のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

観覧車。

2005年07月14日 11時45分16秒 | ★★柴田よしき
『観覧車』 柴田よしき 著 祥伝社文庫

切ない。しみじみと切なく悲しい物語。

突然失踪した夫、貴之を待ちつづける下澤唯。
彼の仕事であった探偵事務所を引き継ぎ、必死で気を張って生きている女性。
この本は、小さな個人の探偵事務所で一人孤軍奮闘しながら、その底辺に理不尽なほどの淋しさを抱えた一人の女性の物語。
事務所に依頼される件を追いながら、失踪から7年の彼女の心の移り変わりを描いた、ほんとうに切ない物語。

短編集なので、単独でも楽しめる。火サスのような大事になる話ではなく、日常に起こる普通の人が普通に(といっていいならば)探偵を頼もうとしたときに依頼される事柄、浮気調査や人探しなどをこなしながら、たった一年しか結婚生活を送れなかった夫を待つ日々。その仕事の中身には、もし長年連れ添っていたらそんな気持ちを持つことが出来るのか、と唯に非常に悲しい気持ちを抱かせるものもある。

積み重なる時間。
積み重ねる日常。

それを積み重ねていくはずだった人を、最初の数年は意地で、その後は、ただ淡々と待ち続ける。

ラスト。
最初の「観覧車」という話で、浮気の末会社のトラブルで自殺をした父親の娘が唯にいう。
知らないほうが幸せなんて、そんなのは嘘だ。と。
自分は彼氏がムチャクチャ好き。ためらいもせずに唯の問いかけに答え、もし浮気したのならこっちからふってやる。お母さんのように、浮気した挙句に自殺されても追い続けるのはいやだ、と。

そして唯は。
7年間待ち続けた唯は。

 むちゃくちゃに、好き
 まだ。

そう自分に認めて歩き出す。彼をみつけ、この待ち続けた時を取り戻すため。
どんな結果が待っているのか、多分それは決して気持ちのいい「真実」ではないのだけれど。
彼が生きているとわかった以上は探す。私も生きているのだから、と。
ようやく、そう決意して、話は終わる。

唯の切ない気持ちを底辺に、淡々と事務所に依頼された件の人間模様を描くミステリー。
おそらく、待つという行為の、一番悲しい待ちかたじゃないのか、、
人と人との関係について、考え込んでしまった作品だった。

乞う。続編!

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描く。描く!描く!!

2005年07月13日 20時46分15秒 | ぽつぽつぽつ
今日は一日まったく余裕のない日。
ひたすらPCに向かって描き続け、描き続け・・・・

ちっきしょ~!こんなのばっかりよこしやがって~~~!

と、叫ぶ。(でも、仕事だから貰えないと困る・・・)

目が疲れたよー。手も痛いよー。頭はウレタンだよー。

なんだか不健康な私。気持ちも不健康。
なので。

本読んで。です。
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お醤油味はおいしいね。

2005年07月12日 20時18分00秒 | ぽつぽつぽつ
このところの蒸し暑さが、少しだけ楽な一日です。夜、扇風機の奪い合いをせずに過ごせております。

・・・我が家、現在エアコン入れられないんです。リビングでエアコン付けると、風通しが無くなるため、子ども部屋蒸し風呂状態になる間取り。なので、もう一台、子ども部屋につけないと、上の娘が夜、熱中症できっと倒れる・・・。なのに、子ども部屋に付けられるエアコンが見つからない。特殊な条件の室外機置き場しかないために、とんでもないことになってます。基本的に日中は付けないで平気な私なんですが、夜はねぇ。年々暑くなってるし、なんとかしないといかんのですが、困ってます・・・

今夜は蒲焼です。でもうなぎじゃないんですねー。いわしです。
ちょっと楽な気温だと、ガスコンロの前に立つのも頑張れます。って、大したもの作ってませんが
今日はふと思い立って、お酢も少しいれました。夏バージョン?
甘酢みたいになって、酢の好きな私は大満足。ごはんが進んでしまいます
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「卒業-雪月花殺人ゲーム」「眠りの森」

