
自衛隊と米軍、フランス軍が来年5月、沖縄県・尖閣諸島など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することになったのだそうです。
ブレグジットの英国とは、EPA協議が合意署名され、それぞれの国内手続きを経て順調に進めば、来年1月1日に協定が発効する見通しとなりました。
これまで欧州各国は経済成長の起爆剤として、中国との経済的な結びつきを強めていたのですが、新型コロナウイルスの流行を機に中国の強権主義が目立つようになり、情報開示や人権に対する姿勢に各地で懸念が広がっていることや、香港やウイグル、チベットでの人権問題の深刻化に伴い、欧州の主要国で対中戦略の転換が始まったようですね。
日英EPA 国会で可決・承認 来年1月1日に発効する見通し | NHKニュース
【独自】英のTPP参加、日本が協力…自由貿易の重要性アピール : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン
対中戦略の転換で先陣を切ったのは英国。
冒頭の日英EPAや、TPP参加の他に、ジョンソン首相は「英国は香港市民を見捨てない」と述べ、「英国海外市民(BNO)旅券」を保持する香港市民に、英国での市民権取得を促す方針を表明した。次世代通信規格(5G)から中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)を完全排除することも決めました。
そして、対中戦略で腰が重かったEU諸国も動き始めたのですね。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、9月14日、EUのミシェル大統領とEU議長国ドイツのメルケル首相と共に、中国の習近平国家主席とのテレビ会談に臨んだのだそうで、EUは中国に進出したEU企業が現地で技術や個人情報の開示を強制される可能性などに懸念を示しており、これらの問題についても議論が交わされたのだそうです。
正面から意見が対立したのが、人権問題。
習近平国家主席は内政干渉には反対の姿勢を示した上で、「人権の先生はいらない」と真っ向から反論したのだそうです。
フォンデアライエン委員長は16日に欧州議会で行った一般教書演説で、さらに対中戦略のスタンスを明確にし、「中国は交渉のパートナーであり、経済上の競争相手、体制上のライバルである」と明言。
「体制上のライバル」というのは、前後の文脈からして、民主主義に対する政治体制上のライバルという意味なのだそうです。
また、改めて香港やウイグルでの人権に関する問題に警鐘を鳴らした上で、「欧州版の米マグニツキー法」を導入する意向を示したそうです。
フォンデアライエン委員長が中国に強気の姿勢を示す背景には、新型コロナの流行を契機に、中国の強権主義が露わになり、欧州内で反発が強まっていることがあるのだと。
独シンクタンクの欧州外交問題評議会が7月に発表したリポートによると、「中国への見方が新型ウイルス危機で変化したか」と問う質問に対し、フランスやデンマークでは62%、スウェーデンでは52%、ドイツでは48%が「悪化した」と回答したのだそうです。
チェコでは上院議長が台湾に公式訪問するなど、中国政府の見解に正面から異を唱える動きが出てきている(親中派のゼマン・チェコ大統領は反対)。
フランスは、日米と共に、尖閣諸島など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することに。
軍事的覇権拡大を進める中国を牽制する訓練に欧州の仏軍も加わることで、対中包囲網での抑止力が強化されます。
英軍の最新鋭空母クイーン・エリザベス(QE)を中心とする空母打撃群も、南西諸島周辺を含む西太平洋に向け来年初めにも派遣し、長期滞在させるのだそうですね。
英最新鋭空母の極東展開、日本の受け入れで「日英同盟」が復活する?(木村正人) - 個人 - Yahoo!ニュース
世界の対中包囲網が動き始めていますが、肝心の米国では、「新冷戦時代」を優位に展開していたトランプ大統領が落選。
チャイナゲート疑惑を抱えるバイデン新大統領と、左派・社会主義勢力が主導権を握ると言われる民主党の、対中外交戦略が注目されます。
# 冒頭の画像は、仏強襲揚陸艦「ミストラル」

菩提樹の黄葉
↓よろしかったら、お願いします。






ブレグジットの英国とは、EPA協議が合意署名され、それぞれの国内手続きを経て順調に進めば、来年1月1日に協定が発効する見通しとなりました。
