遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

「懲りない日本」をあざ笑う露紙

2007-03-03 18:09:46 | EEZ 全般
 ロシアのフラトコフ首相が2月27日から2日間の日程で来日し、28日夕方には安倍首相と会談しました。
 フラトコフ首相の訪日にはフリステンコ産業エネルギー相や運輸相、情報技術・通信相も同行。特に産業エネルギー相は26日に来日し、石油天然ガス・金属鉱物資源機構主催の懇談会に参加、日本からは資源エネルギー庁長官や電力、石油、ガス、商社のトップらが出席し、ロシアは極東資源開発への投資を求め、いすゞ自動車の対露進出や、日露間の海底通信ケーブル敷設、モスクワのシェレメチェボ国際空港第3ターミナル建設などの投資案件がまとまったたそうです。
 日本側は、日本政府の意に反し、産出する天然ガス全量が中国に供給されそうな「サハリン1」の日本への輸出の可能性の言及にも期待をしているのだそうです。
 こんな日本を、露の日刊紙各紙による、日本経済界をあざ笑うかのような報道が目立っているのだそうです。
 涙が出てきそう...。
 
「懲りない日本」あざ笑う 露紙 「北方領土問題も解決不要」 (3/3 産経朝刊)
 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのフラトコフ首相が先月末に訪日したことに関連して、同国内では、極東の石油天然ガス開発事業「サハリン2」で痛手を被りながらも投資意欲を膨らます姿勢を「カミカゼ投資の日本」と揶揄(やゆ)するなど日本経済界をあざ笑うかのような報道が目立っている。北方領土問題でも解決は不要だとする論調が強まっている。

 「カミカゼ投資の日本」と題した記事を掲載したのは日刊紙ガゼータ。リスクが高く打撃を受けても、日本側が自滅的な投資に意欲的なのは「恐れを知らぬサムライ魂がまだ強いからだろう」と皮肉たっぷりに伝えた。

 日刊紙ベドモスチも1日、1面の「ロシアンルーレット」と題する記事でロシアの投資環境がリスクに満ちあふれた危険な状況にあると指摘した。それにもかかわらず、訪日したフラトコフ首相が「サハリン2」で大きな損失を被った日本側に「大きな利益がある」と言って、サハリンとロシア本土を結ぶトンネル建設や、国営石油ロスネフチと共同で石油精製工場を建設する計画を持ちかけたと報じた。

 日刊経済紙コメルサントは、フラトコフ首相が、ロシア国営企業が独占を進めるエネルギー分野ではなく、よりリスクが高く政府保証がない投資分野の案件を日本側に提案しているとして「日本の投資には(ロシア政府の)アフターサービスと保証は付かない」と報道した。

 これらの報道では、石油の高騰で経済力に自信を持ったロシア側が甘言をろうして日本側を欺こうとする姿勢が生々しく伝えられている。

 フラトコフ首相の訪日中、いすゞ自動車の対露進出や、日露間の海底通信ケーブル敷設、モスクワのシェレメチェボ国際空港第3ターミナル建設などの投資案件がまとまったと報じられており、日本からの対露投資額は今後さらに増えそうな勢いだ。

 領土問題についても独立新聞が「日本はクリール諸島(北方領土)のことを忘れた」と題する記事を掲載。北方領土問題は日本の対露投資にはもはや影響を及ぼさないと結論づけており、日本側の立場はますます厳しくなりそうだ。

 北方領土については、ロシア国営のイタル・タス通信が27日、ロシア政府筋の話として、訪日中のフラトコフ首相には日本との北方領土問題を協議する意思が全くないと報じ、露政府筋は「領土問題や平和条約が未締結であることは、経済貿易関係の発展に障害とはなっていない」との認識を示したとも報じているそうです。
 共産主義に戻ろうとしているのかどうか、国営化を強行に進める露に、政府保証の無い大型投資への参加(サハリン2より簡単に召し上げられてしまう)をしてくるのですから、国内開発誘致のカードとしていた領土はなくても日本企業が貢いでくれるのです。
 以前から、約束を守らない国だからと警鐘を鳴らしているのですが、露側にすれば、首相が挨拶しただけで、自殺行為で火に飛び込んでくるのですから、だます必用もなく、さすがに各紙が見かねて日本に警鐘を鳴らしてくれたのでしょう...。(涙、涙、涙)
 「カミカゼ投資の日本」「ロシアンルーレット」(6発全てロシアに没収?)とは、まさにぴったりの表現ですね。

 サハリン1についても、ロシア天然資源監督局のミトボリ局次長が、パイプライン敷設現場などで環境破壊が起きていないかどうか調査を開始すると発表しているそうです。(3/3 産経朝刊=3/1 国営ロシア通信など)
 米エクソンモービルと、日本政府・日本企業で60%の出資で、露側が40%の比率を強奪して逆転しようと、サハリン2で成功した同じ手口をいよいよ使い始めました。フラトコフ首相が訪日から帰国した直後の発表です。開いた口がふさがりません...。

 安倍首相は、北方領土問題を「自分がプーチン大統領とともに最終的に解決したい」と強い意欲をフラトコフ首相との会談で表明したそうですが、ここまで見下されている状況では、お父さんからの懸案との気持ちはわかりますが、壁は限りなく高くて厚いでしょう。
 いつも、何度も言うのですが、ロシアの資源を買うのを控え、投資も撤退し、カードが有効になる時期を待つべきです。鳴くまでまとうホトトギス。
 永久に鳴かなくても、鳴いても、資源が無くなる時の対策は、100年(もっと短い?)の国家のエネルギー安全保障策として必用なのですから、そちらに注力しましょう。

 パイプライン送油を7カ月以上も停止されたままのリトアニアは、EUの支援を得ながら、ポーランドなどと共闘してロシアに対抗していくのだそうです。

 勿論、政治対話は頻繁に行われるべきで、政治対話拡大のためイワノフ、メドベージェフ両第一副首相とセルジュコフ国防相の年内訪日と、麻生太郎外相の今年前半の訪露が決まったのは、歓迎すべき事ですし、麻生外相には、半分などとは二度と口にしないで、終戦のドサクサでの違法占領の北方領土の返還や、漁業規制について粘り強く身のある交渉をお願いします。

 こんな話もあります。
 イラク、イラン、北朝鮮問題で組み換わる新世界秩序の行方 - ビジネススタイル - nikkei BPnet

 余談ですが、同じ時期に、モンゴルのナンバリン・エンフバヤル大統領も来日していました。
 民主化を進めるナンバリン・エンフバヤル大統領は、「苦しいときの友は真の友」とのモンゴルの格言を引用して、日本からの経済支援に謝意を表明し、「日本は真の友」とし、国境を接する中国やロシアとの善隣関係は維持するものの、「現在はグローバル化の時代であり、国境を接しない国々との関係の発展は可能であり、日米両国のほか、アジア諸国や欧州連合(EU)との関係を強化する」と述べたそうです。(北朝鮮との関係は気がかりですが...。)



 

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1 コメント

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Unknown (やおよろず)
2007-03-05 03:28:00

 小泉政権下で、ロシア外交は大幅に後退したので、こんなもんでしょう。
 
 真紀子で大きく躓き、川口以下は無為無策。

 
>>麻生外相には、半分などとは二度と口にしないで、終戦のドサクサでの違法占領の北方領土の返還

 4島の真紀子路線は採らない方が賢明ですね。
 2島先行の方が実現性は高いと思います。

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