2005年07月11日 18時20分43秒 | ★★東野圭吾
東野圭吾 著 講談社文庫。

もしかしてネタバレかもしれない。ので、これからこの2作品を読みたい人は以下は読まないでくださいね。



*************

加賀恭一郎に恋をした。
多分、そんな読み方をしたんだとおもう。気持ちの整理がつかず、次の本に集中できない。

東野先生の作品はまだまだ入門したばかり。入り口をちょこっと入った程度。とにかく作品が多いので、とりあえず講談社文庫刊行のものを順に読んでみようと今まで手に取ってきた。
その中で。
「卒業」は放課後に次ぐ作品。高校生のときに茶道部で知り合い、同じ大学に進んだ加賀恭一郎、沙都子、波香、藤堂正彦、祥子、若生、華江。この中に殺される側と殺した者がいて、それを明らかにするのが、父親が刑事で、それに強く反発をしている恭一郎。
「眠りの森」は、その 恭一郎が紆余曲折(?)の末、刑事になってかかわったバレエ団の殺人事件の話。
それぞれ、話もさすがにうまいし、すごくおもしろかった。そもそも、「眠りの森」は「加賀恭一郎」という名前に反応してひょいっと購入してきたものだし。
謎解きよりも登場人物に視点を置いて読んでしまう私には、同じ人が出てくる作品っていうのは、すごく読みやすいし感情移入もしやすいのだ。

で、この「眠りの森」を読み終えたとき、ひどく動揺している自分がいて。
単純に刑事が容疑者を好きになってしまったってこともそうなんだけれど、この加賀恭一郎が魅力的なのだ。大学生のくせに、いきなりプロポーズしてしまったり、殺人か正当防衛かの捜査の最中に気になる女性を見つけてしまったりする普通の男かと思うと、剣道は全日本に通用する腕前で、鋭い推理力や観察力もあったりするいかにも推理物の主人公的実力の持ち主。刑事物のこういうのに弱いんだな。私は。

東野さんはシリーズっぽいものは書いているのだろうか。作品のあらすじを本屋さんで見る限り、この2冊以外に加賀恭一郎が出てくる作品は講談社文庫ではなさそうなんだけれど。
ああ、気になる。彼は彼女と一緒になれるのだろうか。しかし、明らかに彼女は殺人を犯してしまっており(不運なといえるのならば、とても不運が重なった殺人だけれど)、そういう人と警察官は一緒になってはいけないようなことを、以前どこかで聞いたような覚えもあり・・・
ま、余計なお世話ではあるのだか。

久々に登場人物に恋をしつつ読んでしまった私。
気持ちの整理に書くつもりのなかった感想文を書いてみた。(推理小説って種明かししちゃうから感想ってだめでしょ。ねえ?)

ちなみに、次に手に取っているのは「観覧車」という本。これは解説と帯が新井素子さんだ~と手に入れたものだったりする。またまた探偵物らしい。
その次には、そろそろ届くであろう梨木さんのエッセイが待ってるから。気持ち切り替えて読まなくちゃ~(って、別に誰にも義務があるわけじゃないんだけどね。)
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揚げ玉。

2005年07月10日 21時18分33秒 | おいしい
今日はな、一日でした。朝から晴れているのはうれしいんですが、こう蒸し暑いとたまらんです。
子どもたちは、久々にお休みのだーさんと朝からプールへ。
上の子は午後にお友達と予定があったため、半日で帰宅しましたが、下の子とだーさんは一日遊んでまっくろ(っていうか、まっかっか)に日焼けして帰ってきました。
日焼け止めクリーム、顔だけ塗るのを忘れたって・・・・
もお、イマドキは紫外線いけないのに・・・・