これまで欧州各国は経済成長の起爆剤として、中国との経済的な結びつきを強めていたのですが、新型コロナウイルスの流行を機に中国の強権主義が目立つようになり、情報開示や人権に対する姿勢に各地で懸念が広がっていることや、香港やウイグル、チベットでの人権問題の深刻化に伴い、欧州の主要国で対中戦略の転換が始まったようですね。
日英EPA 国会で可決・承認 来年1月1日に発効する見通し | NHKニュース
【独自】英のTPP参加、日本が協力…自由貿易の重要性アピール : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン
中国との距離感(8)一枚岩になれないEU:日経ビジネス電子版 大西 孝弘 ロンドン支局長 2020年9月25日
欧州の対中戦略が転換期を迎えている。これまで欧州各国は経済成長の起爆剤として、中国との経済的な結びつきを強めてきた。
だが、新型コロナウイルスの流行を機に中国の強権主義が目立つようになり、情報開示や人権に対する姿勢に各地で懸念が広がっている。
対中戦略の転換で先陣を切ったのは英国だ。ジョンソン首相は「英国は香港市民を見捨てない」と述べ、「英国海外市民(BNO)旅券」を保持する香港市民に、英国での市民権取得を促す方針を表明した。次世代通信規格(5G)から中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)を完全排除することも決めた。
ただ、英国の決定は、中国と激しく対立する米国に追随した面が大きい。米国とも一定の距離を置く欧州連合(EU)は、どのような対中戦略を取るのか。9月中旬、EUの役職で最も強い権限を持つ欧州委員会のフォンデアライエン委員長の言動に注目が集まった。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は9月中旬、中国に関する重要な会談と演説を行った。9月14日、EUのミシェル大統領とEU議長国ドイツのメルケル首相と共に、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とのテレビ会談に臨んだ。
新型コロナで大きな打撃を受けたEUにとって中国との経済関係は重要で、年内に投資協定を結ぼうとしている。ただ、EUは中国に進出したEU企業が現地で技術や個人情報の開示を強制される可能性などに懸念を示しており、これらの問題について議論が交わされたようだ。
正面から意見が対立したのが、人権問題だ。EU首脳は香港や新疆ウイグルの人権問題で懸念を伝えたが、中国国営の新華社の報道によると中国の習近平国家主席は内政干渉には反対の姿勢を示した上で、「人権の先生はいらない」と真っ向から反論した。
フォンデアライエン委員長は16日に欧州議会で行った一般教書演説で、さらに対中戦略のスタンスを明確にした。「中国は交渉のパートナーであり、経済上の競争相手、体制上のライバルである」と明言した。「体制上のライバル」というのは、前後の文脈からして、民主主義に対する政治体制上のライバルという意味と推察できる。
また、中国を含む世界の人権問題に対する批判のトーンを強めた。改めて香港やウイグルでの人権に関する問題に警鐘を鳴らした上で、「欧州版の米マグニツキー法」を導入する意向を示した。マグニツキー法とは、人権侵害などに関わった国外の人物に対し、迅速に域内の資産を凍結したり、ビザを取り消したりできる法律で、この欧州版の成立に意欲を見せた。
さらに、習近平国家主席の「人権の先生はいらない」という発言に対してか、フォンデアライエン委員長は次のように述べた。「欧州にも問題がない訳ではない。ただ反ユダヤ主義について我々はそれを公で話し合い、批判は受け入れられるだけでなく、法的に保護されている」。
■欧州各国では対中感情が悪化
フォンデアライエン委員長が中国に強気の姿勢を示す背景には、新型コロナの流行を契機に、中国の強権主義が露わになり、欧州内で反発が強まっていることがある。
独シンクタンクの欧州外交問題評議会が7月に発表したリポートによると、「中国への見方が新型ウイルス危機で変化したか」と問う質問に対し、フランスやデンマークでは62%、スウェーデンでは52%、ドイツでは48%が「悪化した」と回答した。
チェコでは上院議長が台湾に公式訪問するなど、中国政府の見解に正面から異を唱える動きが出てきている。
<後略>
欧州の対中戦略が転換期を迎えている。これまで欧州各国は経済成長の起爆剤として、中国との経済的な結びつきを強めてきた。
