ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は5日、米議会下院外交委員会アジア・太平洋小委員会の公聴会で、「(島嶼(とうしょ)など)陸域の領有に基づかない、九段線によるいかなる海洋権益の主張も国際法に合致しない」と述べた上で、中国に対し、九段線の国際法上の位置付けを明示するよう求めたのだそうです。
南シナ海の中国とASEAN諸国との権益問題に米政府が関与してきたことで、アジア回帰の色があせていたオバマ政権と、中国との関係が再び対峙する方向へ戻るのでしょうか。
「九段線」という、EEZとも領海線とも判断がつかない、国際法を無視した中国の勝手な言い分は、次の四つが論拠だと書いているものもあります。(李国強氏についてはよく把握していませんので、一説の参考資料としてご覧ください)
この「第2の理解」で登場する「大陸棚の延長」が、中国の南シナ海でのEEZの主張という説が多かったと記憶していました。
現に、ベトナムとの領海交渉では大陸棚を前面に出していましたし、東シナ海のガス田開発でのEEZの境界線を巡る主張も「大陸棚延長」論で、日本の「中間線」の主張と対立していることは、諸兄がご承知の通りです。
「九段線」は、断続線による隣国や公海との境(断続国境線)という概念も、国際的には理解不能な勝手な解釈です。
「九段線」は、国際海洋法条約より古くから制定していたので、国連海洋法条約が、排他的経済水域及び大陸棚の海洋に関する権益に対する主張あるいは画定する権利を沿海国に付与したことを根拠として、中国が有する南シナ海における歴史的な権利を否定することはできないと言いながら、「第2の理解」では大陸棚論も登場しているのも矛盾。
国連海洋法条約を否定しながら、東シナ海では大陸棚延長申請を大陸棚限界委員会に提出するという、ちゃっかり姿勢は中国らしいところ。つまり、中国が国際的に信頼を勝ち取れない所以。
大陸棚の延長とは何か?|大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況|中国および韓国の申請(2012年)
WSJは、上記の記事で言う社説とは他にも中国に警告する社説を書いています。
習近平の中国は、まさにナチスドイツの再来の新帝国主義の国家です。
欧米各国は、遠い東の地の果ての出来事と考えていると、あるひ突然被害が及ぶことになります。
米国政府の南シナ海回帰が本気だとすれば、ようやくそのことに気づきはじめたのでしょうか。
モミジバフウの子供
竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube
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南シナ海の中国とASEAN諸国との権益問題に米政府が関与してきたことで、アジア回帰の色があせていたオバマ政権と、中国との関係が再び対峙する方向へ戻るのでしょうか。
米中で再燃する南シナ海問題 (2/18 産経 【日々是世界 国際情勢分析】)
南シナ海の権益をめぐる中国の主張が、米中間の争点に再浮上している。これまで直接的な批判を避けてきた米政府高官が、中国の主張の根拠とされる「九段線」の法的な位置付けを明確にするよう中国側に求めたためだ。中国側は激しく反発、14日のケリー米国務長官の訪中でも議論の応酬となったもようだ。
九段線は、中国で発行される地図に描かれた南シナ海のほぼ全域を囲む破線で、1947年12月に中華民国が作成した地図に初めて登場した。2012年末には、中国の新旅券にも描かれていることが判明し、ベトナムやフィリピンが抗議した経緯がある。中国政府はこの九段線について、明確な説明を避けてきた。
ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は5日、米議会下院外交委員会アジア・太平洋小委員会の公聴会で、「(島嶼(とうしょ)など)陸域の領有に基づかない、九段線によるいかなる海洋権益の主張も国際法に合致しない」と述べた上で、中国に対し、九段線の国際法上の位置付けを明示するよう求めた。この証言を受け、ベーダー元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は6日、所属するブルッキングス研究所のサイトに論考を発表。「米国政府が初めて、九段線が国際法に反するという明示的な声明を公表した」と解説した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)も11日付の社説で、「ラッセル氏の証言は、米国が北京の挑発行動を何の疑いもなく受け入れることはないという重要な指標だ」と強調した。