さて。おにぎり。今日のお昼です。少し前に、あきさんのところでこのおにぎりを紹介して下さってまして、すごくすごくおいしそうで気になっていました。
揚げ玉と万能ねぎを混ぜたご飯の中心には小梅。ちょっぴり「天むす」を思い出し、でもずーっとお手軽気軽に作れるな~って。
先日、お刺身のまぐろをころころとぶつ切りにして、万能ねぎと揚げ玉をかけて、卵黄を乗っけて山椒醤油で食べるってことをしました。これもおいしかったんだけれど、このときの揚げ玉がまだ残ってまして。
「そーだ。上の子と二人だけのお昼ごはんだし、丁度いい!」
って、作ってみました。揚げ玉おにぎり。

おいしかったですよー。
これ、ヒットです。

揚げ玉って、使い道結構あるんですね。マグロもちょっとお安いものでも揚げ玉でコクがでるな~と思ったんだけれど、おにぎりも天むすを食べてる気分で、天むすよりあっさりして食べやすく。
定番にしよと、思います。

で、午後の買出しでまた揚げ玉を購入してる私。今までほとんど利用しなかった食材なので、しばらくハマッてしまいそうです。ほかになにか使えないかな~
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作家と表紙と直感と・・・?

2005年07月09日 22時40分08秒 | ☆本☆
カテゴリーは「本」ですが、今日はちょっと違う話題。
昨日の記事に、日々草のなごやんさんから、「いつもどうやって本を選んでいるの?」と質問がありました。
で、つらつらお返事してましたら、これ、一日分のネタになりそう・・ということで・・・
なごやんさん、ネタ提供、ありがとうございます~

えーっと。そうですねぇ。本の選び方。出会い方でもあるのかな?
まず、思い浮かぶのが、作家さんで選ぶこと。今まで読んできてすごく贔屓にしている作家さんというものがありまして、その作家の出すものはとにかくすべて手に入れたい。それが私の本棚で極端に現れているのが、新井素子先生集英社コバルト文庫の「星へ行く船」を高校時代に友人に借りて読んでからというもの、SFも、エッセイも、対談も、科学の本も、オカルトっぽいのも、とにかく目に付くものすべて、集めてしまいました。最近復刊されそうなものもあったりして、いまとてもうれしく待ってたりもするんですが。。
それから、栗本薫(中島梓)先生も似てます。ただ、こちらはあまりにも作品群が多種多様大量(笑)なので、最近は伊集院大介シリーズのみチェック。見つけると読むって感じです。グインサーガは気になってるんですが・・・・
柏葉幸子先生は、こちらで紹介しましたが、「霧の向こうのふしぎな町」を小学生のとき父が購入してくれ、以来今でも青い鳥文庫などなど作品を見つけると、子どものためではなく私がほしくて手に入れてしまいます。あと、佐藤さとる先生とか、田中芳樹先生とか、東野圭吾先生とか、海外ならエラリークイーン、ダニエル・キイス・・・・まあ、あっちこっちに手を出してます。

それから、本の装丁。これもかなり選ぶときのチェックするものですねぇ。買い物にいくと、ふらふらと本屋さんに立ち寄ってしまうのですが、文庫本などずら~っとならんでいるのを眺め、書店のポップアップを見、贔屓の作家さんの棚をあさり、それから手前に並ぶ本の装丁を眺めてます。んで、「おや?」と思って手にしたものが大当たりだとその後↑の作家さんに加わる、という。。
江國香織先生はこのタイプ。装丁がすてきでふっと手の取ったら、とてもよかった。私にしてはめずらしい分野を書いている人ですが、ちょこっと読むのに楽しくて。

あとは、もう、その場の気分で読んでます。直感ですねー。「なんだかよさそう」と思うと手に取ってみる。ブログにUPした「13階段」とか、「救命センター」とかはこの類。推理小説だったり興味のある分野だから、ってこともあるけれどなんで読んだの?と問われたら「なんとなくおもしろそうだったから」これにつきる。。。。
これで大当たりしたのが、梨木香歩先生です。ほんとうに、去年の秋、なんとなく手にとって読んだ「西の魔女が死んだ」で、どっぷり。以来、抜け出せなくなりました(笑)

