
習近平が、今年秋に、5年に 1度開かれる共産党大会で、定年を無視した 3期目の就任に向け準備を整えていることは衆知のことです。
毛沢東の独裁が産んだ弊害の再発防止に、中国経済の今日の発展の礎を築いた鄧小平が定めた集団指導体制と定年制度。これを崩す習近平。
反習近平派の、鄧小平の流れを継ぐ共青団派も封じ込められていますが、そのトップの李克強は、定年を順守。
習近平を止める人物は出ないのかと思っていましたが、党の長老の間で、習主席への権力集中への懸念が広まっているなか、朱鎔基元首相ら引退した共産党幹部らが、3期目入りを目指していることについて、反対する意向を顕しているのだそうです。
朱鎔基という人は、首相を務めた1998~2003年、国有企業改革を推進して市場経済化を加速した。01年には世界貿易機関(WTO)への加盟も果たしているのだそうです。
中国の人に「朱鎔基はどんな人?」と聞くと、「100年に 1人の政治家」と言う。国民の多くから尊敬されているのだと。
ご本人は「生きている間は改革を徹底的にやる。私に対してどんな反発があってもかまわない。その代わり、私が死んで墓に入ったら、静かに眠らせてくれ」と正論を通す人。
政治家引退後は長い間沈黙を保っていたが、李克強首相でさえ 2期で退任するのに自分だけは 3期以上やってもいいと思っている習近平〝永久皇帝〟に対し、突如疑問を呈したのだそうです。
93歳という年齢を考えると、この意見が広がるのは難しいかなと思うが、朱氏の発言なら影響があるかもしれないという期待もある。「権力を集中させるのはよくない」という「正論」を中国で久しぶりに聞いた感じがすると大前氏。
ゼロコロナを目指し、感染地域封鎖を徹底する習近平。ゼロコロナを徹底できなかった自治体の長には責任を問うている例は、諸兄がご承知の通りです。
腐敗の責任は問われても仕方ないが、コロナ患者が出たから責任を問うなんて言っている習近平〝永久皇帝〟、ちょっと踏み外しているように思えると大前氏。
ウクライナに戦争犯罪と言われる侵略をして、世界世論から批難を浴びているプーチン大統領。ソ連時代や帝政ロシア時代への復帰を目指していると言われています。
かたや、中華の夢を追い、米国との覇権争いを挑む習近平。毛沢東時代の国共内戦で台湾に逃れた国民党(今では媚中・中国統一派に転身。与党は民進党)の台湾を統合して、国共内戦の勝利を完遂し毛沢東越えを果たしたい習近平。
プーチンへの世界世論の大バッシングを見て、近いうちの台湾武力侵攻での併合を一時延期、プーチン政権への表立った支援の手控えをしている様子の報道に接します。
プーチンも、間に傀儡大統領のメドベージェフ氏を挟んだり、大統領任期法改定したりで、大統領職を続けてきていますが、今回のウクライナ侵攻は、命取りになりかねない。
習近平の独裁房総への、朱鎔基等の引退した共産党幹部が、鄧小平の流れを汲む共青団派を盛り立てるなど、習近平の暴走を阻止できるか、淡いきたいですが注視を続けたいですね。
李克強氏の後任に、ポスト習近平候補とも言われる、共青団派のホープ・胡春華副首相の首相就任が成る可能性は?
