秋のチャイナセブン更新の党大会に向け、習近平の実績を誇示せんがための「一帯一路」サミット。北朝鮮の弾道ミサイル発射で面子に傷つけられた形になってしまいました。
習近平は、盛況を誇示したのですが、世界の評価がどうだったのか待っていました。
運営をめぐり欧米メディアなどから中国がマイペースで進めたとの不満の声があがったと伝えてくれたのは、夕刊フジ
人民日報は、開幕式での習氏の演説について、「1600人あまりを収容できる大ホールには空席がなく、40分あまりの演説で27回の熱烈な拍手があった」と描写しているのだそうです。
しかし、「一帯一路」では初の国際会議で、なんとしても盛況にしたいと力が入る中国政府。事前の協議では強引さが目立ち、声明の準備も参加国からの意見を十分に考慮せず、進めていたのだそうです。
米ブルームバーグ通信は会議開催前の10日、北京に駐在する複数の外交官の批判の声を紹介したそうです。
また、英国やフランス、ドイツ、ギリシャなど欧州連合(EU)加盟国の一部が貿易推進に関する文書への署名を拒否していたことが終了後に明らかになっているのだそうです。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、インドのモディ首相の不在を特筆したのだそうです。
モディ首相の欠席は、パキスタンと領有権を争うカシミール地方を通る「中パ経済回廊」が一帯一路に含まれていることが要因なのだそうで、モディ首相は中国の参加要請を断ったのでした。
また、遅刻常習犯のプーチン大統領は、ここでは逆に待たされてピアノ演奏を披露したのは、TVで何度も見せられているので、衆知のことですね。
国内経済成長率の低迷、仲裁裁判所による南シナ海の「九段線」の否定裁決や、米軍による「航行の自由作戦」敢行などの外交での失政が続いている習近平。ここで実績を国内に示し、秋の党大会に向け急いで失地挽回の実績が欲しいあまりに、「中華の夢」の覇権拡大の本音がポロリと出てしまい、焦りから独断・強行の大会運営準備と進行となった様ですね。
欧米、特に欧州諸国には、北朝鮮の正体を認識していただくよい機会となっています。
軍事力行使は危険すぎると言いながら、対話を主張する中国に北朝鮮への制裁と説得交渉を任す戦術の米国。今後のロシアも絡めた外交展開と、G7では古参No.2となった安倍首相の調整に注目ですね。
実績があがっていない「一帯一路」。スリランカでも破綻している様ですね。
中国の「一帯一路」会議、28カ国参加へ 野心的構想に懐疑的見方も | ロイター
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <習近平の夢「一帯一路」、スリランカでまた挫折。前途多難 (2017年6月3日発行) | 宮崎正弘の国際ニュース・早読み - メルマ!
# 冒頭の画像は、「一帯一路」サミットに臨む習近平、プーチン他
この花の名前は、ベゴニア・センパフローレンス
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習近平は、盛況を誇示したのですが、世界の評価がどうだったのか待っていました。
運営をめぐり欧米メディアなどから中国がマイペースで進めたとの不満の声があがったと伝えてくれたのは、夕刊フジ
中国「一帯一路」ワンマンショーだったのか プーチン氏が“被害”者に?欧米メディアがマイペース批判 - ZAKZAK 2017.06.03
中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際協力サミットフォーラムが5月14、15の両日、北京郊外で開かれた。ロシアのプーチン大統領ら29カ国の首脳が出席し、構想を提唱した習近平国家主席(63)にとって内外に存在をアピールする機会となった。中国官製メディアは会議の「成功」を喧伝(けんでん)したが、その運営をめぐり欧米メディアなどから中国がマイペースで進めたとの不満の声も出た。
「世界は再び中国に対して目を向けるだろう」
中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」(5月17日)は、一帯一路の国際会議の成果について強調してみせた。同記事では、14日に行われた開幕式での習氏の演説について、「1600人あまりを収容できる大ホールには空席がなく、40分あまりの演説で27回の熱烈な拍手があった」と描写している。ただ、首脳会合が開かれたメーン施設や記者会見場は、中国から選ばれた一部メディアだけが立ち入ることができたというのが実情だ。
現代のシルクロードと形容される一帯一路は、習氏自らが2013年に提唱したものだけに、中国当局は今回の初の国際会議を成功させるため相当な精力を注いだとみられる。ただ、そのために事前の協議でも強引さが目立ったと欧米メディアから批判的な報道も出ているのが実情だ。
「中国政府は参加国からの意見を十分に考慮せず、声明の準備を進めている
」
米ブルームバーグ通信は会議開催前の10日、北京に駐在する複数の外交官の批判の声を紹介した。各国から首脳が集まる会議最終日に発表する共同声明について、中国当局が参加国からの意見を十分に聞かず、マイペースで強引に取りまとめ作業を進めた実態をうかがわせる証左といえそうだ。