だが、新型コロナウイルスの流行を機に中国の強権主義が目立つようになり、情報開示や人権に対する姿勢に各地で懸念が広がっている。
対中戦略の転換で先陣を切ったのは英国だ。ジョンソン首相は「英国は香港市民を見捨てない」と述べ、「英国海外市民(BNO)旅券」を保持する香港市民に、英国での市民権取得を促す方針を表明した。次世代通信規格(5G)から中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)を完全排除することも決めた。
ただ、英国の決定は、中国と激しく対立する米国に追随した面が大きい。米国とも一定の距離を置く欧州連合(EU)は、どのような対中戦略を取るのか。9月中旬、EUの役職で最も強い権限を持つ欧州委員会のフォンデアライエン委員長の言動に注目が集まった。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は9月中旬、中国に関する重要な会談と演説を行った。9月14日、EUのミシェル大統領とEU議長国ドイツのメルケル首相と共に、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とのテレビ会談に臨んだ。
新型コロナで大きな打撃を受けたEUにとって中国との経済関係は重要で、年内に投資協定を結ぼうとしている。ただ、EUは中国に進出したEU企業が現地で技術や個人情報の開示を強制される可能性などに懸念を示しており、これらの問題について議論が交わされたようだ。
正面から意見が対立したのが、人権問題だ。EU首脳は香港や新疆ウイグルの人権問題で懸念を伝えたが、中国国営の新華社の報道によると中国の習近平国家主席は内政干渉には反対の姿勢を示した上で、「人権の先生はいらない」と真っ向から反論した。
フォンデアライエン委員長は16日に欧州議会で行った一般教書演説で、さらに対中戦略のスタンスを明確にした。「中国は交渉のパートナーであり、経済上の競争相手、体制上のライバルである」と明言した。「体制上のライバル」というのは、前後の文脈からして、民主主義に対する政治体制上のライバルという意味と推察できる。
また、中国を含む世界の人権問題に対する批判のトーンを強めた。改めて香港やウイグルでの人権に関する問題に警鐘を鳴らした上で、「欧州版の米マグニツキー法」を導入する意向を示した。マグニツキー法とは、人権侵害などに関わった国外の人物に対し、迅速に域内の資産を凍結したり、ビザを取り消したりできる法律で、この欧州版の成立に意欲を見せた。
さらに、習近平国家主席の「人権の先生はいらない」という発言に対してか、フォンデアライエン委員長は次のように述べた。「欧州にも問題がない訳ではない。ただ反ユダヤ主義について我々はそれを公で話し合い、批判は受け入れられるだけでなく、法的に保護されている」。
■欧州各国では対中感情が悪化
フォンデアライエン委員長が中国に強気の姿勢を示す背景には、新型コロナの流行を契機に、中国の強権主義が露わになり、欧州内で反発が強まっていることがある。
独シンクタンクの欧州外交問題評議会が7月に発表したリポートによると、「中国への見方が新型ウイルス危機で変化したか」と問う質問に対し、フランスやデンマークでは62%、スウェーデンでは52%、ドイツでは48%が「悪化した」と回答した。
チェコでは上院議長が台湾に公式訪問するなど、中国政府の見解に正面から異を唱える動きが出てきている。
<後略>
対中戦略の転換で先陣を切ったのは英国。
冒頭の日英EPAや、TPP参加の他に、ジョンソン首相は「英国は香港市民を見捨てない」と述べ、「英国海外市民(BNO)旅券」を保持する香港市民に、英国での市民権取得を促す方針を表明した。次世代通信規格(5G)から中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)を完全排除することも決めました。
そして、対中戦略で腰が重かったEU諸国も動き始めたのですね。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、9月14日、EUのミシェル大統領とEU議長国ドイツのメルケル首相と共に、中国の習近平国家主席とのテレビ会談に臨んだのだそうで、EUは中国に進出したEU企業が現地で技術や個人情報の開示を強制される可能性などに懸念を示しており、これらの問題についても議論が交わされたのだそうです。
正面から意見が対立したのが、人権問題。
