遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

全電源喪失対策"不要"の作文を原子力安全委員会が指示していた

2012-06-04 23:59:30 | 東日本大震災
 福島第一が発災し、女川、東海第二、福島第二が凌いだのは何故か。福島第一が発災したから、全ての原発も同様に発災するのか。事故が発生した時から注目しています。
 政府事故調、民間事故調の報告が出て、国会事故調も終盤の詰めを迎えていますが、その疑問は見えてきつつあり、原因は諸兄も指摘されておられますが、遊爺の予想があたりそうです。
 1991年(平成3年)に設立された、原子力安全委員会の作業部会「全交流電源喪失事象検討ワーキンググループ」は、「長時間(30分程度以上)の全電源喪失は考慮する必要はない」という国の安全設計審査指針の見直しについて、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、翌年に東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送っていたことが判明したのだそうですね。
 
全電源喪失 「対策不要」業界に作文指示 平成4年 安全委、指針改定せず (6/4 産経)

 東京電力福島第1原発事故の原因となった長時間の全電源喪失について、国の原子力安全委員会の作業部会が平成4年、対策が不要な理由を文書で作成するよう電力業界側に指示し、東電が作成した文章をほぼ丸写しした報告書をまとめ、安全指針の改定を見送っていたことが3日、分かった。安全委は事実関係を隠蔽(いんぺい)してきたが、国会事故調査委員会が受理した同部会の内部資料で判明。規制当局が業界側と癒着し、不適切な指針を容認してきた実態が明らかになった。
 この作業部会は「全交流電源喪失事象検討ワーキンググループ」。海外で全電源喪失の事例が起きたことを受けて3年に設置され、有識者の専門委員のほか東電、関西電力などの外部関係者も参加した。
 長時間の全電源喪失は過酷事故につながる重大事態だが、2年に策定された国の安全設計審査指針は「長時間(30分程度以上)の全電源喪失は考慮する必要はない」としており、作業部会はこの妥当性を非公開の会議で検討した。
 会議では対策を指針に盛り込むことについて、業界側が「(過酷事故の)リスクが特に高いとは思われない」(東電)、「指針への反映は行き過ぎ」(関電)などと反発。対策が必要になると設備などでコストが増えるためとみられる。
 これに応じる形で作業部会は4年10月、当時の安全委事務局だった科学技術庁原子力安全調査室経由で、業界側に「今後も長時間の全電源喪失を考えなくて良い理由を作文してください」と文書で指示。規制方針にかかわる文書作成を業界側に丸投げした格好だ。
 これに対し東電は「わが国の原発は設計の余裕があり、十分な安全性が確保される」などと回答。ほぼ同じ文章が報告書案に盛り込まれ、「重大な事態に至る可能性は低い」として指針の見直しは見送られた。

 安全委は昨年7月、作業部会の資料をホームページですべて公開したとしていた。しかし、経緯を調べている国会事故調が、業界側とのやりとりを示す資料が隠蔽されている可能性を指摘、提出を求めていた。

 安全委員会が、想定されなくはない長時間全電源喪失について、業界の意向に沿って、対策をしなくて良いとしていた。更に、その資料についてすべて公開したとしながら隠蔽していたと言うのです。
 女川も東海第二も津波&電源対策をしていましたが、福島第一は対策を先送りしていた。それが両者の差となり、福島第一は発災し、女川は逆に被災者の避難所の役割を果たしたのです。
 
 さらにその思想は続き、2007年2月の静岡地方裁判所での浜岡原発差し止め訴訟で、電源の安全性について証人尋問で答えた斑目氏(当時東大大学院教授)は、「非常用ディーゼル二個の破断も考えましょう、こう考えましょうと言っていると、設計できなくなっちゃうんです。何でもかんでも、これも可能性ちょっとある、これはちょっと可能性がある。そういうものを全部組み合わせていったら、モノなんて絶対造れません。だから、どっかで割り切るんです。」と答えています。
 2010年4月にその斑目氏が原子力安全委員会委員長に就任していました。
 2011年3月、発災後の国会で、斑目氏は福島氏に「割り切った結果が今回の事故ではないですか?」と問われ、「確かに、あの、割り切らなければ、あの、設計できないというのは事実でございます。で、その割り切った、あ、割り切り方が正しくなかったということも、あのー、えー、我々は十分反省してございます」と答えたのでした。
 原発設計「想定悪かった」原子力安全委員長 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 今回の国会事故調でもこの点は追及されています。
 他にもいろいろ聞かれていますが、睡眠不足だったので記憶にないとか、電力会社や政府に責任をなすりつけたりで、原子力安全委員会委員長の自覚はゼロです。
 衆議院インターネット審議中継

 黒川委員長他、あきれ顔ですね。こんな全てが人のせいみたいな人物が日本の原子力のトップだったのですね。
 もう一度言います。
 福島第一が発災し、女川、東海第二、福島第二が凌いだのは何故か。その疑問の答えは見えてきつつあります。



 # 冒頭の画像は、国会事故調の黒川委員長



 この花は、アーモンドの花 (今はもう実がついています。実の画像は撮ってありますが、後日掲載します)

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