遊爺雑記帳

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クリントン大統領候補 米中露紙の評価

2015-04-27 23:40:22 | 米国 全般
 次期米国大統領は、共和党に強力な候補が無く(遊爺は秘かにマルコ・ルピオ氏に期待していますが、ブッシュ氏、ウォーカー氏、クルーズ氏の後塵を拝している)、民主党で圧倒的強さをみせているクリントン氏が本命視されていますね。
 クリントン候補について、米中露紙の評価の記事がありました。国務長官時代には、中国包囲網造りに熱心で、拙い日本の民主党政権にもかかわらず尖閣を日米同盟の対象と明言し擁護していただいた一方で、クリントン一家は親中との噂も絶えません。そんななか、注目は中国紙=中国政府の評価です。
 

クリントン氏が米大統領選に出馬表明 (4/27 産経 【環球異見】)

 
クリントン前米国務長官が来年の次期米大統領選への出馬を表明した。候補が乱立気味の共和党に対し、民主党内ではクリントン氏を脅かす強敵は見当たらない。有力者の参戦を受け、米紙では賛否両論が出た。中国では人権問題などをめぐりクリントン氏への警戒感が示されたほか、ウクライナ危機で関係が冷え込むロシアでは、誰が次期大統領になろうと早期の関係改善は望めないとの見方が出た。

□ワシントン・ポスト(米国)
■道は簡単ではない

 クリントン氏の出馬表明について、米紙ワシントン・ポストの12日付社説は冒頭でその知名度や能力を認めた上で、「
ホワイトハウスへの道は簡単ではない」と論じた。次期大統領選は2期8年の任期を終えるオバマ氏の次の大統領を選ぶ。多くの有権者が変化を求める中、オバマ政権で国務長官を務めたクリントン氏は、オバマ氏との違いを示さなくてはならないからだと説いた。
 さらに、
民主党内に格差の問題をはじめとする内政面の方針で「深刻な分裂」があることに触れ、先々の党内調整の難しさを示唆した。外交面でも、クリントン氏は米国が積極的に指導力を発揮することを好む一方、党内には「軍事支出の増大やタカ派的な姿勢に反対する根強い潮流
がある」とした。
 国務長官時代に私用のメールアドレスを使っていた問題で釈明が後手に回ったことなどをめぐり、社説は「言い訳できない説明責任の欠如」があると指弾。国民は「米国初の女性大統領」への期待を抱く半面、メール問題が否定的なイメージを増幅させたと分析した。

 これに対し、米紙
ニューヨーク・タイムズは最低賃金引き上げの問題を取り上げた16日付社説で、出馬を表明したクリントン氏が労働環境の改善に取り組むことへの期待感
をにじませた。
 ウェブサイトに掲載した出馬表明の動画で、クリントン氏は「普通の米国人のチャンピオン(擁護者)になりたい」と訴えた。社説は米国内で賃金格差が広がり、最低賃金の引き上げを要求する声がさまざまな職種の「普通の米国人」の間で強まっている現状に触れ、クリントン氏の問題意識が「声を上げる人々の現実に合致している」と評価した。
 社説は共和党の候補らについて、所得格差の議論を避け、「収入の最上位層に富が集中していることとは関係ないと考えているようだ」と批判した。(塩原永久)

□チャイナ・デーリー(中国)
■論争を呼ぶ選択

 クリントン氏について13日付の中国の英字紙チャイナ・デーリーは、ファーストレディー、上院議員、国務長官という「政治経験」を根拠に
次期米大統領の有力候補と認めつつ、「論争を呼ぶ選択だ」と警戒感を示した。
 同紙は、クリントン氏は「大学時代から政治的野望を育んできた」と指摘。大学院時代に知り合ったビル・クリントン元大統領との結婚を「戦略的パートナーシップ」と位置づける。
 「クリントン氏の政治的資質と行動は誰にも劣らない」とする同紙が、欠点の一つとして挙げているのが彼女の気性だ。国務長官在任中に起きたリビア米領事館襲撃事件にからみ、公務に私用メールアドレスを使っていた問題が発覚した後、クリントン氏は自らの判断で「私的メール」を廃棄したことを認めている。
 同紙はこの判断について、「彼女は行動の合法性を主張できるが、メール廃棄の事実は覆せない。未来の大統領としての誠実さに関し、疑いを持たれるに違いない。こうした判断ミスや傲慢さが経歴に傷をつけた」と分析している。
 クリントン氏の「頑固で感情的な性格」は、中国に対しても向けられているという。同紙は「クリントン氏は米国の価値観を守るという理由で、
中国の内政について厳しい意見を発している」と不満を隠さない

 
中国の人権問題に対するクリントン氏の立場を「偽善的」にみえると主張する同紙は、シリア問題や南シナ海問題における対中姿勢についても、「外交上の礼儀作法を欠いている」と手厳しい