そうそう、近頃は、このブログも本との出会いの場です。たとえば、「慟哭」はみおさんのところで興味をもって読んだし、池波正太郎先生は、鬼平などの時代小説を好んで読んでいたのが、食のエッセイを手に取るきっかけになったのはうえぽんさんの記事に影響されてですし、「青のフェルマータ」はJasmineさん
後は、吉岡秀隆さんが演じるってんで、「半落ち」や「四日間の奇蹟」など、原作を手にとってみたり、、、

なんだかとっても幸せ・・・・

で。
こんな本との出会い方をしているので、時代の流れにはほとんど乗ってません。新刊の書評とかもまったく読まないし、話題のベストセラーっていうものにもあまり興味がない・・・
難しい本も読まないし、昔からの文学ってーのは、学校出てから手にしてない・・・

こんな偏った選び方をしている私です。ただ、本読みがすき~ってだけの人間です。
(しかし・・改めて書いてみると、私ってめちゃくちゃですね。分野もなにもあったもんじゃないな。これじゃあ、本を選ぶ参考にはならないですねぇ~~~滝汗)
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家守綺譚。

2005年07月08日 16時59分15秒 | ★★梨木香歩
『家守綺譚』 梨木 香歩 著 新潮社。

古きよき時代の日本。河童や小鬼、人魚に桜鬼、竹精。
四季の花々をタイトルに、小さいお話がいくつも重なる物語。
湖の底に消えた友人の家を守りながら、その友人が掛け軸から現れるのを自然に受け止め、不思議に知恵のある犬を飼い、さるすべりの木に恋慕の情を抱かれつつ、日々をカワウソの如く生きる綿貫征四郎。(本人はカワウソ暮らしとは思っていないけれど、現代人にとってはこの暮らしはまさしく・・・。)

練れている、というのでしょうか。
根本の世界は、「裏庭」や「りかさん」「からくりからくさ」などと同じだと思うんだけれど、もっともっと優しい、穏やかなあたたかさをこの作品には感じました。
植物や獣、花鳥風月に絡ませて「いのち」を現す巧みさ。
引き込まれる和の世界。

彼の生きる時は、不思議がとなりに自然にあって、それを受け入れ楽しんで生きる人々がいて。
四季の移り変わりを日々感じて生活をしていた時代の、ゆったりとした心地よさ。

おもしろい、とか楽しいという表現よりも、そう、とても心地よいお話です。
この世界にいるときだけは、私も日々のあくせくとした時間を忘れゆったりと不思議の中で楽しんでいました。
そして気が付くと、湖の底で葡萄を食べてしまった友人を、綿貫征四郎と一緒に待っている自分がいます。

日々あくせくしている大人たちのための、『童話』のような物語。
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たなばた。

2005年07月07日 20時06分42秒 | ことば*こころ
ささのは さらさら のきばに ゆれる。おほしさま きらきら きんぎん つなご。

いま、何をみていますか?
いま、何を考えていますか?

いつかみた、夢。
いつか望んだ、世界。

命。
生きること。
死。
あちら側の世界。


こちらはくもっています。

織姫と彦星は出会うことができるのでしょうか。
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散歩のとき何か食べたくなって。

2005年07月06日 19時27分44秒 | ☆本☆
『散歩のとき何か食べたくなって』 池波 正太郎 著 新潮文庫

食に関する先生のエッセイ。初めて読みました。ゆっくりと読んでいました。
それぞれの土地、それぞれの場所での、池波先生。
そしてそのバックに「鬼平犯科帳」が、「剣客商売」が、見え隠れしておりました。