一方、中国側はラッセル氏の発言について、外務省の洪磊報道官が8日、「建設的な行為ではなく、米国に理性的で公平な態度を取るよう求める」と反発。共産党の機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(電子版)も14日、政府系シンクタンク、南海研究院の呉士存院長の「九段線の法的地位の否定を許さない」と題する寄稿を掲載した。呉氏は「九段線は1994年に発効した国連海洋法条約より40年以上前に出現している」とした上で、九段線の法的な位置付けを海洋法条約に合致するよう求めることは「法の不遡及(そきゅう)という国際法の基本原則に反する」と独自の論理で反論した。
九段線は、14日のケリー米国務長官の訪中でも取り上げられたようだ。ケリー氏は記者会見で、南シナ海問題で「より穏健で法の支配の原則に基づいた枠組みを構築する必要性について懸念を表明した」と述べた。ただ、実際の会談でケリー氏がどこまで明確に主張したかは分からない。環球時報(同)は15日の社説で、ケリー氏が王毅外相との会談で「米国に中国を封じ込める意図はない」と述べたことを強調し、「歓迎と観察に値する」と牽制(けんせい)した。こうした米中の駆け引きについて、ウォールストリート・ジャーナルの11日付社説は「中国の周辺国は、米国がレトリックを行動で裏付けるのか懸念している」と指摘している。
南シナ海の権益をめぐる中国の主張が、米中間の争点に再浮上している。これまで直接的な批判を避けてきた米政府高官が、中国の主張の根拠とされる「九段線」の法的な位置付けを明確にするよう中国側に求めたためだ。中国側は激しく反発、14日のケリー米国務長官の訪中でも議論の応酬となったもようだ。
九段線は、中国で発行される地図に描かれた南シナ海のほぼ全域を囲む破線で、1947年12月に中華民国が作成した地図に初めて登場した。2012年末には、中国の新旅券にも描かれていることが判明し、ベトナムやフィリピンが抗議した経緯がある。中国政府はこの九段線について、明確な説明を避けてきた。
ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は5日、米議会下院外交委員会アジア・太平洋小委員会の公聴会で、「(島嶼(とうしょ)など)陸域の領有に基づかない、九段線によるいかなる海洋権益の主張も国際法に合致しない」と述べた上で、中国に対し、九段線の国際法上の位置付けを明示するよう求めた。この証言を受け、ベーダー元米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は6日、所属するブルッキングス研究所のサイトに論考を発表。「米国政府が初めて、九段線が国際法に反するという明示的な声明を公表した」と解説した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)も11日付の社説で、「ラッセル氏の証言は、米国が北京の挑発行動を何の疑いもなく受け入れることはないという重要な指標だ」と強調した。
一方、中国側はラッセル氏の発言について、外務省の洪磊報道官が8日、「建設的な行為ではなく、米国に理性的で公平な態度を取るよう求める」と反発。共産党の機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(電子版)も14日、政府系シンクタンク、南海研究院の呉士存院長の「九段線の法的地位の否定を許さない」と題する寄稿を掲載した。呉氏は「九段線は1994年に発効した国連海洋法条約より40年以上前に出現している」とした上で、九段線の法的な位置付けを海洋法条約に合致するよう求めることは「法の不遡及(そきゅう)という国際法の基本原則に反する」と独自の論理で反論した。
九段線は、14日のケリー米国務長官の訪中でも取り上げられたようだ。ケリー氏は記者会見で、南シナ海問題で「より穏健で法の支配の原則に基づいた枠組みを構築する必要性について懸念を表明した」と述べた。ただ、実際の会談でケリー氏がどこまで明確に主張したかは分からない。環球時報(同)は15日の社説で、ケリー氏が王毅外相との会談で「米国に中国を封じ込める意図はない」と述べたことを強調し、「歓迎と観察に値する」と牽制(けんせい)した。こうした米中の駆け引きについて、ウォールストリート・ジャーナルの11日付社説は「中国の周辺国は、米国がレトリックを行動で裏付けるのか懸念している」と指摘している。
「九段線」という、EEZとも領海線とも判断がつかない、国際法を無視した中国の勝手な言い分は、次の四つが論拠だと書いているものもあります。(李国強氏についてはよく把握していませんので、一説の参考資料としてご覧ください)
中国と周辺国家の海上国境問題 山東大学国際教育センター副所長 李国強
<前略>