そういった中国の強引な会議の下準備について、同記事では「中国にとって裏目に出ているだろう」とするブッシュ(子)政権下で国家安全保障会議アジア上級部長だったデニス・ワイルダー氏のコメントを掲載した。ワイルダー氏は「新たな位置に魅了され、他国の声が聞こえなくなっているといえる」と指摘した。
結果的に中国を含む30カ国が「あらゆる形の保護主義に反対する」との文言を盛り込んだ共同声明を採択し、フォーラムは無事に閉幕した。ただ、英国やフランス、ドイツ、ギリシャなど欧州連合(EU)加盟国の一部が貿易推進に関する文書への署名を拒否していたことが終了後に明らかになっている。
また、会議に参加しなかった国の存在も一部で際だった。
「不在が目立った一人の指導者の姿を習氏は見たかっただろう」
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、インドのモディ首相の不在を特筆した。中国政府はインドに対して会議への参加を要請していたが、これをインド側が拒否していたからだ。モディ首相の欠席は、パキスタンと領有権を争うカシミール地方を通る「中パ経済回廊」が一帯一路に含まれていることが要因になったとみられる。
同紙は「もし中国がインドを一帯一路構想に組み入れたいと熱望するならば、インドの懸念に対して感受性を高める必要がある」と指摘し、一帯一路構想でインド側の事情を考慮しない中国のマイペースぶりをいさめている。
一方、ロシアのプーチン大統領も、中国ペースの“被害”に遭ったといえそうだ。
「プーチン氏が北京で子供時代の2曲をピアノで弾いた」
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が伝えたように、会議出席のため北京を訪れたプーチン氏がピアノを弾いたことが話題となった。舞台となったのは北京の釣魚台迎賓館で、習近平氏との会談を待つ間に同行記者の前でピアノを弾いた。演奏したのは旧ソ連時代に流行した「モスクワの窓々」などだったという。
プーチン氏が待たされるのは珍しい。それというのもプーチン氏は遅刻の“常習犯”として知られているからだ。昨年12月に日露首脳会談で山口県を訪れた際は、予定より3時間近く遅れて到着した。2014年10月にはイタリア・ミラノで予定されたドイツのメルケル首相との会談が4時間15分遅れでスタート。ローマ法王フランシスコは13年11月に50分、15年6月に1時間も待たされている。
中国ペースで進んだ一帯一路の国際会議だが、そこに思わぬくさびを打ち込んだのは北朝鮮だ。北朝鮮は初日の14日に弾道ミサイルを発射したが、米CNNテレビは「主要な同盟国であり経済パートナーである中国にとり、最も当惑させるタイミングだった」と指摘する。
「中国はワンマンショーをするつもりはない」
今回の国際会議について、中国外務省報道官は会議前の5月5日の記者会見でこう述べた。その言葉が真実だったのかどうかは、参加各国の受け止めに答えがあるといえる。(外信部 三塚聖平)
中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際協力サミットフォーラムが5月14、15の両日、北京郊外で開かれた。ロシアのプーチン大統領ら29カ国の首脳が出席し、構想を提唱した習近平国家主席(63)にとって内外に存在をアピールする機会となった。中国官製メディアは会議の「成功」を喧伝(けんでん)したが、その運営をめぐり欧米メディアなどから中国がマイペースで進めたとの不満の声も出た。
「世界は再び中国に対して目を向けるだろう」
中国共産党機関紙、人民日報のウェブサイト「人民網」(5月17日)は、一帯一路の国際会議の成果について強調してみせた。同記事では、14日に行われた開幕式での習氏の演説について、「1600人あまりを収容できる大ホールには空席がなく、40分あまりの演説で27回の熱烈な拍手があった」と描写している。ただ、首脳会合が開かれたメーン施設や記者会見場は、中国から選ばれた一部メディアだけが立ち入ることができたというのが実情だ。
現代のシルクロードと形容される一帯一路は、習氏自らが2013年に提唱したものだけに、中国当局は今回の初の国際会議を成功させるため相当な精力を注いだとみられる。ただ、そのために事前の協議でも強引さが目立ったと欧米メディアから批判的な報道も出ているのが実情だ。
「中国政府は参加国からの意見を十分に考慮せず、声明の準備を進めている
」
米ブルームバーグ通信は会議開催前の10日、北京に駐在する複数の外交官の批判の声を紹介した。各国から首脳が集まる会議最終日に発表する共同声明について、中国当局が参加国からの意見を十分に聞かず、マイペースで強引に取りまとめ作業を進めた実態をうかがわせる証左といえそうだ。
そういった中国の強引な会議の下準備について、同記事では「中国にとって裏目に出ているだろう」とするブッシュ(子)政権下で国家安全保障会議アジア上級部長だったデニス・ワイルダー氏のコメントを掲載した。ワイルダー氏は「新たな位置に魅了され、他国の声が聞こえなくなっているといえる」と指摘した。
