遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

露 APEC会場・ウラジオストク開発に注力

2011-07-02 00:57:28 | ロシア全般
 2012年9月に開かれるAPEC首脳会議は、ロシア・ウラジオストクのルースキー島で開かれるのですが、07年にAPEC開催地に決まり、09年から諸施設の工事が始まり、急ピッチで開発整備が進められているのだそうです。
 今、経済成長で世界から注目を浴びるアジア地域への進出には、ロシアにとって太平洋や日本海への玄関ウラジオストクの整備が必須であり、極東は戦略的に重要な地域となってきています。一方では、人口減が進みつつあり、中でも極東はモスクワなど西部の都市部への移動があり人口減が著しい(合計特殊出生率=1.37 日本=1.27)のだそうで、歯止めとして地域の開発が必要なのだそうすね。
 

ウラジオストク開発急ピッチ 来年APEC 露、1兆7000億円投入 (7/1 読売朝刊)

 【ウラジオストク(ロシア極東)"寺口亮一】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が2012年9月に開かれるウラジオストクで、会場となるルースキー島を中心に、市全体で再開発が急ピッチで進められている。ロシアのアジア太平洋側の玄関口を整備する一大プロジェクト
となっている。
 ルースキー島は面積約98平方キロメートル。緑豊かな島はかつてはウラジオストク防衛の軍事要塞で砲台もあった。ソ連崩壊後に立ち入り制限が解除された後も「海水浴客が時折訪れるだけだった」(住民)という。
 それが、07年にAPEC開催地に決まり、09年から諸施設の工事が始まった。今では国際会議場やホテル、大学の研究施設が姿を現し、本土と島を結ぶ連絡橋の建設も進む。会場はAPEC後、沿海地方の極東連邦大など4大学を統合する新・極東連邦大のキャンパスとなる。学生約3万人のうち少なくとも25%は中国やベトナムから留学生を招くという。
 政府や地方自治体はAPECに伴う市全体の開発に計6000億ルーブル(約1兆7000億円)を投入。街中は建設現場が目立ち、土ぼこりが舞い上がる。30日、ルースキー島を視察したメドベージェフ露大統領は、政府の関係閣僚らとの会合で
「APECはロシアがアジア太平洋地域の重要なメンバーである証し」
と述べ、会議が国家の威信をかけた事業であることを強調した。
 また、極東地域の人口流出が問題になるなか、大統領は「新しいウラジオストクを建設する」とも約束した。地元記者のイリーナ・ドロビシェバさんは「悲観論も根強いが、あり得ないと笑い飛ばした計画が実現しつつある」と語り、
開発で人口流出に歯止めがかかる
ことへの期待を示した。

 ロシア人口、8年で220万人減  - MSN産経ニュース
 
 極東の人口は、2002年比で、6%減で西部の都市部への人口流出が止まらないと同時に、中国人の流入が進んでいるのだそうです。
 古い話ですが、2000 年 7 月、プーチン大統領(当時)が沖縄サミットに向かう途中、アムール州都のブラゴヴェシチェンスク(黒龍江省黒河市をアムール川の対岸約 800メートル先に臨む地点に位置)に立ち寄った時、ロシアがアジア太平洋地域に参入していく際、極東が窓口となる以上、経済的低迷や人口流出等が続いていることは深刻な問題であるとし、「真剣な努力が払われなければ、数十年後には現地の住民は日本語や中国語、朝鮮語を話すようになるであろう」と危機感を表明したのだそうですね。
 以来極東開発に投資が始まり、近年急速に進み、北方4島でのインフラ整備も活発に行われているのでした。
 中露国境画定では、面積を折半する形で政治決着していますが、ロシア国内ではいまだに訴訟がおこされるなど問題が残っている様ですね。
 
中露国境画定でロシア国内に住民補償訴訟 - 遊爺雑記帳

 最近では、南シナ海への中国の覇権拡大に対し、ASEAN + 米国の連携包囲網が強まっていますね。先の「アジア安全保障会議」では、中国札束攻勢によるASEAN内の分断化が成功し、連携ではなく二国間交渉を唱える国が増えていましたが、6月にフィリピンが、7月にはベトナムやシンガポールが米国との合同軍事演習を実施するなど、ASEAN + 米国による中国包囲網形成への動きは健在で具体化してきています。
 
ASEAN各国米海軍と演習・交流…中国けん制 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 ジョージワシントンの艦隊は、その後オーストラリアとの合同訓練に向かうのだそうですが、7月にはASEAN地域フォーラム(AFR)、11月には東アジア首脳会議が開催されますが、中国包囲網がどこまで強化さるか注目が必要ですね。

 そして、ロシアでのAPEC会議が開催される頃には、南シナ海、東シナ海の情勢や、北方4島と日露平和条約の状況はどう変わっているのでしょう?
 北方領土と日露平和条約に対し、ロシアが強気の歴史的変換をしていますが、頭に入れておきたいのは、ロシアの主力のガス田が枯渇し、北極圏や極東のガス田開発とその販売先開拓を進めねばならなくなっていることと、アジアへの進出の重要戦略地域である極東からの人口流出を食い止め、拠点開発をせねばならないというロシアの台所状況です。
 
 三流はおろか、四流以下の民主党政治で、これらのアジアを取り巻く世界の動きに、ASEAN諸国の期待に応えられるリーダーシップを発揮できるのか。尖閣の中国漁船事件以来、歴史に残る大失政が続く日本外交が正念場を迎えています。
 精神異常が疑われるカンカラ菅には、そんなこと眼中にないのでしょうね。


 # 冒頭の写真は、建設が進むウラジオストク




ウスバヒョウタンボクの果実 6月初旬六甲山麓で撮影


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Fotolia



誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交




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