なるほどなあ~、ほんとうに深く『料理』や『料理人』を知っていらっしゃるんだなあ、と感服しつつ読みましたが、なんというか、、今も健在でいらっしゃったら・・・という思いが終盤になるほどに募ってきます。最後はなぜか切なくなって読み終えました。
「食卓の情景」がやっぱり有名なんでしょうか?
ラストの解説ではそんな雰囲気が。それに続くこの本なんですね。

時代小説の上記2話は我が家の本棚に並んでおり、読んで読んで、そのラストが途中で終わる鬼平の話に悲しみましたが、また、それを思い出してしまって、エッセイで、楽しいおいしいお話なのに、変だなと思ってます。

余談ですが・・
先週土曜日の朝のニッポン放送。小林克也さんの番組が「テレビ主題歌」特集だったんですが・・なんと、舟木和夫で「銭形平次」が流れ(思わず口ずさんで、だーさんに笑われましたが)、まさか流れないよな~と思ったら、「鬼平犯科帳」のエンディング、『INSPIRATHON』(Gipsy Kings)も流してくれました。うれしかった~。この曲ほんとにほんとにいいんだよなあ~!!と、にやけていた私でした。
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まとりっくす。

2005年07月05日 14時58分21秒 | ぽつぽつぽつ
宿題だった『マトリックス』3部作をようやく観終わりました。。

ああ・・・長かった・・・・・(爆!)

こういう世界だったんだーと、思いつつ夢の中~~~(ダッタリシテ・・・)

おもしろかったけど、、機械とスミスはキモチワルイ・・・
例の戦うシーン(この作品の売りでもあったよね?)は、と、、飛ばしてました。。(ゴメンナサイ)
あのテンポはあんまり好みじゃないんです。戦うシーンがあんなにスローモーションだと、ちょっとしつこく感じてしまって。
これは女の感覚だからかな。かっこいいとは思うけど・・・(アキル・・)

ところで。
私は誰に喩えられたんだろう?

トリニティー?なわけないな。
ネオは絶対にない。(キアヌ・リーブスさんも、美しすぎてファンにはなれない人だなあ。)
ええー!
モーフィアスはカンベンです・・・

よ・・預言者??お願い、私はまだそんな歳ではないよお~~~

返すときに確認してみよう。


これ、本だったら楽しめるかも、と、世界観を考えつつ思ったりしています。
しかし。人間機械って、なんとなく現実味を帯びてきてるよな、とも思ってしまうのは私の考えすぎかなあ。アシモフのロボット3原則は、やっぱり大切だよね。

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もやし。

2005年07月04日 13時27分28秒 | おいしい
もやし。

もやしだ。

どんなにみても、「もやし」はもやし。(ソリャソーダ・・壊)


我が家。だーさんも娘たちも「もやし」が大好き。
私も、食べるのは好き。もやしって安価だしね。

でも。
あのね。これ、ひげ根があるでしょう。
だから、私にとって、これほど「面倒な食材」もないんですよ。

ひげ根を、ね。取るんです。私の母は。必ず。
だから、そうして育てられた私は、どうしてもただ洗うだけでは使えなくって、ひげ根を取る作業をしてから使うことになる・・・味噌汁に入れるにしても、野菜炒めに使うにしても。

ああー。面倒・・・

一袋だけでも、結構な時間がかかります。おまけにあの根っこが手に絡みつく感覚がとても苦手だったりして、どうしても自分で購入するのは敬遠してしまいます。(足が早いしね。特にこれからの季節は。)
そうすると、だーさんが買ってくるんですよねぇ。
週末「野菜買って来てー」と頼むと2回に1回は入ってる。

