マチス展を見て来ました。大盛況で、日本の絵画ファンの多さに驚きます。
そんな中、私の印象をいくつか。
① まず驚くのは、初期の作品。添付(白黒に変換しておきます。著作権など現物は問題がありそう)した作品は読書をする婦人というタイトル。肝心の婦人は後ろ向きです。絵の焦点は前方のかまどの飾り物。主人公を背中にするという発想は、西洋的ではありません。西洋絵画の王道に反旗を翻しているような構図となっています。しかも色調はすこぶる暗い。まるで中世絵画の趣。
②作品の構図に驚きます。図像のように、奥行き、左右の広がり、など遠近法を全く無視。縦の線を強調した構図になっています。普通の絵画では考えられません。マチスは縦の世界である日本の掛け軸を想定していたのではないか、などと想像します。
③多様な作品を制作しています。塑像もあります。普通、絵画の人が彫刻もするということは考えられません。塑像で重要なのは、絵画では表現できない背中だと思う。マチスは背中に美を求めたのかもしれない。
④後期のマチスは色彩の魔術師として位置付けれています。その色彩というのは究極は今日のグラフィックになる、ということを暗示しているように思う。現在の商業芸術の世界はマチスによって先取りされているように思う。
私は絵画については全くの素人ですので、絵画史やその由来については全く理解しておりません。毎回、添付しているのは、絵を習ったこともなく、無知蒙昧、素人の手なぐさみでございます。そんな私の大家に対する素人の感想です。【彬】
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