 「国際舞台において、米国初の女性大統領を歓迎しない理由はない。しかしクリントン氏は、米国の支配はもはや歓迎されないし、影響力がないことを理解しなければならない」
 同紙のこうした忠告が習近平指導部の考えを代弁している。(北京 川越一)

□国営ロシア新聞(ロシア)
■関係改善、米に関心なし

 ロシアのメディアは米大統領選に高い関心を寄せているが、
クリントン氏は国務長官時代に厳しいロシア批判を繰り返したことから、彼女が大統領となった場合には早期の関係改善は望めないという論調が支配的だ。
 国営ロシア新聞は14日付の特集記事で、現在の米国にはそもそも「ロシアとの関係改善に対する政治的な関心がない」とし、「クリントン氏も同様だ」とする専門家の見方を紹介した。ロシアとの関係修復を目指せば、どのような政治家であれ、相手陣営から「多くの難題を突きつけられる」ためだと理由を説明している。
 さらに、
クリントン氏が過去に「ロシアと、その指導部に対し極めて懐疑的だった
」ことから、「その姿勢が突然変わることなど、期待するに値しない」と指摘した。
 一方、
有力経済紙コメルサント
は同日付の記事で、ロシアでは共和党政権の方が民主党政権より現実主義的で、関係を構築しやすいと認識されがちだ-とした上で、現在の共和党では「攻撃的で拡張主義的」な勢力が強い影響力を持っており、そのような状況にはないと分析した。
 また、共和党の有力候補、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事については、国際政治の舞台で経験がないことなどから、「外政(の手腕)では多くの要素において予見できない」と指摘。クリントン氏は「自らの手で政策決定を行うことができ、国際舞台で多大な経験を有している」とし、「
ロシアにとって、(他の候補より)まだましなのではないか
」と分析している。

 プーチン大統領は18日、国営テレビのインタビューで「誰が米大統領になっても仕事をする用意がある」と述べた。ただ、ウクライナ情勢をめぐって米国との対立が深まる中、プーチン政権が自らの主張を取り下げてまで対米関係の改善に動くとは、現時点では考えにくい。プーチン氏の言葉は額面通りには受け取りがたい。(モスクワ 黒川信雄)


 オバマ政権の安倍批判に、背を向ける共和党有力議員 - 遊爺雑記帳
 CNN.co.jp : 米共和党ルビオ氏、大統領選への立候補を表明

 チャイナデーリーは、クリントン氏は、「大学時代から政治的野望を育んできた」と指摘し、ビル・クリントン元大統領との結婚もそのための布石であるかの様な表現は、笑ってしまいますが、否定は出来ない大統領夫人時代の振る舞いでした。
 それは、御愛嬌として、「中国の内政について厳しい意見を発している」と不満を露わにし、「シリア問題や南シナ海問題における対中姿勢についても、「外交上の礼儀作法を欠いている」」と、むきになっています。
 「論争を呼ぶ選択だ」と警戒感を示し、「(国際舞台において)クリントン氏は、米国の支配はもはや歓迎されないし、影響力がないことを理解しなければならない」と上から目線で牽制しています。オバマ氏に比べると、手ごわい相手と認めているのですね。

 ワシントンポストが指摘する、民主党内の路線対立。確かに、クリントン氏は民主党らしくなく、共和党かとまごう様な強い米国、世界をリードする米国の姿勢が強いのは国務長官を経験されたからと言うより、元々持っておられる政見の様に拝察します。
 国務長官時代に、アジアへのリバランス政策が打ち出され、豪州に海兵隊が駐留することになったと同時に、素早くミヤンマーに飛び、ミヤンマーの脱中国政策を支援されました。
 ズルズルと決断なく指導力と信頼を失い混迷を産むオバマ氏にはない、決断力と行動力がありました。
 当時、オバマ氏とクリントン氏がうまく役割分担していると思っていましたが、今になって振り返れば、グズな大統領の下で、米国外交を支えておられたのだと理解できます。

 前回のオバマ氏との候補指名争いで敗れた原因を反省し改め、民衆路線に転じての選挙戦との報道に接します。ニューヨークタイムスが評価するような、民主党らしい政策も打ち出しています。

 力で現状変更を進め、戦後70年が経った今、アジアの平和を乱しているのは何処の国か。これを、米国の国益を損なうと見えているかたに、次期大統領となっていただきたい。クリントン候補が勝つのか、マルコ・ルピオ氏は何処まで善戦し、クリントン氏の次の大統領に備えられるのか、注目していきます。

 余談ですが、今日のTBSの「ひるおび」で、安倍首相は訪米されたら次期大統領候補とも面談すればよいとの話がでましたが、それは露骨で失礼と田崎氏がたしなめておられました。(笑)



 # 冒頭の画像は、大統領選出馬を表明した共和党のルビオ上院議員




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