遊爺雑記帳

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米露会談 プーチン氏が狙っているのは「新ヤルタ体制」 それでも露は斜陽国家

2017-01-30 23:58:58 | my notice
 トランプ大統領は、就任後英国のメイ首相と面談しましたが、各国首脳との電話会談を続けています。順番は地域(テーマ)グループ順との解説がありますが、どうなのでしょう。中国は未だ予定されていないのも面白い。
 プーチン大統領との面談が注目されましたが、プーチン氏の狙いは、露米英の「新ヤルタ体制」だが、露が斜陽国であることは変わらないと説くのは、産経・モスクワ特派員の遠藤良介氏。
 

露「新ヤルタ体制」狙う (1/30 産経)

 米露首脳は電話会談で、シリアでのIS打倒のために「真の協調」を進めることで一致
した。プーチン氏はシリアに軍事介入した当初から、米露が「対テロ連合」を組むべきだと訴えており、トランプ氏が歩み寄った形だ。
 
プーチン氏が狙っているのは、「新ヤルタ体制」とも呼べる、大国が「勢力圏」を分割する外交だ。アサド政権を支援するロシアがシリアで空爆を開始した2015年9月、プーチン氏は国連総会での演説で、「ヤルタ会談(1945年2月)で生まれた体制は世界を激震から守った」と述べている。米英ソが会談で第二次大戦後の国際秩序を取り決めたことが、世界に安定をもたらした-という思考回路
だ。

 ロシアによるウクライナやシリアへの介入も、ロシアの「勢力圏」や「利益」を米国に認めさせるのが目的だった。
大戦でのナチス・ドイツ同様にISを「共通の敵」
と位置づけ、ウクライナや米ミサイル防衛(MD)などの問題で取引を進める方針とみられる。

 ただ、シリア問題ひとつとっても、米露だけで片付く問題とは到底いえない。
トランプ政権の対露接近が中国を念頭に置いたものであることもロシアの立場を難しくすることは確実だ。 (モスクワ 遠藤良介)

 アメリカ・イギリス・フランス・ソ連の4カ国によるドイツの分割統治やポーランドの国境策定、東欧諸国の戦後処理を取り決めたヤルタ協定、米・ルーズベルト、英・チャーチル、ソ連・スターリンの密約で決められた日ソ中立条約の一方的破棄によるソ連参戦といった大戦の枠組みと戦後処理が勧められたのでした。
 力による現状変更で、G7他から制裁を受け孤立しているロシアのプーチン大統領が、ブレグジットでEUを離脱する英国と、TPP離脱を表明、NAFTAの見直しも公言するなど、多国間自由貿易を離脱する米国と、孤立化指向国家同志、昔のよしみでまとまろうというプーチン大統領の発想!?
 

上げ潮の露、「斜陽国家」は変わらず モスクワ支局長・遠藤良介 (1/30 産経 【視線】)

 
ロシアのプーチン政権が、国外で軍事力を行使したのは3度を数える。まず、2008年のジョージア(グルジア)との紛争。次に、14年のウクライナ南部クリミア半島併合と同国東部への軍事介入。そして、15年9月からのシリア・アサド政権を支援する空爆作戦だ。「勢力圏」と「米国の臭い」というキーワードが、この3つを結びつける。
 ジョージア紛争は、「バラ革命」で発足した親欧米派、サーカシビリ政権との緊張が高まる中で起きた。ウクライナにも、大規模デモで親露派政権が崩壊した状況で介入した。プーチン政権は、この両国で親欧米派政権を発足させた政変も、シリア内戦に火をつけた「アラブの春」も、米国が「民主主義の輸出」を図って糸を引いたと勘ぐっている。プーチン政権にとって、「勢力圏」と考えるジョージアやウクライナ、あるいは「中東の橋頭堡(きょうとうほ)」であるシリアに、民主主義が根付いたり、親欧米政権ができたりするのは許しがたいことなのだ。

 米国にトランプ大統領が誕生した今、プーチン政権はかねての望みにずいぶん近づいたといえる。トランプ氏はシリア内戦について、アサド政権打倒をめざすよりも、「テロリズムとの戦い」でロシアと協力すべきだとしている。また、クリミア併合に理解を示すような発言をし、対露制裁を緩和する可能性にも言及してきた。ロシアの「勢力圏」については放任する-とも解釈できるのだ。