中国・李首相、後継人事に焦点 習氏側近や元副首相浮上: 日本経済新聞
胡春華(フー・チュンホア)副首相も名前があがる。実務能力の高さは定評があるが、習氏との溝を指摘する声は多い。胡氏の首相就任は習氏の権力の相対的な低下を意味しかねない。
# 冒頭の画像は、次期首相候補の左から李強氏、汪洋氏、胡春華氏

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毛沢東の独裁が産んだ弊害の再発防止に、中国経済の今日の発展の礎を築いた鄧小平が定めた集団指導体制と定年制度。これを崩す習近平。
反習近平派の、鄧小平の流れを継ぐ共青団派も封じ込められていますが、そのトップの李克強は、定年を順守。
習近平を止める人物は出ないのかと思っていましたが、党の長老の間で、習主席への権力集中への懸念が広まっているなか、朱鎔基元首相ら引退した共産党幹部らが、3期目入りを目指していることについて、反対する意向を顕しているのだそうです。
【大前研一のニュース時評】朱鎔基・中国元首相ら習氏の3期目に反対…久しぶりに聞いた中国での「正論」 権力集中に懸念〝永久皇帝〟に疑問呈す - zakzak:夕刊フジ公式サイト 2022.3/27
米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、中国の朱鎔基元首相ら引退した共産党幹部らが、習近平国家主席が今年後半の共産党大会で3期目入りを目指していることについて、反対する意向だという。
中国では建国の父の毛沢東が独裁を強めた結果、経済政策の失敗などの弊害が生じたため、鄧小平が最高指導者だった時代に集団指導体制が構築された。それを経験した党の長老の間で、習主席への権力集中への懸念が広まっていることが背景にある。
これは結構重い出来事だ。朱鎔基という人は、首相を務めた1998~2003年、国有企業改革を推進して市場経済化を加速した。01年には世界貿易機関(WTO)への加盟も果たしている。
首相になる前は中国人民銀行の行長も歴任した。中国の経済発展に大きな貢献をした。習主席は国有企業の活動を後押しする一方、民間企業には統制を強めている。この政策にも言いたいことがあったのだろう。
中国の人に「朱鎔基はどんな人?」と聞くと、「100年に1人の政治家」と言う。国民の多くから尊敬されている。「生きている間は改革を徹底的にやる。私に対してどんな反発があってもかまわない。その代わり、私が死んで墓に入ったら、静かに眠らせてくれ」と正論を通す人だった。
政治家引退後は長い間沈黙を保っていた。その間、娘の朱燕来氏が香港で親の七光で中国銀行の総裁補佐に就任したという噂が10年くらい前に流されたことはあったが…。
その朱鎔基元首相が、李克強首相でさえ2期で退任するのに自分だけは3期以上やってもいいと思っている習近平〝永久皇帝〟に対し、突如疑問を呈したわけだ。
93歳という年齢を考えると、この意見が広がるのは難しいかなと思うが、朱氏の発言なら影響があるかもしれないという期待もある。「権力を集中させるのはよくない」という「正論」を中国で久しぶりに聞いた感じがする。
当の習主席はこの期に及んでも「ゼロコロナ」政策を推進している。ゼロコロナは経済活動や市民生活を犠牲にしても新型コロナの市中感染を抑え込むというもの。
しかし、中国の国家衛生健康委員会によると、中国本土で18日に確認された新型コロナの新たな市中感染者は、無症状を含めて3870人だったという。2月中旬までは1日数十から200人台を推移していたのが、急拡大している。このうち約6割が吉林省で確認されている。
で、ゼロコロナを推進するあまり、11日からの吉林省長春市に続き、広東省深圳市でも14日から20日までロックダウン(都市封鎖)に入っていた。
重症化率が低いとはいえ、オミクロン株のような感染が広がりやすいウイルスに対して、ゼロコロナなんて唱えるのは、平清盛が沈む太陽に対して扇子であおいで戻そうというのと同じこと。重力に逆らっているようなものだ。
さらに、「ゼロコロナを徹底できなかった自治体の長には責任を問う」とも言っている。1日数万人規模の感染を繰り返す米国や欧州の国々に対して、共産党独裁の正当性をアピールできると思っているからだろう。
腐敗の責任は問われても仕方ないが、コロナ患者が出たから責任を問うなんて言っている習近平〝永久皇帝〟、ちょっと踏み外しているように思える。この人の頭はすでに「プーチン化」しているのではないか。
■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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大前 研一は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
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米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、中国の朱鎔基元首相ら引退した共産党幹部らが、習近平国家主席が今年後半の共産党大会で3期目入りを目指していることについて、反対する意向だという。
中国では建国の父の毛沢東が独裁を強めた結果、経済政策の失敗などの弊害が生じたため、鄧小平が最高指導者だった時代に集団指導体制が構築された。それを経験した党の長老の間で、習主席への権力集中への懸念が広まっていることが背景にある。
これは結構重い出来事だ。朱鎔基という人は、首相を務めた1998~2003年、国有企業改革を推進して市場経済化を加速した。01年には世界貿易機関(WTO)への加盟も果たしている。