というわけで。今回入ってました。もやしの袋。
ぶつぶついいつつ、根っこを取ります。チョンチョンチョンチョン、ちぎります。

肩がコリコリになるころ、ザルにはきれいになったもやしたち。
こうなると、私にとっても愛しいもやしになるんだけれど・・・

さて、今日はこれににらとジャコときのこをあわせて炒めましょ。
こうなるとほんっと簡単な食材なんだけどなあ・・・

もやし。
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陰陽師。

2005年07月03日 22時19分18秒 | ☆本☆
『陰陽師-龍笛ノ巻』 夢枕 獏著 文春文庫

阿部晴明。平安時代の有名な陰陽師。物語。若き陰陽師、阿部晴明と笛の名手、源博雅が主役のお話。とても魅力的な平安の世の闇や不思議の世界を描いています。

この本に最初に興味をもったのは、数年前にNHKで放映されたドラマでした。そう。スマップの稲垣吾郎くんが阿部晴明役をやったあれです。(その後、映画にもなりましたっけ。そっちは、、誰が演じたっけ?ちょっと度忘れ。。)今やっている大河ドラマ『義経』みたいに、初めはまったく期待せず(ごめんなさいいま、義経すっごくおもしろいです。滝沢くん、きれいすぎてファンにはなれないけど、すっかり見直してしまってます。。)ただ、陰陽師ということに惹かれてみたのですが、気が付いたらハマッテました。で、原作?と思ったら、夢枕獏先生じゃあないですか。名前は存じておりました。確か伝奇の部類に属する作品とか書いてなかったっけ?天野喜孝さんの表紙でちょっと怖そうなお話書いてる人だよな~と。作品を拝読したことはなかったのですが。
で、まず図書館でこの「陰陽師」を借りてきました。
短編が何本か入っているもの。それから、「生成姫」のように一冊でひとつのお話になっているもの。も、すっかり魅せられてしまいました。『呪』というものに。

もともと、こういう「世界」が好きです。この世界に確かにあるけれど、人の理解できる範囲ではないところのものたち。鬼とか龍とか、、なんていうか目に見えそうで見えないけれど、確かにあるよと思えるもの。実態があるもの。八百万の神のような日本の古くからの考え方とか、、
んー。うまくいえませんが、小泉八雲さんのお話は苦手。あっちの世界は怖くて近寄れないんですが、こっちの世界は大丈夫なの。。。って、わかっていただけるかな。。。

っと。そう。陰陽師。
どれがどう、って感想は述べることができませんが、毎回、私がとても気に入っているのが、晴明と博雅が、土御門小路にある晴明の屋敷で、様々な薬草や花々のさく庭の前の簀子に座り、酒を飲んでいる場面。毎回そこからお話が始まるのですが、その描写がいい。ゆったりとした白い狩衣をまとった晴明と、たとえば庭にほそほそと天から落ちてくる糸の様に細い雨を見ながら酒を酌み交わす博雅。なんというか、情景が浮かび思わず毎回微笑してしまう。そんな二人の様子。
きっとこころがくつろぐってことなんだろう。博雅の前での晴明は。
その後は、首が人を喰らったり、蛇が身体の中から出てきたり、まあまあ想像すると大変なことになりそうな、そんな内容になっていくけれど、それもまた、よし。
その前の一時。ここがくつろげる場所っていう、そんな場面に惹かれて、またまた次のお話、次のお話、と読み進めてしまいます。

平安京の、闇。
阿部晴明の案内で、私もまたゆるゆると、いきましょう。
「ゆくか?」
「む」
「どうだ?」
「むむむ」
「ゆこう」
「ゆこう」
そういうことになった。   と。
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青のフェルマータ。

2005年07月02日 21時41分29秒 | ☆本☆
『青のフェルマータ』 村上由佳著 集英社文庫。

一歩先を考えられずに、つい父に話した母の秘密が、両親を離婚に追い込み、父親からは、本当の娘なのかと疑われ、母親からはお前さえあんなことを言わなければと責められ、深く傷つき言葉をなくした里緒という少女。
心に流れた血は言葉を無くすということで、なんとか少女を現実に引きとどめ、父親と和解をしオーストラリアの島で言葉を取り戻すために身を寄せたイルカの研究所での日々のお話。