 
トランプ政権が「米国第一主義」を掲げ、欧州連合(EU)も身内の問題に忙殺される間隙(かんげき)を突き、ロシアはシリア和平問題で主導権を取りに出ている。中東情勢の鍵を握る大国として、米国をしのぐ存在感さえ見せ始めた


 しかし、実際の国力という点ではどうか。マクロ経済の数字の話は後にして、国民福祉に関する事例を2つ紹介する。
 ロシアではアルコールを含む安価な化粧品などを酒の代用として飲み、死亡する人が年間1万4千人超にのぼる。地方を中心に、人々が生活に展望を持てず、鬱屈感からアルコールに依存している実態が根底にある。酒税が課されているウオッカを買えず、“代用酒”に手を出す貧困層が多いということでもある。
人口約1億4千万人で日本とさして変わらず、人口減の歯止めが国家課題
とされているにもかかわらず、このありさまだ。
 ロシアでのエイズウイルス(HIV)の流行も問題だ。同国のHIV感染者は累計108万人で、人口に占める比率は欧州連合(EU)の約3倍。HIV蔓延(まんえん)の深刻なアフリカ諸国などでは感染拡大が抑えられているのに対し、ロシアでは昨年の新規感染者が約10万人にのぼった。しかも、劣悪な医療体制ゆえに、感染者の3割しか治療を受けていない。専門家らはHIV対策には年1千億ルーブル(約1600億円)が必要だと指摘しているが、17年の予算で計上されているのは5分の1以下の170億ルーブルだ。

 
国際政治での存在感と同様、経済は上げ潮に乗っている。石油価格の持ち直しに制裁緩和の議論が加わり、昨年の通貨ルーブルは対ドルで2割近く上昇した。今年の国内総生産(GDP)は1・2%の成長に転じ、来年は1・5%増と予測されている。ただ、逆に言えば、新興国にもかかわらず、それだけの成長しか見込めない
ということだ。制裁が解除されても押し上げ効果は1%程度とされる。

 
ロシア経済は、制裁や石油価格の下落前から頭打ちが鮮明だった。地下資源に依存する国家主導型の経済が硬直化し、発展の原動力が失われたためだ。00~08年のような高度成長を再び達成するには、独立した司法など民主主義の仕組みを整え、投資環境を改善することが不可欠だが、プーチン政権が改革に本腰を入れる兆候はない。軍事力を駆使した国際的存在感が高まっても、ロシアが「斜陽国家」である事実は変わらなそうだ。(えんどう りょうすけ)

 世界にテロの恐怖を拡散する自称イスラム国対処で、世界の警察を放棄し、優柔不断な姿勢で拡大を許したオバマ政権。プーチン大統領は、その間隙に付け入って、主導権を確立しつつあります。
 そこへ、露とは事情が違うのですが、米英の孤立化。かねて制裁の輪を崩したかったプーチンには、追い風の団結の輪の綻び。百戦練磨の策士プーチン大統領が、このチャンスを逃さじと動くのは当然ありうる話ですね。

 ただ、ヤルタ協定のころの米英露は成長期に向かう世界のリーダーでしたが、現象は経済成長鈍化で内に格差社会問題を抱え孤立化するなどの病める国。昔とは勢いが違います
 わけてもロシアの台所の困窮度は、火の車状態。石油価格の持ち直しで一服しているとはいえ、資源輸出依存の経済体制に変わりはありませんので、「斜陽国家」からの脱却は見込み薄。

 ただ、政権交代をし、孤立化に向かう中で、立て直しが急務の米英。新たな枠組みのパートナーを模索しているのは必然。そこで、同床異夢ながらも、プーチン氏の提唱に連携する可能性はないとは言えないですね。

 ヤルタ密約の様に、日本が餌食にされることが無い様、転ばぬまえの杖を用意しておく必要はありますね。

 メイ首相は、トランプ大統領のイスラム教徒(7カ国)の入国拒否大統領令には賛同しない姿勢を表明しています。鉄の女・サッチャーさんを彷彿させられます。
 トランプvsアメリカが始まった?──イスラム教徒入国禁止令の合憲性をめぐって | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト



 # 冒頭の画像は、米国時間の1月27日に会談した、トランプ大統領と、メイ首相




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