中国共産党の、秋のチャイナセブン(党政治局常務委員)改選に関して、習氏側の「たたき台」が作成されたと、読売が報じています。
委員の定数は、7人を継続。王岐山の定年延長を実現させ李克強に代わって首相に抜擢。「定年超え」の先例をつくり、自身の2期定年を越える先例造りがなされるのだと。
そして、毛沢東への権力集中の反省から1982年に廃止された「党主席制」の復活も期し、習近平への権力集中を強化するのだとも。
たたき台でのチャイナセブンメンバーは、習近平(64)を筆頭に李克強(61)、王岐山(68)、韓正上海市党委員会書記(63)、胡春華広東省党委書記(54)、孫政才重慶市党委書記(53)の6人と、残りの1つの椅子をあらそっている孫政才重慶市党委書記(53)等の内からの一人。習近平の総書記就任を進めてもらった江沢民・上海閥のメンバーは払拭される見通しなのだそうです。
そして、王氏の留任が認められた暁には、王氏を首相に起用するのではないかとの観測もあるのだと。
また、「定年超え」の先例を造ることで、習氏自身の総書記任期の延長に道を開き、なをかつ、「党主席制」の復活を検討しているとの情報があるのだと。
李克強が首相の座を追われるが、首相には共青団派の汪洋氏が有力との情報を先日アップさせていただいていました。
中国共産党 次期首相候補に団派の汪洋氏 - 遊爺雑記帳
2017年は、習近平独裁体制が確立される歴史的な年に - 遊爺雑記帳
今回は、習近平の独裁色がより強まる案と言えますが、不正蓄財などの疑いで中国当局が国際指名手配している郭文貴氏による王氏への攻撃が、波紋を広げているのだそうです。
ただ、郭氏の言動には、王氏主導の「反腐敗」に反発する勢力が、盟友とされる習、王両氏の「離間」を印象付けて王氏留任を妨害するために行ったものだ、との見方もあるとも。
独裁色を強める習近平と、胡錦濤の共青団派、江沢民の上海閥との政局争い。江沢民の上海閥が脱落の気配が濃厚になってきた様ですね。
毛沢東の独裁政治の弊害を防ぐ為の集団指導体制を創り、改革開放経済を推進した鄧小平の流れをくむ共青団派と、江沢民の恩を仇で返し、毛沢東時代の独裁体制への復古を目指す習近平との対決の様相を呈してきた、チャイナセブンの椅子取り争い。
8月の「北戴河会議」が決戦場となるのですが、「核心」の位置づけの強要に成功し独裁化を進める習近平に対し、オバマ大統領との会談では「航行の自由作戦」に踏み切らせてしまい、南シナ海の「九段線」を仲裁裁判所で否定され、トランプ大統領との会談では、シリア軍基地攻撃を明かされ北朝鮮の核やミサイル開発では対北制裁の責務を背負わされ、他方、国内の経済成長の低迷で資金の国外流出に悩まされるといった攻撃所満載の上に、虎退治で恨みを買っている習近平を、共青団が最後の逆転攻撃が成功出来るのか。まだまだ目が離せない様です。
# 冒頭の画像は、全国政協の壇上で習近平を呼び止める王岐山
この花の名前は、モミジグサ
↓よろしかったら、お願いします。
委員の定数は、7人を継続。王岐山の定年延長を実現させ李克強に代わって首相に抜擢。「定年超え」の先例をつくり、自身の2期定年を越える先例造りがなされるのだと。
そして、毛沢東への権力集中の反省から1982年に廃止された「党主席制」の復活も期し、習近平への権力集中を強化するのだとも。
2017 共隆党大会 指導部人事 「定年」王氏留任あるか 実質ナンバー2 リストスト入り 江沢民派は退潮か(6/27 読売朝刊)
中国の習近平政権の2期目が発足する第19回共産党大会を今秋に控え、指導部人事を巡る党内の調整が本格化している。最大の焦点は、習総書記(国家主席)の右腕として大規模な汚職摘発運動「反腐敗回」を進めてきた王岐山中央規律検査委員会書記の動向だ。党の年齢制限に関する慣例を破り、王氏が指導部に留任するかどうかに注目が集まっている。
■常務委員7人
習政権2期目の指導部人事は、8月の「北戴河会議圃」を経て、骨格が固まる見通しだ。政権に近い関係者によると、習氏側は、最高指導部となる党政治局常務委員の人選について「たたき台」を作成したという。
たたき台では、委員は7人を維持。習氏(64)を筆頭に李克強(リークォーチャン)首相(61)、王氏(68)、韓正(ハンジョン)上海市党委員会書記(63)、胡春華(フーチュンファ)広東省党委書記(54)、孫政才(スンジョンツァイ)重慶市党委書記(53)━━の6人が候補となっている。
残る1人は、栗戦書(リージャンシュー)党中央弁公庁主任(66)ら6人から選出するという。
たたき台には、習氏が総書記就任時に後押しを受けた江沢民元総書記(90)の影響力を払拭しようとの意志がにじむ。