習近平国家主席は内政干渉には反対の姿勢を示した上で、「人権の先生はいらない」と真っ向から反論したのだそうです。
フォンデアライエン委員長は16日に欧州議会で行った一般教書演説で、さらに対中戦略のスタンスを明確にし、「中国は交渉のパートナーであり、経済上の競争相手、体制上のライバルである」と明言。
「体制上のライバル」というのは、前後の文脈からして、民主主義に対する政治体制上のライバルという意味なのだそうです。
また、改めて香港やウイグルでの人権に関する問題に警鐘を鳴らした上で、「欧州版の米マグニツキー法」を導入する意向を示したそうです。
フォンデアライエン委員長が中国に強気の姿勢を示す背景には、新型コロナの流行を契機に、中国の強権主義が露わになり、欧州内で反発が強まっていることがあるのだと。
独シンクタンクの欧州外交問題評議会が7月に発表したリポートによると、「中国への見方が新型ウイルス危機で変化したか」と問う質問に対し、フランスやデンマークでは62%、スウェーデンでは52%、ドイツでは48%が「悪化した」と回答したのだそうです。
チェコでは上院議長が台湾に公式訪問するなど、中国政府の見解に正面から異を唱える動きが出てきている(親中派のゼマン・チェコ大統領は反対)。
フランスは、日米と共に、尖閣諸島など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することに。
日米仏、初の離島上陸訓練 来年5月、対中包囲網強化へ - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2020.12.7
自衛隊と米軍、フランス軍が来年5月、沖縄県・尖閣諸島など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することが分かった。日米仏の艦艇と陸上部隊が結集し、南西方面の無人島で着上陸訓練を行う。軍事的覇権拡大を進める中国を牽制する訓練に欧州の仏軍も加わることで、対中包囲網の強化を示す狙いがある。
仏海軍は、士官候補生を乗せたヘリコプター搭載型水陸両用艦と、フリゲート艦を派遣する練習艦隊「ジャンヌ・ダルク」を来年5月、3度目の日本寄港を計画している。2015年と17年は長崎県・佐世保港に寄港している。
来年5月の共同訓練は人道支援・災害救援を掲げ、無人島に航空機での着上陸や水陸両用車とボートによる上陸を行う予定。内容は離島防衛・奪回作戦と共通する項目が多い。海自の輸送艦と陸自の離島奪還部隊の水陸機動団、米海軍艦艇と海兵隊、仏海軍艦艇と仏領ポリネシア駐留の陸軍部隊が参加する見通しだ。
自衛隊と米軍、フランス軍が来年5月、沖縄県・尖閣諸島など離島の防衛・奪回作戦に通じる水陸両用の共同訓練を日本の離島で初めて実施することが分かった。日米仏の艦艇と陸上部隊が結集し、南西方面の無人島で着上陸訓練を行う。軍事的覇権拡大を進める中国を牽制する訓練に欧州の仏軍も加わることで、対中包囲網の強化を示す狙いがある。
仏海軍は、士官候補生を乗せたヘリコプター搭載型水陸両用艦と、フリゲート艦を派遣する練習艦隊「ジャンヌ・ダルク」を来年5月、3度目の日本寄港を計画している。2015年と17年は長崎県・佐世保港に寄港している。
来年5月の共同訓練は人道支援・災害救援を掲げ、無人島に航空機での着上陸や水陸両用車とボートによる上陸を行う予定。内容は離島防衛・奪回作戦と共通する項目が多い。海自の輸送艦と陸自の離島奪還部隊の水陸機動団、米海軍艦艇と海兵隊、仏海軍艦艇と仏領ポリネシア駐留の陸軍部隊が参加する見通しだ。
軍事的覇権拡大を進める中国を牽制する訓練に欧州の仏軍も加わることで、対中包囲網での抑止力が強化されます。
英軍の最新鋭空母クイーン・エリザベス(QE)を中心とする空母打撃群も、南西諸島周辺を含む西太平洋に向け来年初めにも派遣し、長期滞在させるのだそうですね。
英最新鋭空母の極東展開、日本の受け入れで「日英同盟」が復活する?(木村正人) - 個人 - Yahoo!ニュース
世界の対中包囲網が動き始めていますが、肝心の米国では、「新冷戦時代」を優位に展開していたトランプ大統領が落選。
チャイナゲート疑惑を抱えるバイデン新大統領と、左派・社会主義勢力が主導権を握ると言われる民主党の、対中外交戦略が注目されます。
# 冒頭の画像は、仏強襲揚陸艦「ミストラル」

菩提樹の黄葉
↓よろしかったら、お願いします。




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