物語全体の底に、JBの作った「フェルマータ・イン・ブルー」が流れているように感じながら、読み進めました。

なによりも、野性のイルカと出会い、一緒に泳ぐ里緒に心惹かれます。
文体は穏やかなまま進みますが、何処までも何処までもつづく海の青さと、水中で感じる日の光。そこに、里緒とイルカの戯れが重なると、とても絵画的でとても心の奥底までをゆったりとさせてくれるような、そんな感覚が頭の中に広がりました。
個人的には、ゲイリーとの絡みやフィオナの里緒に対する憎悪、TVのドキュメンタリーはいらないな~と思いましたが、
それもまた、あの海での二人(といっていいのかな?)をひきつけるためのもの、だったのかな。

そうそう。自閉症のためにやはりここにきた女の子。キャロル=アン。彼女の存在もまた、とても魅力的です。病を前面に出さず、さりげなくその病気の内容を伝え、あとはキャロルが動くにまかせている、そんな表現がとても心地よかった。
アレックスやダグの、リオに対する、ほんとうの優しさも魅力的。

うーん。難しい。
こういう小説は、いままであまり読んだことがなくて・・・
もしかしたら読むのは初めての分野かもしれない物語。
言葉を取り戻すことよりも、里緒の心の中にある様々な感情に焦点があっていて、そこに戸惑いも感じましたし、共感もしました。憧れも抱きますし目を背けたくもなる。

自然を自然のままに生きる代表がイルカたち。
人工のなかでがんじがらめになっている人の代表が里緒。
ラストに答えはなく、というか、そもそも何かの答えを求めたお話でははく、それでも少し違うこれからを暗示して物語の幕は下ります。
あの終わり方は、私自身のなかではなかなか納得できていないのですが・・・

静かに静かに、お話全体は、ほんとうに静かに進んでいくって思ったのですが、それぞれの人間の抱える闇と、イルカのまっすぐな光と、それをつなげる海とチェロの音色。そんな物語でした。
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退職の日。

2005年07月01日 17時13分35秒 | ぽつぽつぽつ
父が昨日、勤めていた会社の株主総会を最後に引退しました。
地元の銀行に就職してからいままで、銀行を定年退職した後もいくつかの会社をまわり、今回がほんとうの「退職」です。

銀行に勤めていた頃は、当然月~土まで出勤で、帰りも遅い。日曜日は接待でやっぱりいない。
母が、「せめて朝だけは全員そろって食事をする!」といって、学校が休みの日でも、毎朝我が家の朝食は父と一緒に必ず食べていました。そうでもしないと、一週間父親の顔を見ない生活だったんですね。当時は。
それが週休二日になっても我が家の生活はあまり変わらず、父はやっぱり休みでもいない人でした。
銀行を勤め上げて別の会社に移ってからは、今度は子どもたちも育っちゃってますからバッラバラな生活ですし、改めて考えてみると、なが~い日常を一緒に過ごすってことは、サラリーマンの家庭ではないことなんですね。

何より仕事第一の父。怖い父。頑固な父。
だまってそんな父に従ってきた母。

反発しつつ、両親の生き方、考え方に少なからぬ影響をうけ、私もこうして今、一応家庭を持って生きている。

改めて深く感謝しつつ、でも、老け込まないでね、と娘の立場で願っています。
なにより、父は職場が中心の52年間を送ってきたわけで、家庭が中心になって果たしてじっとしていられるか??という大きな疑問を持ってますので。

今日は一日、さだまさしの「夢の轍」を聞いていました。
「退職の日」という歌が入っているアルバム。お気に入りのそれを、少しいつもと違った気持ちで聴いています。父の退職の日。私はここにいて、その姿を見ることはできなかった。でも多分、全然変わらない「行ってきます」を母に言って出かけたんだろうな、と。

夕べ電話をしたら、「今夜はタイの尾頭付きだぞ~」とちょっと酔った声が答えました。
お祝いしようね。お父さん。すぐにはだめだけど、孫まで一緒で必ず、ね。
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