現常務委員は7人のうち習、王、李氏を除く4人が「江派」だ。しかし、たたき台に名の挙がる人物で江氏につながると言えるのは、残る1枠を争う王滬寧(ワンフーニン)党中央政策研究室主任(61)、張春賢中央党建設工作指導グループ副組長(64)の2人にとどまる。
多くを占めるのは、韓氏ら「習派」や、胡春華氏ら胡錦濤前総書記(47)の政治基盤「共産主義青年団」出身者だ。
■慣例は「68歳」
中国共産党の指導部には「68歳定年」の慣例がある。これに従うと、7月で69歳になる王岐山氏は引退だ。
一方、たたき台通りに王氏の留任が実現すれば「定年超え」の先例となり、習氏の総書記任期(通例は2期)の延長に道を開く司能性がある。習氏は2022年の第20回党大会を69歳で迎える。
党内序列6位ながら「事実上の政権ナンバー2」(党関係者)とされる王氏。公式動静は5月13日以降途絶えていたが、中央規律検査委によると、20~22日に貴州省を視察し、習氏が唱える綱紀粛正の徹底を改めて指示したとされる。
王氏が留任した場合、中央政府の政策執行能力を強化するため、李克強氏に代わって首相を務めるのではないかとの観測もある。
「習氏1強」加速狙う
■ポスト復活
秋の党大会では、党の最高規範である党規約の改正も議論される。これに関連し、習氏側が「党主席制」の復活を検討しているとの情報がある。「党中央主席」「政治局主席」など具体的な名称も取り沙汰されているという。
党主席ポストは、毛沢東時代の権力集中の反省から1982年に廃止された。復活すれば、「習氏1強」がさらに進むことになる。
習氏は昨年、党内で別格の存在を示す「核心」に位置づけられた。現在の党総書記は常務委員の合議を原則とする集団指導の「代表に過ぎない」(党関係者)ことから、制度上でも党の頂点に立つ狙いとみられる。
権力集中への懸念や批判も考慮し、「党主席制の復活は5年後の第20回党大会まで持ち越す」との見方もある。
■波紋
新指導部人事で王氏に注目が集まる中、北京の投資会社の実質経営者・郭文貴氏(不正蓄財などの疑いで中国当局が国際指名手配)による王氏への攻撃が、波紋を広げている。
郭氏は16日、滞在先の米国で一部メディアの取材に応じ、王氏が航空大手・海南航空との関係を通じて20兆元(約326兆円)に上る資産を形成したと主張。王氏の妻の姚明珊氏が、中国共産党高官の家族でありながら米国のパスポートを所持しているとも訴えた。
一連の「疑惑」について郭氏は、習氏が調査を指示したと示唆した。ただ、郭氏の言動には、王氏主導の「反腐敗」に反発する勢力が、盟友とされる習、王両氏の「離間」を印象付けて王氏留任を妨害するために行ったものだ、との見方もつきまとう。
習政権は、郭氏の主張を黙殺している。中国官製メディアも「(郭氏には)重大な犯罪の容疑がある」(中国紙・環球時報)などと、郭氏の主張の信ぴょう性を低下させるかのような報じ方をしている。
中国の習近平政権の2期目が発足する第19回共産党大会を今秋に控え、指導部人事を巡る党内の調整が本格化している。最大の焦点は、習総書記(国家主席)の右腕として大規模な汚職摘発運動「反腐敗回」を進めてきた王岐山中央規律検査委員会書記の動向だ。党の年齢制限に関する慣例を破り、王氏が指導部に留任するかどうかに注目が集まっている。
■常務委員7人
習政権2期目の指導部人事は、8月の「北戴河会議圃」を経て、骨格が固まる見通しだ。政権に近い関係者によると、習氏側は、最高指導部となる党政治局常務委員の人選について「たたき台」を作成したという。
たたき台では、委員は7人を維持。習氏(64)を筆頭に李克強(リークォーチャン)首相(61)、王氏(68)、韓正(ハンジョン)上海市党委員会書記(63)、胡春華(フーチュンファ)広東省党委書記(54)、孫政才(スンジョンツァイ)重慶市党委書記(53)━━の6人が候補となっている。
残る1人は、栗戦書(リージャンシュー)党中央弁公庁主任(66)ら6人から選出するという。
たたき台には、習氏が総書記就任時に後押しを受けた江沢民元総書記(90)の影響力を払拭しようとの意志がにじむ。
現常務委員は7人のうち習、王、李氏を除く4人が「江派」だ。しかし、たたき台に名の挙がる人物で江氏につながると言えるのは、残る1枠を争う王滬寧(ワンフーニン)党中央政策研究室主任(61)、張春賢中央党建設工作指導グループ副組長(64)の2人にとどまる。
多くを占めるのは、韓氏ら「習派」や、胡春華氏ら胡錦濤前総書記(47)の政治基盤「共産主義青年団」出身者だ。
■慣例は「68歳」
中国共産党の指導部には「68歳定年」の慣例がある。これに従うと、7月で69歳になる王岐山氏は引退だ。
一方、たたき台通りに王氏の留任が実現すれば「定年超え」の先例となり、習氏の総書記任期(通例は2期)の延長に道を開く司能性がある。習氏は2022年の第20回党大会を69歳で迎える。