1947年12月1日、中華民国の内政省地域局が作成し、国民政府が議決・公布した『南シナ海諸島新旧名称対照表』及び『南シナ海諸島位置図』には、11段のU字線が描かれていた。
1943年以降、中国地図では11段線が9段線に書き直された。南シナ海の9の破線は「断続線」、「九段線」、「U字線」など多くの名称が与えられている。この線に対する法的解釈は多く存在するが、概ね以下の4つがある。
第1の理解は「島嶼帰属の線」とするものである。すなわち、線内の島嶼及び周辺海域は中国に属しており、中国がこれを管轄し、統制する。この説によれば、法的には、線内の島嶼、暗礁、岩石、砂洲、環礁などが中国の主権管轄下にあるが、線内水域の法的地位は線内の島嶼及び群島の法的地位によって決められるため、法そのものは「帰属線」に関係がない。この説によれば、九段線は「中国は南沙群島及び周辺海域に対する議論の余地がない主権を有する」という中国政府の旧来の立場と一致するとみなされる。
第2の理解は「歴史的な権利の範囲」である。すなわち、線内の島、礁、浅瀬、砂洲は中国領土であり、内水以外の海域は排他的経済水域と大陸棚となる。中国は、島、礁、浅瀬、砂洲の主権及び海域にあるすべての自然資源の主権権利を含む線内の歴史的権利を求める。海域は法的には排他的経済水域に相当し、他国による航行、上空通過、海底ケーブル及びパイプラインの敷設など、3つの活動の自由は確保される。
第3の理解は「歴史的な水域線」とする。すなわち、中国は線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域の歴史的権利を有するのみならず、線内のすべての海域が中国の歴史的な水域とされる。当該水域において外国船舶は許可なしで航行、通過することができない。台湾の学者の多くがこの説を支持する。
第4の理解は「伝統疆界線(国境線)」である。すなわち、線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域は中国に属しており、線外の区域は公海または他国に属する。当線は断続しした国境線、すなわち、未画定ではあるが、国境線を基に描かれたもの、「中国と外国との境界」を示している。線内は中国領、線外は隣国領あるいは公海となる。また、当線は中国と隣国の中間線に位置し、南シナ海諸島の範囲あるいは外部との境界を表示している。
中国学界では「九段線」の法的な地位に対する認識が完全に一致しているわけではないが、「九段線」は中国の歴史的な発展のもとで形成され、近代以来の中国人民の南シナ海での活動範囲に対する認識を反映している。中国の地図が作成された当時の基本的な規範から考えれば、この「U字線」は「断続国境線」であると確認できる。
「断続線」による中国の南シナ海における権利は、40年前、すなわち、国連海洋法条約の成立前に形成され、公認されたものである。従って、新しい海洋法制度の確立が、一国の旧来の権利を否定することはできない。国連海洋法条約が、排他的経済水域及び大陸棚の海洋に関する権益に対する主張あるいは画定する権利を沿海国に付与したことを根拠として、中国が有する南シナ海における歴史的な権利を否定することはできない。
<後略>
<前略>
1947年12月1日、中華民国の内政省地域局が作成し、国民政府が議決・公布した『南シナ海諸島新旧名称対照表』及び『南シナ海諸島位置図』には、11段のU字線が描かれていた。
1943年以降、中国地図では11段線が9段線に書き直された。南シナ海の9の破線は「断続線」、「九段線」、「U字線」など多くの名称が与えられている。この線に対する法的解釈は多く存在するが、概ね以下の4つがある。
第1の理解は「島嶼帰属の線」とするものである。すなわち、線内の島嶼及び周辺海域は中国に属しており、中国がこれを管轄し、統制する。この説によれば、法的には、線内の島嶼、暗礁、岩石、砂洲、環礁などが中国の主権管轄下にあるが、線内水域の法的地位は線内の島嶼及び群島の法的地位によって決められるため、法そのものは「帰属線」に関係がない。この説によれば、九段線は「中国は南沙群島及び周辺海域に対する議論の余地がない主権を有する」という中国政府の旧来の立場と一致するとみなされる。
第2の理解は「歴史的な権利の範囲」である。すなわち、線内の島、礁、浅瀬、砂洲は中国領土であり、内水以外の海域は排他的経済水域と大陸棚となる。中国は、島、礁、浅瀬、砂洲の主権及び海域にあるすべての自然資源の主権権利を含む線内の歴史的権利を求める。海域は法的には排他的経済水域に相当し、他国による航行、上空通過、海底ケーブル及びパイプラインの敷設など、3つの活動の自由は確保される。
第3の理解は「歴史的な水域線」とする。すなわち、中国は線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域の歴史的権利を有するのみならず、線内のすべての海域が中国の歴史的な水域とされる。当該水域において外国船舶は許可なしで航行、通過することができない。台湾の学者の多くがこの説を支持する。