結果的に中国を含む30カ国が「あらゆる形の保護主義に反対する」との文言を盛り込んだ共同声明を採択し、フォーラムは無事に閉幕した。ただ、英国やフランス、ドイツ、ギリシャなど欧州連合(EU)加盟国の一部が貿易推進に関する文書への署名を拒否していたことが終了後に明らかになっている。
また、会議に参加しなかった国の存在も一部で際だった。
「不在が目立った一人の指導者の姿を習氏は見たかっただろう」
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、インドのモディ首相の不在を特筆した。中国政府はインドに対して会議への参加を要請していたが、これをインド側が拒否していたからだ。モディ首相の欠席は、パキスタンと領有権を争うカシミール地方を通る「中パ経済回廊」が一帯一路に含まれていることが要因になったとみられる。
同紙は「もし中国がインドを一帯一路構想に組み入れたいと熱望するならば、インドの懸念に対して感受性を高める必要がある」と指摘し、一帯一路構想でインド側の事情を考慮しない中国のマイペースぶりをいさめている。
一方、ロシアのプーチン大統領も、中国ペースの“被害”に遭ったといえそうだ。
「プーチン氏が北京で子供時代の2曲をピアノで弾いた」
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が伝えたように、会議出席のため北京を訪れたプーチン氏がピアノを弾いたことが話題となった。舞台となったのは北京の釣魚台迎賓館で、習近平氏との会談を待つ間に同行記者の前でピアノを弾いた。演奏したのは旧ソ連時代に流行した「モスクワの窓々」などだったという。
プーチン氏が待たされるのは珍しい。それというのもプーチン氏は遅刻の“常習犯”として知られているからだ。昨年12月に日露首脳会談で山口県を訪れた際は、予定より3時間近く遅れて到着した。2014年10月にはイタリア・ミラノで予定されたドイツのメルケル首相との会談が4時間15分遅れでスタート。ローマ法王フランシスコは13年11月に50分、15年6月に1時間も待たされている。
中国ペースで進んだ一帯一路の国際会議だが、そこに思わぬくさびを打ち込んだのは北朝鮮だ。北朝鮮は初日の14日に弾道ミサイルを発射したが、米CNNテレビは「主要な同盟国であり経済パートナーである中国にとり、最も当惑させるタイミングだった」と指摘する。
「中国はワンマンショーをするつもりはない」
今回の国際会議について、中国外務省報道官は会議前の5月5日の記者会見でこう述べた。その言葉が真実だったのかどうかは、参加各国の受け止めに答えがあるといえる。(外信部 三塚聖平)
人民日報は、開幕式での習氏の演説について、「1600人あまりを収容できる大ホールには空席がなく、40分あまりの演説で27回の熱烈な拍手があった」と描写しているのだそうです。
しかし、「一帯一路」では初の国際会議で、なんとしても盛況にしたいと力が入る中国政府。事前の協議では強引さが目立ち、声明の準備も参加国からの意見を十分に考慮せず、進めていたのだそうです。
米ブルームバーグ通信は会議開催前の10日、北京に駐在する複数の外交官の批判の声を紹介したそうです。
また、英国やフランス、ドイツ、ギリシャなど欧州連合(EU)加盟国の一部が貿易推進に関する文書への署名を拒否していたことが終了後に明らかになっているのだそうです。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、インドのモディ首相の不在を特筆したのだそうです。
モディ首相の欠席は、パキスタンと領有権を争うカシミール地方を通る「中パ経済回廊」が一帯一路に含まれていることが要因なのだそうで、モディ首相は中国の参加要請を断ったのでした。
また、遅刻常習犯のプーチン大統領は、ここでは逆に待たされてピアノ演奏を披露したのは、TVで何度も見せられているので、衆知のことですね。
国内経済成長率の低迷、仲裁裁判所による南シナ海の「九段線」の否定裁決や、米軍による「航行の自由作戦」敢行などの外交での失政が続いている習近平。ここで実績を国内に示し、秋の党大会に向け急いで失地挽回の実績が欲しいあまりに、「中華の夢」の覇権拡大の本音がポロリと出てしまい、焦りから独断・強行の大会運営準備と進行となった様ですね。
欧米、特に欧州諸国には、北朝鮮の正体を認識していただくよい機会となっています。
軍事力行使は危険すぎると言いながら、対話を主張する中国に北朝鮮への制裁と説得交渉を任す戦術の米国。今後のロシアも絡めた外交展開と、G7では古参No.2となった安倍首相の調整に注目ですね。
実績があがっていない「一帯一路」。スリランカでも破綻している様ですね。
中国の「一帯一路」会議、28カ国参加へ 野心的構想に懐疑的見方も | ロイター
宮崎正弘の国際ニュース・早読み <習近平の夢「一帯一路」、スリランカでまた挫折。前途多難 (2017年6月3日発行) | 宮崎正弘の国際ニュース・早読み - メルマ!
# 冒頭の画像は、「一帯一路」サミットに臨む習近平、プーチン他
この花の名前は、ベゴニア・センパフローレンス
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