内容は、諸兄がご承知のもので、遊爺も触れてきたものですが、整理する意味で、しつこいのですがまた取り上げました。
ぶれるオバマ政権の姿勢が、中国につけいる隙を産んでいるという話です。
「地域の安定にとって非常に挑戦的だ」
中国を訪問したケリー米国務長官は14日、習近平国家主席、王毅外相らとの一連の会談で、中国が東シナ海に続き、南シナ海での防空識別圏(ADIZ)設定にも意欲を見せていることをけん制した。
米オバマ政権は、軍事・経済分野を含めた外交政策の軸足をアジア太平洋地域に移す「リバランス(再均衡)」を提唱している。経済的に重要性を増す一方、中国の軍事力増強と挑発的な海洋活動により緊張が高まっている同地域への関与を強め、米国自身が安定と繁栄の果実を得ていこうという戦略だ。
ただ、日本や東南アジア諸国からは、リバランスの効果を疑問視する声が漏れている。なぜか。
オバマ政権の中枢から、方向性の異なるメッセージが発せられることがあるためだ。
「新しいタイプの大国関係を動かそうとしている。米中で利害が一致する問題では協力関係を深めていく」
スーザン・ライス米大統領補佐官(国家安全保障担当)は昨年11月20日、バイデン副大統領の東アジア歴訪(12月2~7日)を前にアジア政策について講演した際、こう述べた。中国が呼びかけた米中の「新たな大国関係」の構築を容認するかのような印象を与えたことは否めない。
中国はその直後の11月23日、尖閣諸島上空を含む東シナ海にADIZを設定し、日本への威圧を強めた。訪中したバイデン氏は、ADIZ設定に対する懸念を習氏に伝えはしたが、「あなたは率直かつ建設的に、(米国との)新しい関係を発展させようとしている」と述べるなど、「新たな大国関係」に何度も言及した。
英紙ガーディアン(電子版)は、バイデン氏の訪中について、「バイデン氏、(米中の)意見の違いを調整する習近平氏の手腕を称賛」と伝えた。
日本の外務省幹部は、「中国は、ライス氏の発言を聞いて、『バイデン氏の訪中前にADIZを設定しても、米国は強く出てこない』と読んだのだろう」と語り、オバマ政権のあいまいな対応が中国に付け入る隙を与えているとの見方を示す。在京の東南アジア外交筋も「中国の勝ちだ」と語る。
第2次オバマ政権になり、中国に厳しいメッセージを発してきたクリントン前国務長官やカート・キャンベル前国務次官補が政権を去った。クリントン氏の後継のケリー国務長官は、アジアよりも中東問題で成果を上げることに関心が強いという。オバマ大統領に外交政策を助言する立場のライス氏は、「アジアに詳しくない」(米政府筋)うえ、経済分野などで中国との協調を模索する意向とされる。
中山俊宏・青山学院大教授(米国政治外交)は、「米国はどちらか一方に付くという発想ではない。中国とも良好な関係を構築しながら、リスクに対して同盟国との関係を強化するという立場だ」と指摘したうえで、「オバマ政権のメッセージは、中核に何があるのか見えにくい」と苦言を呈する。
こうした米国の姿勢に、佐々江賢一郎駐米大使は1月29日、ワシントン市内のシンポジウムで、異例の注文を付けた。 「米国は、誰が友人で、誰をトラブルメーカーと考えているのかはっきりさせてほしい」
オバマ大統領は今年4月、日本やフィリピンなどアジア4か国を歴訪する。日本や東南アジア各国が抱く懸念を、自らの言葉で払拭することができるだろうか。
尖閣を日米安保の対象と、何度も明言し、中国包囲網構築では、オーストラリアを訪問したオバマ大統領と前後して、フットワーク良くミヤンマーを訪問し中国を牽制したクリントン国務長官時代は、ベトナム、フィリピンなどが関連国が連携して中国の脅威に対応する姿勢を、積極的に支援し、アジア回帰の明確な外交姿勢を示していましたね。
ところが、再選後の2期目のオバマ政権でのケリー長官になり、記事に書かれている様に、中東に注力し、アジアでは中国の"G2"の「新たな二大国関係」の仕掛けに乗る姿勢を示し始めています。
習近平が訪米した首脳会談で持ち出した時は、「日本という同盟国がある」と毅然として門前払いしたオバマ大統領でしたが、政権内にパンダハガーが増えて、方向がぶれ始めているのですね。
親中政策を採るのは、国内経済政策の柱で、輸出を拡大して雇用を増やすという政策があり、中国向け輸出を増やしたいからだとは、衆知のことですね。
政権内の親中政策については、ケリー長官を挙げる声が多かったと認識していましたが、最近、スーザン・ライス氏の存在が注目される様になったことは、記事でも触れられている通りです。
とは言え、ケリー長官の発言にある様に、最近の中国の言動には牽制する姿勢も示し、再びアジアへの配慮を強める兆しも見せています。
米政府高官が、中国に対し、南シナ海九段線の国際法上の位置付け明示を要求 - 遊爺雑記帳
安倍政権は、「防共回廊21世紀版」政策で、対中連携国造りに注力しています。
ぶれるオバマ政権の目指す先が見えないこと、記事の佐佐江駐米大使の発言の「米国は、誰が友人で、誰をトラブルメーカーと考えているのか」のご指摘の通りで、八方美人外交で、核心が見えない、外交力が低下したオバマ政権では、世界中で連携国を募ることが重要になります。
かつては世界の警察を自認する米国が仕切ってくれていて、日本はおんぶにだっこで追随すればよかったのですが、その役割を担えなくなり放棄するオバマ政権では、世界に仲間を募る安倍外交は、今後も推進拡大を期待します。
サンショウバラの実
竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube
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プルトニウム300㎏を返還してほしいと
いってきている。
アメリカが好意で貸したものだから、
返してほしいといえば、返すのが人の道。
いくら人のいいアメリカも怒ります。