遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

防衛省 尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成

2011-05-10 00:15:21 | 東シナ海尖閣諸島

 北澤氏は、普天間移設の説明で沖縄県知事と面談していました。その足で、8日宮古島市の下地敏彦市長と会談し、離島防衛強化のため陸上自衛隊の「初動担任部隊」を同市を含む先島諸島に配備するため、調査を始める方針を伝えたのだそうです。
 また、産経新聞によると、防衛省は、尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成していたことが、同じ8日に分かったと報じています。日本で、仮想敵国名を明確にあげて、占領されてから奪還するシナリオが公表されることは、これまでにもあったのかは知りませんが、素人でも考えるレベルのものですから秘密にすることでもなく、公表することで抑止力になるということなのでしょうか?
 シナリオの概略は以下。
 

防衛省、対中有事シナリオ判明 尖閣占領から奪還想定 (5/9 産経)

<前略>
 
シナリオは大別すると3つの局面で構成される。

 《(1)偽装漁民が不法上陸》
 漁民を装った中国の海上民兵が尖閣諸島に上陸後、中国は「漁船が難破した」と主張。沖縄県警の警察官が尖閣に乗り込み、入管難民法違反の現行犯で逮捕。海上保安庁の巡視船も周辺海域に展開する。

 《(2)海上警備行動で自衛隊出動》
 中国はこれに対抗して国家海洋局の海洋調査船「海監」を派遣。海監は大型・高速化が進み、海保の巡視船では排除できないと判断し、海上警備行動発令により海上自衛隊の艦艇や航空機が出動する。これに中国は「日本が不当な軍事行動を仕掛けてきた」と国際社会にアピールする。

 《(3)南西諸島に武力攻撃》
 中国が海軍艦艇を投入する。海自艦艇などは武力衝突に発展するのを恐れ海域を離脱。警察官も撤収する。間隙(かんげき)を突くように中国は米空母の介入も防ぐため宮古島や石垣島に武力侵攻する。この段階に至り防衛出動を発令、海・空自の艦艇や航空機を集結させ、米軍も展開する。陸自部隊は奪還作戦に入る。

<中略>

 防衛省は6月までに、早急に対処すべき課題と中長期で取り組むべき課題に整理し、平成24年度予算案概算要求に反映させる方針。

  尖閣上陸騒動に中国海軍が出てきたら、海自(=海保ではない)は武力衝突を避けて逃げるのですね。ここでは防衛の抵抗はせず、中国の侵攻をなすがままにまかせる...?
 中国が宮古島や石垣島に武力侵攻してからようやく奪還作戦に打って出るというものです。
 素人の遊爺には奇異に見えるのですが、尖閣に中国海軍が迫ったら何故逃げて、宮古島、石垣島に武力侵攻=国民やその資産を侵されるのを座視した後で防衛出動発令と言う理由は何なのでしょう?被害を広げる前に、尖閣に上陸、海軍が進出したところで防衛するのが筋でしょうと考えるのですが?
 尖閣は日本の領土ではないので防衛活動はしないで、宮古島、石垣島なら"奪還作戦"に入るというのです。
 専守防衛の内容については議論のあるところで、先制的自衛権で被害を最小限に抑えることも俎上にあがっていますが、尖閣に中国海軍が攻めてきたところでの防衛は、専守防衛の範囲内だと考えるのですが...?

 また、シナリオが防衛大綱の後になったのは考え方が逆で、シナリオの集大成が大綱でないので、シナリオを詰めた後、大綱を修正することになるとの指摘もあります。
 

【視点】防衛省、対中有事シナリオ判明 本末転倒 内容なき「宿題大綱」 (5/9 産経)

 
防衛省が、中国による尖閣諸島占領と離島侵攻を目の前の脅威と直視し、課題の検証に入ったことは一定の評価ができる。ただ、そのプロセスは本末転倒だ。シナリオ研究で課題を洗い出し、保有すべき防衛力と運用構想を「防衛計画の大綱」に反映させるべきだったのではないか。
 防衛省は課題検証を「防衛力の実効性向上のための『構造改革』」と称しているが、実際には大綱策定時に積み残したテーマを整理する作業にほかならない。
 列挙したテーマは25項目。大綱に中身が何も詰まっていないことを認めたに等しい。省内では「宿題大綱」と揶揄(やゆ)される。
 25項目にはシナリオ研究に関係する「機動展開態勢」と「警戒監視」も含まれる。大綱の柱として打ち出した「動的防衛力」の根幹をなす項目だが、その実効性すら担保されていなかったわけだ。それもひとえに民主党政権が米軍普天間飛行場移設問題に右往左往し、大綱の検討に本腰を入れなかったためだ。
 しかも政権はなお迷走を続ける。防衛省政務三役は当初、シナリオを尖閣占領にとどめ、宮古島などへの侵攻は想定すべきでないと脅威を過小に見積もった。東日本大震災への対応で約1カ月の中断を経て検討が再開されると、今度は南西諸島での作戦展開中に震災やテロ攻撃が同時発生する事態も想定に入れるよう命じてきた。
 その間にも中国に遠慮はない。震災発生後も海自の艦艇に航空機やヘリを異常接近させ、上海沖では演習も実施した。昨年の演習では艦艇10隻を沖縄本島と宮古島の間を通過させたこともあり、海自は艦艇を震災対応からシフトさせるかどうか踏み絵を迫られた。
 抑止力と対処力の向上は待ったなしだが、民主党政権には荷が重すぎるようだ。実効性が薄い現在の防衛大綱の廃止と再策定が早晩政治課題に浮上するとの指摘もある。(半沢尚久)

 仮想敵国に中国の具体名をあげ公表したこと、先島諸島への自衛隊配備に向け、具体的な始動がなされようとしている事は、自民党政権でも出来ていなかったことですから、評価は出来ます。
 問題は、中国の反攻が始まりますが、そこで腰砕けにならず、一旦口火を切ったのですから、その覚悟を継続できるかにかかってきます。
 口先だけのアドバルーンをあげて、反攻があると直ぐに腰砕けになるのが民主党のDNAですが、どうなることやら。





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尖閣諸島灯台物語
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