしくなり、そり落としてしまった。
今回も、いずれそり落とすことになるだろうが、しばらくは残しておこう。そんな気分だ。
2023年10月23日 岩下賢治