第4の理解は「伝統疆界線(国境線)」である。すなわち、線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域は中国に属しており、線外の区域は公海または他国に属する。当線は断続しした国境線、すなわち、未画定ではあるが、国境線を基に描かれたもの、「中国と外国との境界」を示している。線内は中国領、線外は隣国領あるいは公海となる。また、当線は中国と隣国の中間線に位置し、南シナ海諸島の範囲あるいは外部との境界を表示している。
中国学界では「九段線」の法的な地位に対する認識が完全に一致しているわけではないが、「九段線」は中国の歴史的な発展のもとで形成され、近代以来の中国人民の南シナ海での活動範囲に対する認識を反映している。中国の地図が作成された当時の基本的な規範から考えれば、この「U字線」は「断続国境線」であると確認できる。
「断続線」による中国の南シナ海における権利は、40年前、すなわち、国連海洋法条約の成立前に形成され、公認されたものである。従って、新しい海洋法制度の確立が、一国の旧来の権利を否定することはできない。国連海洋法条約が、排他的経済水域及び大陸棚の海洋に関する権益に対する主張あるいは画定する権利を沿海国に付与したことを根拠として、中国が有する南シナ海における歴史的な権利を否定することはできない。
<後略>
この「第2の理解」で登場する「大陸棚の延長」が、中国の南シナ海でのEEZの主張という説が多かったと記憶していました。
現に、ベトナムとの領海交渉では大陸棚を前面に出していましたし、東シナ海のガス田開発でのEEZの境界線を巡る主張も「大陸棚延長」論で、日本の「中間線」の主張と対立していることは、諸兄がご承知の通りです。
「九段線」は、断続線による隣国や公海との境(断続国境線)という概念も、国際的には理解不能な勝手な解釈です。
「九段線」は、国際海洋法条約より古くから制定していたので、国連海洋法条約が、排他的経済水域及び大陸棚の海洋に関する権益に対する主張あるいは画定する権利を沿海国に付与したことを根拠として、中国が有する南シナ海における歴史的な権利を否定することはできないと言いながら、「第2の理解」では大陸棚論も登場しているのも矛盾。
国連海洋法条約を否定しながら、東シナ海では大陸棚延長申請を大陸棚限界委員会に提出するという、ちゃっかり姿勢は中国らしいところ。つまり、中国が国際的に信頼を勝ち取れない所以。
大陸棚の延長とは何か?|大陸棚限界委員会に対する各国の申請状況|中国および韓国の申請(2012年)
WSJは、上記の記事で言う社説とは他にも中国に警告する社説を書いています。
【社説】中国は威嚇行為の危険性自覚すべき―近隣国いじめは戦略上の過ち - WSJ.com
<前略>
中国は、南シナ海で自国の軍艦が先週、米国のミサイル巡洋艦「カウペンス」と衝突しそうになった際、航行の自由を制限する意向をあらためて示した。この海域では09年に中国の民兵船が米国の音響測定艦「インペッカブル」の進路を妨害。01年には中国のジェット戦闘機が、武装していない米国の偵察機と衝突した。
世界が第一次世界大戦前のドイツから学んだように、強大なパワーの出現は常に危険をはらむ。中国の新指導部は、危ういほどこの歴史を知らないように見える。自らの攻撃的な行為が周辺諸国を反中国で結束させかねないという自覚が足りない。中国はこうしたことをすぐに理解した方が身のためだ。
<前略>
中国は、南シナ海で自国の軍艦が先週、米国のミサイル巡洋艦「カウペンス」と衝突しそうになった際、航行の自由を制限する意向をあらためて示した。この海域では09年に中国の民兵船が米国の音響測定艦「インペッカブル」の進路を妨害。01年には中国のジェット戦闘機が、武装していない米国の偵察機と衝突した。
世界が第一次世界大戦前のドイツから学んだように、強大なパワーの出現は常に危険をはらむ。中国の新指導部は、危ういほどこの歴史を知らないように見える。自らの攻撃的な行為が周辺諸国を反中国で結束させかねないという自覚が足りない。中国はこうしたことをすぐに理解した方が身のためだ。
習近平の中国は、まさにナチスドイツの再来の新帝国主義の国家です。
欧米各国は、遠い東の地の果ての出来事と考えていると、あるひ突然被害が及ぶことになります。
米国政府の南シナ海回帰が本気だとすれば、ようやくそのことに気づきはじめたのでしょうか。
モミジバフウの子供
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16.1%の高い伸びとなりました。
また、北京は東京を抜いて世界500大企業
の本社数、48社で、世界一となりました。