首相になる前は中国人民銀行の行長も歴任した。中国の経済発展に大きな貢献をした。習主席は国有企業の活動を後押しする一方、民間企業には統制を強めている。この政策にも言いたいことがあったのだろう。
中国の人に「朱鎔基はどんな人?」と聞くと、「100年に1人の政治家」と言う。国民の多くから尊敬されている。「生きている間は改革を徹底的にやる。私に対してどんな反発があってもかまわない。その代わり、私が死んで墓に入ったら、静かに眠らせてくれ」と正論を通す人だった。
政治家引退後は長い間沈黙を保っていた。その間、娘の朱燕来氏が香港で親の七光で中国銀行の総裁補佐に就任したという噂が10年くらい前に流されたことはあったが…。
その朱鎔基元首相が、李克強首相でさえ2期で退任するのに自分だけは3期以上やってもいいと思っている習近平〝永久皇帝〟に対し、突如疑問を呈したわけだ。
93歳という年齢を考えると、この意見が広がるのは難しいかなと思うが、朱氏の発言なら影響があるかもしれないという期待もある。「権力を集中させるのはよくない」という「正論」を中国で久しぶりに聞いた感じがする。
当の習主席はこの期に及んでも「ゼロコロナ」政策を推進している。ゼロコロナは経済活動や市民生活を犠牲にしても新型コロナの市中感染を抑え込むというもの。
しかし、中国の国家衛生健康委員会によると、中国本土で18日に確認された新型コロナの新たな市中感染者は、無症状を含めて3870人だったという。2月中旬までは1日数十から200人台を推移していたのが、急拡大している。このうち約6割が吉林省で確認されている。
で、ゼロコロナを推進するあまり、11日からの吉林省長春市に続き、広東省深圳市でも14日から20日までロックダウン(都市封鎖)に入っていた。
重症化率が低いとはいえ、オミクロン株のような感染が広がりやすいウイルスに対して、ゼロコロナなんて唱えるのは、平清盛が沈む太陽に対して扇子であおいで戻そうというのと同じこと。重力に逆らっているようなものだ。
さらに、「ゼロコロナを徹底できなかった自治体の長には責任を問う」とも言っている。1日数万人規模の感染を繰り返す米国や欧州の国々に対して、共産党独裁の正当性をアピールできると思っているからだろう。
腐敗の責任は問われても仕方ないが、コロナ患者が出たから責任を問うなんて言っている習近平〝永久皇帝〟、ちょっと踏み外しているように思える。この人の頭はすでに「プーチン化」しているのではないか。
■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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大前 研一は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
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朱鎔基という人は、首相を務めた1998~2003年、国有企業改革を推進して市場経済化を加速した。01年には世界貿易機関(WTO)への加盟も果たしているのだそうです。
中国の人に「朱鎔基はどんな人?」と聞くと、「100年に 1人の政治家」と言う。国民の多くから尊敬されているのだと。
ご本人は「生きている間は改革を徹底的にやる。私に対してどんな反発があってもかまわない。その代わり、私が死んで墓に入ったら、静かに眠らせてくれ」と正論を通す人。
政治家引退後は長い間沈黙を保っていたが、李克強首相でさえ 2期で退任するのに自分だけは 3期以上やってもいいと思っている習近平〝永久皇帝〟に対し、突如疑問を呈したのだそうです。
93歳という年齢を考えると、この意見が広がるのは難しいかなと思うが、朱氏の発言なら影響があるかもしれないという期待もある。「権力を集中させるのはよくない」という「正論」を中国で久しぶりに聞いた感じがすると大前氏。
ゼロコロナを目指し、感染地域封鎖を徹底する習近平。ゼロコロナを徹底できなかった自治体の長には責任を問うている例は、諸兄がご承知の通りです。
腐敗の責任は問われても仕方ないが、コロナ患者が出たから責任を問うなんて言っている習近平〝永久皇帝〟、ちょっと踏み外しているように思えると大前氏。
ウクライナに戦争犯罪と言われる侵略をして、世界世論から批難を浴びているプーチン大統領。ソ連時代や帝政ロシア時代への復帰を目指していると言われています。
かたや、中華の夢を追い、米国との覇権争いを挑む習近平。毛沢東時代の国共内戦で台湾に逃れた国民党(今では媚中・中国統一派に転身。与党は民進党)の台湾を統合して、国共内戦の勝利を完遂し毛沢東越えを果たしたい習近平。
プーチンへの世界世論の大バッシングを見て、近いうちの台湾武力侵攻での併合を一時延期、プーチン政権への表立った支援の手控えをしている様子の報道に接します。
プーチンも、間に傀儡大統領のメドベージェフ氏を挟んだり、大統領任期法改定したりで、大統領職を続けてきていますが、今回のウクライナ侵攻は、命取りになりかねない。
習近平の独裁房総への、朱鎔基等の引退した共産党幹部が、鄧小平の流れを汲む共青団派を盛り立てるなど、習近平の暴走を阻止できるか、淡いきたいですが注視を続けたいですね。
李克強氏の後任に、ポスト習近平候補とも言われる、共青団派のホープ・胡春華副首相の首相就任が成る可能性は?
中国・李首相、後継人事に焦点 習氏側近や元副首相浮上: 日本経済新聞
胡春華(フー・チュンホア)副首相も名前があがる。実務能力の高さは定評があるが、習氏との溝を指摘する声は多い。胡氏の首相就任は習氏の権力の相対的な低下を意味しかねない。
# 冒頭の画像は、次期首相候補の左から李強氏、汪洋氏、胡春華氏

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