遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

インド洋から日の丸が去った日

2010-01-17 00:44:29 | EEZ 全般
 海上自衛隊のインド洋派遣部隊は15日午前(日本時間15日夕)、パキスタン艦艇「バブール」に洋上給油を行い、最後の任務を終え15日午後 7時(日本時間16日午前 0時)インド洋から去るべく日本へ向けての帰国の途につきました。
 同時に、戦後から脱却する日本の新しい国際貢献の形がひとつ消滅させられてしまいました。

 「バブール」は、洋上補給は初めてということで緊張を要する作業とのことでしたが、「慣れてはいないが、乗員の熱心さが伝わってくる。好感が持てるし、信頼できる」艦だったそうで、日本の補給艦「ましゅう」、護衛艦「いかづち」に敬意を表するため「君が代」を大音響で流しながら接近してきたのだそうです。
 そして無事給油が終了すると、「いかずち」が掲げた「Let’s get together again someday(いつかまた一緒にやろう)」との横断幕に、 「パブール」は日章旗を掲げ、「I WISH YOUR SAFE JOURNEY(安航を祈る)」と手旗信号を送り、補給艦「ましゅう」、護衛艦「いかづち」に別れを告げ、テロとの戦いの現場へ針路をとったのだそうです。
 「シーレーンは他国任せ 海自がインド洋から撤収」:イザ!
 
海自のインド洋給油終了、部隊は帰国の途に (1/16 読売朝刊)

 【補給艦「ましゅう」艦上(インド洋北部)=水野哲也】
<前略>
 最後の給油はインド洋北部アラビア海のオマーン沖で行われた。パキスタンの艦艇「バブール」が朝日を浴びながら、補給艦「ましゅう」の右後方に姿を現した。ゆっくりと進むバブールから「君が代」が聞こえてきた。給油終了後には日の丸を掲げ、「I wish you a safe journey(安全な航行を祈ります)」と手旗信号で海自艦に別れを告げ、テロとの戦いの現場へと針路を取った。

 鳩山政権は、給油ニーズの減少を活動終了の主な理由にあげる。今月の給油はこの1回だけ。だがその背景には、アデン湾などアフリカ・ソマリア沖で多発する海賊被害がある。
 2001年9月の米同時テロ後に始まった多国籍海軍による海上阻止行動には当初、米英など十数か国が40隻を超す艦艇を派遣し、テロリストの洋上逃走、武器や麻薬の密輸を監視してきた。その後も5~10か国が艦艇を派遣し、日本は01年12月から各国海軍への燃料補給を続けてきた。
 しかし、08年以降はインド洋に隣接するソマリア沖に海賊が出没、各国とも艦艇を海賊対策に振り向けざるを得なくなった。海自の給油は海上阻止行動を担う艦艇が対象のため、ピーク時には月20回以上あった給油も、昨年からは月平均6回程度に減少した。
 だが現場海域は「洋上監視は手薄で、複数の不審な船舶情報があっても、追跡する艦艇が足りない」(防衛省幹部)状況だ。

 海自補給艦の撤収で多くの艦艇が給油のために現場を離脱する。その影響を受けるのが麻薬の密輸阻止だ。アフガンで生産されたアヘンの密輸は急増しており、同省幹部は「タリバンやテロ組織は、麻薬の密輸で得た資金を武器の購入などに充てている。海自の撤収で監視の目が緩めば密輸はやりやすくなる」と懸念する。
 海自の活動は、各国艦艇への支援にとどまらず、日本と中東を結ぶ海上交通路(シーレーン)の安全確保という“副産物”を生み出した。給油活動や日本との往復の合間に、沿岸国や周辺のイスラム諸国と親善訓練を行うなど各国と関係強化を図ってきた。
 派遣部隊指揮官の酒井良・1等海佐は「ペルシャ湾岸から続くオイルルートで活動してきたことに意味がある」と振り返る。最後の給油地点に向かうましゅうから、水平線上に連なる大型タンカーが見えた。

 報道の写真などから現場を推測すると、思わず涙が浮かんできます。(歳をとって涙もろくなったせいばかりではないような。)
 今回の指揮官の酒井良第7護衛隊司令は、第二回の派遣で「ましゅう」の艦長だった時に、「日本に向け航行する幾多の商船を見るにつけ、また、国際社会における日本の立場を考えるとき、この活動は、日本の執るべき当然の姿であろう」と述べておられました。
 今回帰路に就くに際しても、北沢俊美防衛相のねぎらいのメッセージに対し、「今後も国際貢献に努力したいと思っています」などと応じ、隊員には「国民の理解なしには任務を達成できなかったことを認識し、教訓を生かして新たな任務にもまい進することを期待する」と訓示されてます。

 諸兄がご承知の通りで、少し前にも触れましたが、中国海軍は、1974年にベトナムから西沙諸島を戦火の末占領し、1995年に米比相互防衛条約が解消されフィリピンから米軍が撤収すると、南沙諸島のフィリピンが主張する島を占領しました。更に、2007年11月には、中沙、西沙、南沙を「三沙市」として行政区に指定するなどして南シナ海で主張するEEZの領域は広大なものとなり制海権を手中に収めようとしています。つまり、日本のシーレーンは中国の制海権の領域を通過せざるを得ない状況になってきているのです。
 それを、マラッカ海峡の守り人・佐々木生治さんや、海自のみなさんのご苦労で関連諸国の支持と信頼を得て維持してきていたのです。
 
 16日は、インド洋から日の丸が消えた日、即ち、日本のシーレーン=エネルギーや各種原材料の安全保障を、他国に委ねる日となってしまいました。
 選挙で国民に選ばれた何をしても許されると奢る小鳩政権の正体がいろいろ露呈してきています。
 騙されて選んでしまったひと、組合からの指令で投票させられたひと、もしかしたら疑惑資金のお裾分けにあずかったひとたちが、はやく目を醒まして頂かねば、この国は滅んでしまいます。
 鳩山首相は、小沢依存の体制継続を宣言し、民主党大会でも異論は出なかった様です。検察に戦線布告する小沢擁護の体制を固めた与党=小沢に私化した党と政府になったという、民主主義、自由主義の放棄を決めたともいえる民主党大会でした。
 17日以降のマスコミ報道・評論、18日以降の国会と国民の反応は、日本が独裁国家となるか否かの歴史的分かれ道の選択をすることになりますね。




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 続 中国の海洋戦略 





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