党内序列6位ながら「事実上の政権ナンバー2」(党関係者)とされる王氏。公式動静は5月13日以降途絶えていたが、中央規律検査委によると、20~22日に貴州省を視察し、習氏が唱える綱紀粛正の徹底を改めて指示したとされる。
王氏が留任した場合、中央政府の政策執行能力を強化するため、李克強氏に代わって首相を務めるのではないかとの観測もある。
「習氏1強」加速狙う
■ポスト復活
秋の党大会では、党の最高規範である党規約の改正も議論される。これに関連し、習氏側が「党主席制」の復活を検討しているとの情報がある。「党中央主席」「政治局主席」など具体的な名称も取り沙汰されているという。
党主席ポストは、毛沢東時代の権力集中の反省から1982年に廃止された。復活すれば、「習氏1強」がさらに進むことになる。
習氏は昨年、党内で別格の存在を示す「核心」に位置づけられた。現在の党総書記は常務委員の合議を原則とする集団指導の「代表に過ぎない」(党関係者)ことから、制度上でも党の頂点に立つ狙いとみられる。
権力集中への懸念や批判も考慮し、「党主席制の復活は5年後の第20回党大会まで持ち越す」との見方もある。
■波紋
新指導部人事で王氏に注目が集まる中、北京の投資会社の実質経営者・郭文貴氏(不正蓄財などの疑いで中国当局が国際指名手配)による王氏への攻撃が、波紋を広げている。
郭氏は16日、滞在先の米国で一部メディアの取材に応じ、王氏が航空大手・海南航空との関係を通じて20兆元(約326兆円)に上る資産を形成したと主張。王氏の妻の姚明珊氏が、中国共産党高官の家族でありながら米国のパスポートを所持しているとも訴えた。
一連の「疑惑」について郭氏は、習氏が調査を指示したと示唆した。ただ、郭氏の言動には、王氏主導の「反腐敗」に反発する勢力が、盟友とされる習、王両氏の「離間」を印象付けて王氏留任を妨害するために行ったものだ、との見方もつきまとう。
習政権は、郭氏の主張を黙殺している。中国官製メディアも「(郭氏には)重大な犯罪の容疑がある」(中国紙・環球時報)などと、郭氏の主張の信ぴょう性を低下させるかのような報じ方をしている。
たたき台でのチャイナセブンメンバーは、習近平(64)を筆頭に李克強(61)、王岐山(68)、韓正上海市党委員会書記(63)、胡春華広東省党委書記(54)、孫政才重慶市党委書記(53)の6人と、残りの1つの椅子をあらそっている孫政才重慶市党委書記(53)等の内からの一人。習近平の総書記就任を進めてもらった江沢民・上海閥のメンバーは払拭される見通しなのだそうです。
そして、王氏の留任が認められた暁には、王氏を首相に起用するのではないかとの観測もあるのだと。
また、「定年超え」の先例を造ることで、習氏自身の総書記任期の延長に道を開き、なをかつ、「党主席制」の復活を検討しているとの情報があるのだと。
李克強が首相の座を追われるが、首相には共青団派の汪洋氏が有力との情報を先日アップさせていただいていました。
中国共産党 次期首相候補に団派の汪洋氏 - 遊爺雑記帳
2017年は、習近平独裁体制が確立される歴史的な年に - 遊爺雑記帳
今回は、習近平の独裁色がより強まる案と言えますが、不正蓄財などの疑いで中国当局が国際指名手配している郭文貴氏による王氏への攻撃が、波紋を広げているのだそうです。
ただ、郭氏の言動には、王氏主導の「反腐敗」に反発する勢力が、盟友とされる習、王両氏の「離間」を印象付けて王氏留任を妨害するために行ったものだ、との見方もあるとも。
独裁色を強める習近平と、胡錦濤の共青団派、江沢民の上海閥との政局争い。江沢民の上海閥が脱落の気配が濃厚になってきた様ですね。
毛沢東の独裁政治の弊害を防ぐ為の集団指導体制を創り、改革開放経済を推進した鄧小平の流れをくむ共青団派と、江沢民の恩を仇で返し、毛沢東時代の独裁体制への復古を目指す習近平との対決の様相を呈してきた、チャイナセブンの椅子取り争い。
8月の「北戴河会議」が決戦場となるのですが、「核心」の位置づけの強要に成功し独裁化を進める習近平に対し、オバマ大統領との会談では「航行の自由作戦」に踏み切らせてしまい、南シナ海の「九段線」を仲裁裁判所で否定され、トランプ大統領との会談では、シリア軍基地攻撃を明かされ北朝鮮の核やミサイル開発では対北制裁の責務を背負わされ、他方、国内の経済成長の低迷で資金の国外流出に悩まされるといった攻撃所満載の上に、虎退治で恨みを買っている習近平を、共青団が最後の逆転攻撃が成功出来るのか。まだまだ目が離せない様です。
# 冒頭の画像は、全国政協の壇上で習近平を呼び止める王岐山
この花の名前は、モミジグサ
↓よろしかったら、お願いします。