ビヨウヤナギがそろそろ終わりにかかっています。
小さな街中をくねっていた道路が、幹線道路として整備されたり、あるいはバイバスが街の外側にできたせいで、従来の地域性、稠密性は根本から破壊され、分断されてきた。モータリーゼイションが進む中、日本の各地で、こうして街が姿消しているのを見ると、無残というほかはない。
細い道では渋滞が起こるし、10トンを越す大型車やバスは街中に入ってこれないという難点があって、道路を整備する必要があったことは確かである。しかし、道路を拡幅し整備することによって、地域社会にどういう影響をもたらすか、ということは十全には検討されていなかったのではないか。今日、地方の過疎化が言われているが、その背景には、高速道路などが果たしてきた側面があることは疑いがない。
道路の問題は地方だけのことではない。私が住んでいる都心では、区界を無視して、細い道路が片側2車線の幹線道路に拡幅された。これによって、従来の町が左右の地域に分断されてしまった。町は道路が跨るように2つに分離されてしまったのである。その結果、左側では飲食店などの店が繁盛しているのに、右側では商店らしきものは、開業してもすぐ潰れてしまう現象が続いている。道路が対面交通であるため、通りは左右で断絶されてしまうのである。
道路の整備は現代社会の必須な課題であるが、その様々な影響は、単に経済効果などといったことだけでなく、もっと細やかに分析されるべきである。私が一方通行を提唱するのも、以上のような現実を見るからである。【彬】
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